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Create・World・Online  作者: 迅風雷
第2章 王都への旅路
60/193

22『瓢箪から駒』

 さて、宿から出たはいいが、


「どこから探そうか?」

「さっき通った道の出店とかはどうでしょう? 色々売ってましたし」

「でも、素材を買い取ってもらえるのかな?」

「プレイヤーならよくやってますよ、ノルンはどうかわかりませんけど」

「それじゃあ、とりあえずそっちに行ってみようか、もし無理でも売れる場所を聞けるかもしれないしな」

「「はい!」」


 という事で3人で来てみたは良いけども、


「駄目だな、どこも買い取りはやってないってさ、そっちは?」

「こっちも駄目でした、どうにも初対面の相手からは買い取ってはいけないそうです」

「う~ん、信頼度の問題か?」

「それかジョブのせいかもしれません、結構縛りがきついですから」

「後はユキムラ君待ちだけど」


 アンク君と2人で考察していると、ユキムラくんが元気いっぱいに戻ってきた。


「ありました! ありましたよ!」

「ありました、って何があったんだ?」

「これです!」


 ユキムラくんが手の上に広げて見せてくれたのは黄色い葉っぱ、そんなに嬉しそうにする物なのか?

 ってことで【鑑定】


【光草】

『通称太陽草 強い魔力を宿した薬草

 標高の高いところで太陽を長時間浴びた結果

 常時光を宿す特性を得た 調合素材

 効果:LP・MP30回復』


「薬草の上位品か」

「はい! これで同時回復出来るポーションが作れます!」

「そうか、それは良かったな、ところで、買い取りの件は」

「そっちもバッチリです、森側の門の近くに冒険者ギルドの出張所があって、そっちの方なら誰でも利用できるそうです」

「でかしたユキムラ君! それじゃ早速行こう」

「「はい!」」


 うん、元気でよろしい、早速移動だ。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ギルドの出張所はとても質素な作りをしていた。

 カウンターは3つ、酒場は無い。

 カウンターも狭く1人で作業すること前提のようだ。

 俺はその1つ、素材買い取り専用のカウンターにアンク君と共に並んだ、順番はアンク君の方が先だ。

 アンク君が受付のおじさんと話している間に、俺も売却する素材を選ぶ。

 ん? 入れた覚えの無い物が、


「ほれ、次の奴」


 呼ばれてしまった、コイツの件は後回しだな。

 売る素材とギルドカードを渡すと、おじさんは丁寧に袋に素材を入れ、ギルドカードを返しながら告げる。


「査定は明日までには終わるから、村を出るときにでも来てくんな」

「分かりました、それでは失礼します」


 ふ~、とりあえずこれで少しは金の足しになるだろう。

 しかし、本格的に金を集める手段を見つけないとまずいな、俺も生産的なスキルを取った方が良いだろうか?

 ……今考えても仕方ないな、王都についてからにしよう。

 出張所から出ると、なにかを困っている様子のアンク君とユキムラ君、


「どうした?」

「あっ、そのボックスに僕の知らない物が入ってまして、どうしたものかと」

「……もしかして、卵か?」

「なんで分かったんですか!?」

「俺のにも入ってた」


 そう、いつのまにかボックスの中に【卵】と表記されていた。

 アインで買った記憶はない、そもそも売ってない、高級品で一般人に販売されてないそうだ。

 だから、謎の卵だな。


「とりあえず1個取り出してみるか」

「それじゃ僕も」


 ポーチに手を入れ一覧を出し卵を選択。

 ……おい、✖3って、なんで3つも入ってんだよ、一体誰の仕業だよ、パーティーしか入れられない筈だろ、これ。

 とりあえず1個取り出してみる。


「小さいですね」

「なんの卵でしょう?」


 手に現れた卵は手の平サイズ、その形、重さ、物凄い心当たりがあるんだが、これ、


「馬車にくっついてた卵と同じ感じだな」

「じゃあこれは」

「馬車に仕掛けられた時に一緒に入れられたかな?」

「一体なんの為に?」

「さあね、ただ、これを孵せば仕掛けた犯人は分かるんじゃないかな?」

「だったら、孵してみましょうか?」

「良いのか? 従魔はパーティー枠を埋めるし、食事も必要になるぞ」

「かまいません、僕はこの卵を託された、そう考えていますから」

「そうか、それなら俺が言うことは何も無い、頑張ってくれ」

「はい!」

「え~と、孵るまでの時間は」


【卵】

『何かの卵、何が生まれるかはお楽しみ

 孵化まで02:52』


 約3時間か、今日中は無理か、でも明日中には産まれるな。

 ゴウカとケンランと比べると物凄く早いな、それだけ弱いということか?

