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Create・World・Online  作者: 迅風雷
第2章 王都への旅路
43/193

05『相談』

「ネリネさんを王都に?」

「正確には私を含めた4人になります。皆、武器防具を制作、整備が可能です。ですから道中は無料で整備を行う、と言うことで王都まで連れて行って頂けませんか?」

「人数は大丈夫だと思いますけど、日程は大丈夫ですか? 明日の朝には出発して金曜までに王都に到着する予定なんですけど」

「大丈夫です。少々無理をしてでも合わせますので」

「……一応聞きますけど、そこまでして王都に行きたい理由は?」

「ジンさんはクラスアップを御存知ですか?」

「ジョブレベルが20になったら上位のジョブに変える事が出来る、ってやつでしたよね」

「はい、そしてそれは王都でしか出来ないようです」

「マジで?」

「マジ、です。正確には各国の首都で出来るようです、私の情報が正しければの話ですが」

「なるほど、それで王都に行きたいと」

「はい、私達のレベルはまだクラスアップは出来ませんけど、一度王都のゲートを解放しておけば、いつでもゲートで移動が可能になります。つまり、二度目の馬車は必要ありません。さらに申し上げるなら、私達プレイヤーは常時こちらにいるわけではありません。もし、ログアウト中に馬車に何かあったとき、私達のアバターがどうなるのか検証が出来ていません。移動中の馬車内にログインするのか? それともログアウトした場所に? あるいは街に戻されるのか? 不確定な部分は多い。ならば、同じプレイヤー同士で時間を合わせて移動した方が良い。そうは思いませんか?」

「そ、そうですね」


 捲し立てる様に理由を並べていくネリネさん。この人、プレイヤーだったんだな。マーカーを切ってるから気付けなかった。まあ、服装と言動が変なところで気付くべきだったかな。ただ、俺こういう口調の人苦手なんだよな~、なんか堅苦しいし、こっちも合わせなきゃいけない気がするしで気が滅入るし。でも、装備の耐久値が減るようになったしまった以上、整備が必要なのも間違いない。いや、一週間共に動いてくれるというだけで有難い話なのだ。

 人数に関しても今日の練習と同じ規格の馬車らしいから問題ない。ついでだからもう少しメンバーを増やしても、あっ、俺まだ誰もフレンド登録してない。つまり誰にも連絡できない。あれっ、俺ってぼっちプレイヤーなのか? いや、ノルンの友人なら何人か、……友人と呼べる程親しくないな、やっぱり俺、ぼっちなのか? い、いや、ここはソロプレイヤーと思おう。ぼっちよりソロの方がなんとなく印象もマシな気がするし、そうしよう、うん。


「どうなさいました?」

「えっ! い、いや、なんでもないです」

「そう、ですか? それなら良いのですが。それでどうでしょう、馬車に乗せて貰えるのでしょうか?」

「そ、そうですね、そこまで言うなら一緒に行きましょう」

「本当ですか!? ありがとうございます! それでは早速皆にメールしますね」


 嬉しそうにメニューを操作しだすネリネさん。とりあえず王都までの旅路がそれなりに賑やかになることは歓迎すべきだろう。俺だけだとグレイスとシロツキの2頭だけ、あっ、卵もあったな。あれももうすぐ孵るんじゃなかったかな? 後で確認しとこう。

 そうこうしている間にギルド前に到着した。早速報告に、


「ジンさん」

「何ですか?」

「その、時間の都合はついたのですが、皆が一度会ってみたいと申しているのですが」

「それくらいなら大丈夫ですよ」

「本当ですか!?」

「俺もどんな人達が一緒に来るのか確認したいですから、それで何処に向かえば?」

「そろそろ私達もログアウトの時間ですから、噴水広場で良いですか?」

「分かりました。それじゃあ早く用事を済ませますね」

「はい、お願いします。こちらも話を通しておきます。それではまた後で」


 さて話はついた。早速受付に行くとしよう。

 ギルドの中はそれなりの賑わいをみせていた、主に酒場の方が。どうやら、救出作戦に参加したメンバーが打ち上げを行っているようだ。反対に受付の方は閑散としている、理由は依頼掲示板にあった。


