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初めての電車

五歳までしか日本に居なかった作者が

日本のことが大好きで

日本の文化を愛している…


そんなコメントが

テレビのコメンテーターによって

流れてきたのを受けて

私はその作者が日本で生まれ

五歳まで日本で生活し

言葉や習慣を覚えていくのと同時に

この国ならではの

目に映るもの

聴こえてくるもの

味わうものや香りなどを

きっと何十年経っても忘れずに

あたためているであろうことに

自分のこととして興味をもちました


たった五年…

されど五年…


子供で幼少であるからこそ

その頃のことがとても印象深く

意味は理解していなくても

断片的かつ鮮明に

記憶されていることは

特別不思議なことではないと思いました


何故なら

私も幼少の頃の記憶をたどってみると

歩けるようになったころからの

その時に生活していた場所での受けたものは

とても影響力があり

断片的に思い出したとしても

強烈なインパクトで覚えていたりするからです


そんな思いから私の幼少のころの

とても印象深かったことを

目に浮かぶような描写で語ってみたいと思いました

*このオリジナル作品はlivedoorブログにも投稿しております

青い空 青い海 きらめく太陽


私の視線の彼方には

右から左まで

綺麗な平行線を描いた

空と海とが見えていた


そして頭の上には

キラキラとした眩しい光りが

私の肌を熱く照らす


そう…

あれは小さい頃

電車に揺られ家族で海へ出かけた時のことだった


記憶に残る昭和の香りがする

くすんだ赤のえんじ色の椅子…


電車に乗ったことのなかった私は

無邪気にはしゃぎ

居場所の定まらない動きをしていた


そんな私達をよそ目に

父と母は沢山の荷物を持ちながら

やっと席を決めると

ここへおいでと椅子を優しくたたき

若干落ち着きのない私達のことを

笑顔でこまねいていた


きっと私は

開放感のある大きな窓の付いた

カプセルのような空間に

心を弾ませて探索していたに違いない


すると

今度は姿勢の定まらない私達に

母は名前を呼びながら

ちゃんと座るよう

その場所へ引き付けるような目と

手招きで諭されたため

母の横へと観念して座った

そして

母の言うことを聴いて

大人しくしていると

電車が動き出したのだ


徐々に早くなっていく電車の速度と

動いていない自分の

不思議な体感を味わいながら

椅子に掛けていた私は

向かいの窓の飛ぶような外の景色が

よほど興味深かったのか

釘付けになって見ていた


その目の前の

めくるめくような景色は

建物や緑

高さの違う山々

その向こうの青い空などが

ビュンビュンと飛んでいくのが

繰り返されていたが

緑の単調な景色が続いた後

突然

目の前が暗くなった


初めての電車で通るトンネルの中…


窓からの景色は黒くなり

耳にもボーッとした音がこもり

周りの音が聴こえずらく不快な感覚になった


そして

繰り返し走ってゆく景色は

黒い壁に横に細長い白い電灯が

時々見えたりしているだけであった


私は変化のない景色のつまらなさと

耳から受ける窮屈な感覚のことを

母に話すと

鼻をつまんだまま

鼻をかむときのようなことを

すると良いと教わり

母のジェスチャーのように真似をすると

耳がスッキリとした


そして

もう少し待ってくださいと

私は母になだめられ

青空が見えるのは

いつかな

いつかなと心待ちに

仕方なく黒い壁を見ていた


しばらくすると

暗闇の向こうの方に

白い明るみが差してくるのが見え

白の割合が段々と多くなっていった


そして

スコーンと白になった瞬間

目の前が青く輝いていた

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