 生まれたら分かるか。


「3時間ほどだな、こっちにいる間しか減らないから、産まれる瞬間に立ち会えないってことはないから安心しろ」

「ありがとうございます、明日中には僕に従魔がフフフ」

「い~な~」


 ユキムラ君が羨ましそうにアンク君を見ている、ユキムラ君は従魔が欲しかったのか。

 それならばと、もう一つ卵を取り出したところ、


「だったらユキムラにもあげるよ、もう1個あるから」

「ホント!?」

「うん! まずは1体手に入れて、それからどうしようか決めようと思ってたから」

「ありがとうアンク! 大事にするよ」


 アンク君はポーチから卵をもう1つ出しユキムラ君に渡し、ユキムラ君はそれを嬉々として受け取った。

 ……出遅れた、とりあえずポーチに戻すか、あれ? 入れられない、仕方ないこっちも孵すか。

 この大きさならポケットにも入るから持ち運びが楽で良いな~、さて、


「じゃあ、そろそろ戻るか」

「あっ、その前に食べ物を買っていいですか? この子の為に」

「だったら僕も」

「んじゃ、もう1回出店に寄ってから帰るか」

「はい!」


 再度3人で出店を巡る、卵から何が孵るか分からない為一通りの食材を買い揃える。

 俺も少ない有り金をひねり出し少し買った。

 ヤバイ、早く金策を考えないと食材も買えなくなるかも、しかし、料理ですら適当にやってる俺に出来る事ってなんだ?


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「おっ、戻ってきたな」


 宿に戻ってきたら、宿のエントランス? に皆が集まっていた、何かあったのか?


「どうしたんだ皆、こんなところに集まって」

「明日の流れを確認しとこうと思ってな」


 つまり、何時位にログインして、いつ頃村を出発するかの確認をしたいらしい。


「俺は午後6時前後にに来るつもりだけど、現実のな」

「分かった、じゃあそれぐらいにここに集まろう」

「良いのか、それで」

「御者が来ないと俺達は動きようが無いからな」

「それもそうか」

「だったら私、その間にもう1度探してきます」

「探すって何を?」

「虫除けに決まってるじゃないですか!」


 あ~、そう言えばそんな事言ってたな、もう1度って事はもう既に探したんだな。


「見付けられなくても、出発する頃には戻ってくださいよ」

「もちろんです、心配ご無用ですわ」

「他に何かあるか? 用事があって遅くなるとか、ログイン出来そうに無いとか」


 皆、意見を言わなかった、どうやら問題は無いらしい。


「よし! それじゃ出発は6時位、それまで皆自由行動だ、今日はメンテナンスもあるから早めにログアウトしろよ」

「「「了解」」」


 皆が立ち上がり部屋に動き出した、俺も従魔達に挨拶してからログアウトするか。

 そう思って動きだそうとしたら、イアンが皆を呼び止めた。


「おっ、そうだ忘れてた、皆最後に聞いてくれ、町の中央に人位の大きさの結晶があるんだが、なんでも他の町から転移が可能らしい、一方通行でこちらからは使えないそうだけど、もし今後この村に用があるなら使えるようにしておいた方が便利だぞ」


 へぇ~、そんなものがあるんだ、でも、今現在この村にまた来る理由が無いから保留かな。

 待てよ? 使えるようにってことは何かの手続きが必要なのかな? だったら今後の為に1回やっておいても損はないか。

 ま、するなら明日にしよう、さあ改めてグレイス達に会いに行くか。

 その後は部屋に戻ってログアウトだな。

【卵】

『何かの卵、何が生まれるかはお楽しみ

 孵化まで02:07』

【卵】

『何かの卵、何が生まれるかはお楽しみ

 孵化まで02:12』


サブタイ、ルビをつけるなら

『BOXから卵』です

明日は掲示板、2回に分けて更新その後は週一です

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