『ギルドからの通達


 現在南の森に大量のゴブリンが確認されています

 その危険性からしばらくの間 南門の閉鎖が決定しました

 それに伴い 森とその周辺の依頼を一時停止します


 rank:C以上の冒険者の皆様に置いては

 暫く【アイン】に滞在されることを望みます


 rank:D以下の冒険者の皆様は申し訳ないですが

 少し難易度の高い東の依頼を受けるか

 王都に向かう事を推奨しております


 王都への移動に関して知りたい方は気軽に受付にお尋ね下さい


                ギルドマスター オーガン』


 知らない間に南門は封鎖されていたようだ、早朝は通れたのに。ゴブリンの件は俺も知ってるから納得も理解も出来るが、何も知らない人達、特に異人は文句を言いそうだな。まあ、俺にはどうする事も出来ないけど。さて、ネリネさんは友人達と連絡を取り合っているので俺一人で受付に向かう。


「すいません、連絡があるんですが」

「はい、何でしょうか? 」

「馬車の出発時間についてなんですけど」

「では、確認しますのでギルドカードを提示してください」


 言われるままにカードと言う名のプレートを出す。しかし、なんでカード呼びなんだろうか? プレートで良くね? 『ギルドプレート』・・・なんか違うな、やっぱりカードの方がしっくりくるな。うん。


「確認しました、まだ出発時刻は決まってませんね。何時にするか決まりましたか?」

「明日のAM8:00には出発しようかと思ってるんですが」

「分かりました、その時間前後に東門前に来てください出発出来るようにしておきます。それとルートの確認もしましょう」

「ルート?」

「はい、王都に向かうルートは三つあります。ええと」


 そう言いつつ、カウンターの下から大雑把な地図を取り出す。地図を広げ、一点を指差し、


「ここが【アイン】です。ここから東に3時間程で三股の道に出ます。一つは東への直進ルート、一番距離が短い最短ルートです。ただ、道幅が狭いので馬車は通れません。次が北側から山を越えるルート。大体3時間程で山頂に到達、その後1時間程下れば村に到着します。最後に南東の森を抜けるルート。2時間程でこちらも村に到着、その後は南から山をなぞるように森を進む事になります。他のルートも最終的には森に入りますが、このルートが一番森に居る時間が長いです。そして、この森が1番の難関です」

「どういう事ですか?」

「この森の名前は【巨虫の森】普通より遥かに大きな昆虫達が生息する森、最低の大きさでも人の腕程ある厄介な昆虫達が住み着いています。この森を2日程かけて越えなければなりません。そして一番の問題は、虫達は魔物では無いので魔物除けの魔法が通じない、と言うことです」

「つ、つまり、虫の襲撃に備えながら野宿をしないといけない?」

「その通りです」


 巨体な昆虫が住む森、か。魔物除けも効果が無い、あれ? これ手詰まりじゃない!? どうすりゃいいんだ?


「幸い森の中にも村があります。そこまでたどり着ければなんとかなるはずです」

「まさか虫除けでも売ってるんですか?」

「正しくその通りです。あの森に住む虫達は普通の虫除けでは効果が無いですが、村で作られる虫除けならば効果があります」

「無いとまともに生活出来なさそうですしね」

「そうですね。あとその村は王都から8時間程の場所にありますから、たどり着ければ森の出口も近いですよ」


 ふう、とりあえず森に入ったらその村にGOだな。さて、ルートを選ばないといけないんだったな。……いや、一つしかないよ! そんな危険な森、長居してたまるか。


「北側から登山で」

「ではそれに合わせて馬車を調整しますね」

「ありがとうございます。それと、一度馬車の実物を見ておきたいのですが」

「すいません。ギルドの備品等はギルドの職員しか場所を教えられない決まりでして」

「そうですか」

「そのかわり、デッサンしたものがありますが、それで良ければご覧になりますか?」

「お願いします」

「分かりました少々お待ちください」


 受付の女性が奥の部屋に入っていく。さて、どんな物が出てくるかな。そんな事を考えていると、


「あっ! ジン、久しぶり~」

「ん?」


 後ろを振り返るとどこかで見た女性が手を振りながらこっちに来る。……誰だっけ?

直前までサブタイで悩んだ

候補は『相談』と『交渉』

でも交渉って程じゃないかなと思って相談を選んだ


とりあえずはこれで良いと思ってる


少々時間に無理が出てきたので道程の時間間隔を変更しました

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