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Create・World・Online  作者: 迅風雷
第3章 星の降る島
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39『ダンジョン』

 ダンジョン、それは魔物が蔓延り、強力なアイテムが眠る場所。

 ダンジョンには種類が2つ存在する。1つはそのままダンジョン、もう1つをラビリンスと呼ぶそうだ。と言っても冒険者はどちらもダンジョンと呼んでいるみたいだけど。


 どちらも最奥にダンジョンコアと呼ばれる球体が存在し、その手前にはボスが待ち構えている。何故2種類あるとされているのか、それはダンジョンの発生手順の違いだ。


 ダンジョンの方は自然に生まれた洞窟、或いは魔物が掘った巣穴にダンジョンコアが生まれ拡大していったもの。内部の様子は様々で多くは周辺の環境を模している事が多い、森に囲まれたダンジョンなら中も木々が生えていたりするそうだ。


 そしてダンジョンの目玉は拡張していく過程で取り込んだ希少な金属や素材を入手できる事。例えば俺が売ったアダマンタイトやユキムラ君が欲しがる薬の材料、まあ自然に存在する物が取れるわけだ。


 ラビリンスの方は人が地下に作った研究施設等にダンジョンコアが発生し、研究施設の設備等を増産しながら拡張していったものだ。こちらは人が作ったような通路が多く照明もあるため歩くのは楽だが、ドールタイプやゴーレムタイプの魔物が多く蔓延り難易度が高い。


 目玉は研究中のアイテムが希少な魔道具になって出土する事、たまに研究者が研究を完成させるために突撃することもあるため、ラビリンスは隠される事が多いそうだ。


 さて、では俺達が絶賛挑戦中のこのダンジョンはどちらなのか。答えは……両方だ。

 まさか降りた先がいきなり分かれ道で、その先がそれぞれの特徴を持つ道になっているとは思わなかった。俺達は相談の結果、まずはダンジョン、洞窟の方へと足を踏み入れる事になった。理由は、


「悪いな俺の都合に付き合わせて」

「気にしなくていいよ、こっちとしてはどちらでも良かったんだから」


 ダンジョン入口で合流したテツ、彼はダンジョンで発掘できる鉱石を求めてここに来たそうだ。俺としてはポイントが集まればそれでいいから目的がある人の意見を優先した形だ。まあ、ラビリンスの方にも興味があるから後で行くけどね。


「おっと、感知に反応あり、え~と、右の通路、天井から来るぞ」

「了解! ゲンジロウ!」

「ピィィィィィィ!」


 仄かに赤く輝くゲンジロウが高い天井に飛んでいく。ゲンジロウはマリオネットドールを討伐した直後、俺達が気絶している間に進化を終わらせていた。今の種族はは【レッドシルバースワロー】と言う種族だ、判別結果はこちら。


【レッドシルバースワロー】rank:D

『体が赤銀で構成された燕 どちらかと言えば好戦的

 光が反射して赤く輝く体は非常に美しく、貴族達がペットにすることも多い』


 あれだな、動く宝石? みたいな扱いみたいだな。ストレインもこんな感じに進化するのかな?


 さて、そのゲンジロウはストーンスワローの時よりも早く高く飛んでいく。少し待つと落ちてきたのは大きな灰色の毛玉、それをゲンジロウは追撃している、器用だな。え~とこいつは、


【ケイブマウス】rank:D

『洞窟に住むネズミ 黒っぽい毛色をしている個体が多い

 小さい個体は群れを、大きな個体は単独を好む、大きくなるにつれ強さが増す』


 まんまの名前だがrankはD、油断は出来ない相手、の筈なんだが、


「倒しきったな、ゲンジロウだけで」


 ケイブマウスは地面に落ちると同時に光の粒子になって消え去った。う~ん? 同rankとは言えゲンジロウの大きさはそれほど変わっていないし、まだ進化したばかり。落下時にダメージが発生したとしてもそれで終わるほど弱いのかケイブマウス。


「ジンさん、どうしました?」

「いや、説明だと大きい方が強いそうなんだが大きさのわりに弱いな、と思ってな」

「それは多分あれが原因じゃないですかね」

「あれ?」


 ユキムラ君が指差す先には上を向いて伸びる鍾乳石が3本、ああ、突き刺さったのか、そりゃ消えるわ。運が悪いなケイブマウス。もしくはゲンジロウが狙った? いや、流石にそれは考えすぎかな。


「よっし! 採掘終わったぞ、次に行こうぜ」


 テツは額の汗を拭いながらそう言った。【採掘】と言うジョブスキルがあると採掘ポイントなる場所が見えるそうだ。俺は持ってないから只の洞窟にしか見えない、異常に天井が長い気がするけど、まあゲームだし気にしてたら楽しめないから深く考えるのは止めた。


「でもテツさん、この辺りは大体掘り尽くしたんじゃないですか?」


 そう、ダンジョンに潜って2日、つまりイベント6日目。現在地はダンジョンの地下10階、ここに来るまでの採掘ポイントは粗方掘り終えた筈だ。


「だったら下に行けばいいんだよ、お前達もコウモリやネズミ相手ばっかりじゃ経験値にならないだろうからちょうどいいだろ?」

「そりゃ強い方が経験値もポイントも高いからこっちは良いが、いいのか? 確かこの下の階は──」

「森林エリアで採掘が出来ないかも、だろ? 気にするな、無かったら地上に戻りながら探せばいいんだよ」

「その前にボス戦がありますけどね」


 ダンジョンの10階から11階に向かうにはボスを撃破しなければならない。掲示板によると基本的に1人1回だけ、ただし、まだ倒した事のない人がいる場合は再度挑戦可能だそうだ。確かボスは……


「大きなモグラだっけ?」

「はい、名前は【ヒュージケイブモール】rankはC、攻撃方法は長い爪によるひっかき攻撃と噛みつき、LP(ライフ)が半分を切ると土に潜行して下から奇襲攻撃、これはLPが減っていくにつれ頻度が増す、だそうです」

「ほう、それだけ分かってりゃ攻略法も確立済みか?」

「ええと、ちょっと待ってください……ありました、大きさは4m程、基本的に動きは遅いので攻撃できない事はない。ひっかき攻撃は右、左、両腕の順に繰り出される、両腕攻撃の後に隙が出来るのでそこを攻撃するのがいいだろう。噛みつきは2連撃、噛みつかれると低確率で麻痺、飲み込まれると即死、ただし飲み込まれる前の咀嚼時に怯ませる事が出来れば抜け出す事が可能。しかし、噛みつき自体の攻撃力が高いので噛まれた時点でLPがゼロになる事も多い、え~と、続きは……」


 4mもあるモグラか、デカイとは聞いていたけど相当だな。でも攻撃は近距離だけ、それならなんとかなるかな。ひっかきはなんとかなるとして、問題は、


「問題は噛みつき攻撃か、麻痺もそうだけど即死は辛いな」

「だな、それも飲み込まれて死ぬわけだから精神的にもくるだろうし出来れば遠慮したいところだ、ま、こっちには遠距離攻撃できるのがいるし、最悪逃げ回りながらなんとかすればいけるだろう、それでユキムラ、後半の方は?」

「潜行時には土煙が発生するので居場所の特定は可能、移動した後に残る割れ目に足を固定されるのでモグラの後ろには移動しないこと。潜行攻撃は3回、これはLPが減っても増減なし。全て掴み攻撃で捕まると地面に引きずりこまれて咀嚼、地上に全身が出た後に飲み込み、当然即死、逃げることに成功しても高確率で麻痺、最悪の場合これで全滅もありえる、だそうです」

「これはあれだな、絶対捕まるな、そういうことか」

「だな! まあ危険なのは俺だけだな、ジンにはネイ、ユキムラにはそこのデカイ鹿がいるからな」

「デカイ鹿ではないです、【ランドディア】のノブシゲです忘れないで下さい」

「ああ、そうだったな、悪い悪い」


 ノブシゲもまたマリオネットドール討伐時に進化した、新たな種族は【ランドディア】大きさは馬並みで毛色は茶色く背中に白い斑点模様がある、ユキムラを乗せて走る姿は何処かで見たアニメを思い出させる、角の形は違うけど。残念ながらここは足場が悪いから今は乗っていないが。


 角も長く太くなり武器としても優秀だ。壁に相手を押さえつけたり、枝分けれした角に引っかけた相手を振り回したりと力がとても強いと感じる、敵として戦うなら注意が必要だな。あっこれが判別結果ね。


【ランドディア】rank:E

『ソイルディアが成長した姿と言われる大きな鹿

 背中には数多の植物が生え、その中には珍しい物もあるため一部の者達に人気』


「もう掲示板の情報は充分だろ、早速実戦と行こうぜ」

「それじゃ警戒しながら作戦でも考えましょうか」

「いいなそれ! それじゃ俺が一番槍、いや一番槌を貰うぜ」

「ええ!? 文字通り僕が一番槍がいいです」

「いーや俺だね」

「いえ僕です」

「それじゃ2人が攻撃する前に俺が背後からザシュッと」

「「ええ~!?」」


 冗談を交えながらダンジョンの奥に向かう、今度は情報もあるしミミックファルコンの時のような面倒さは無いだろう。それじゃ一丁やってみるか!

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