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Create・World・Online  作者: 迅風雷
第3章 星の降る島
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38『次の目的地は……』

「──と言うわけだ、文句はあるか?」

「あるに決まってんだろテメェ!!」

「兄さん! 落ち着いて! すいません、ちょっと時間を下さい、ほら兄さんちょっとこっち来て」


 今回の作戦提案者であるテツが理由を説明した。案の定エドガーがキレ、アルゼンがそれを止めている。まあ、勝手な行動をしたのは俺達だけど、エドガーが人の話を聞かないのも原因の1つだからこっちも譲るつもりはないが、どうなるかな?


 アルゼンは他4人の仲間と一緒にエドガーと話している。たまにもれる会話から皆でエドガーを説得しているみたいだ。うん? 仲間の1人が何かを取り出してエドガーに刺した。


 え? まさかの仲間割れ? と思ったがどうやらそうじゃないらしい。刺した人がエドガーを森の中へと引きずろうとしているのが見える。そんな中、アルゼンだけが戻ってきて、


「と、とりあえずレイド戦ご苦労様! いくつか想定外はあったけどミミックファルコンの討伐は成功です、皆さん協力ありがとうございました! それでは解散してください!」


 と俺達に告げた。しかし、アルゼンの背後から声がかけられる、かけたのはエドガーだ。


「待てアルゼン! 俺はまだ納得してな──」

「チッ、もう解けたか、皆は兄さんを連行して! それでは失礼します! ほら急いで!」

「「「「イエッサー!!」」」」

「リーダーは俺だ! 聞くなら俺の命令だろうが!! おい止まれ! 止まれってば!!」


 エドガーはアルゼン達に引きずられて森の中に消えていった。ふむ、実質的なリーダーはアルゼンでエドガーはお飾りか? あの性格じゃ人の意見に耳を傾けるって事はしなさそうだし、妥当な判断かな。


「と、とりあえずお疲れさん、エドガーがどう出るか分からんかったが、どうにかなって何よりだ」

「どうせなら攻撃してくれれば反撃の体で倒せたのに、アルゼンって奴は余計な事をしてくれたな」


 サザリさんの言葉にテツが物騒な返事をしている。相当エドガーが嫌いなんだな、会話なんてろくにしてない筈だけど、やっぱり初対面の印象が悪かったのが原因だろうな。


 周りの皆は労いの言葉を交わしそれぞれのパーティに戻っていく、俺達もアヤメさん達と合流しないとな。そう思いユキムラ君と歩き出そうとすると、テツが話しかけてきた。


「2人ともお疲れさん、お前らはこれからどうするんだ? 俺はダンジョンを目指すつもりなんだが、一緒に行かないか?」

「あ~、とりあえずは仲間と相談するのが先かな、パーティを組んでいる以上何も言わずに動く訳にもいかないし」

「そりゃそうだ、それじゃ都合があったら組もうぜ、またな」


 テツもそう言って森の中へ歩いていった、テツは敵対すると厄介な人だけど味方なら気のいい人だな。さて、まずはアヤメさん達と合流だな。俺はユキムラ君と従魔達と一緒にアヤメさんとカンナさんの元へ向かった。


「お疲れ、大活躍だったわね」

「お疲れ様です、そちらはどうだったんですか?」

「ポイントは貰ったけど、矢を回収してただけだから基本のポイントだけね、ホント損な仕事だったわ、これなら前衛組で突撃した方が良かったわね」

「私も~役に立ったとは言いがたいですね~、別に~、ミミックファルコン自体が攻撃してきた訳じゃないですし~、回復も流れ矢と魔法を受けてしまった運が悪かった人だけでしたしね~」

「そうでしたか、それはなんとも」


 矢の回収組なんかも居たんだ、それはまた危なそうな役割だな。そういえば俺も流れ矢受けたっけ、まぁ、あれは開いた場所が悪かっただけなんだけど。


「レイドも終わったし今後の話をしましょ、何か希望はある」

「俺はポイント集めにレイド巡りか、ダンジョンに行きたいと考えています」

「僕も似たようなものです、僕は素材を集めながらですけど」

「私は~何処でも良いですよ~」

「レイドかダンジョンね、それじゃ掲示板を覗いてみましょ、残ってるレイドボスの情報次第で行き先を決めるってことで」

「分かりました」

「了解です」

「は~い」


 と言う訳で掲示板をチェックしてみる。え~とメイズオクトパスは未だ交戦できず、何か条件がある可能性大、か。メイズは迷路の意味だったよな? ダンジョンにヒントが有る気がするけど、どうなんだろう?


 ラーヴァガーディアンは現在交戦中、このままの調子ならあと1時間もあれば終わる模様。へ~、頑張ってるな~。確かコイツの討伐にはネリネさん達が挑戦している筈、エンクさんが嬉々として撃ちまくってる姿が目に浮かぶな。


 チャームプラントは既に討伐は終了しているそうだ。方法は……周囲一帯の森を焼き払った!? とんでもない事をしているのがいるみたいだな。え~と、焼き払った影響でチャーム出来なくなって、攻撃が蔦の触手だけになったチャームプラントをタコ殴りにした、と。過激な人の集まりか?


 俺が集めた情報はこんなところ、ユキムラ君達の情報も似たりよったりだった。さて、どうするかとなった所で、


「それじゃ私とカンナはネリネ達と合流するわね」

「また突然ですね、何かあったのですか?」

「さっきショートメールが届いてね、勝っても負けても一旦集まろうって、あっジンとユキは来なくても大丈夫よ、どうせ愚痴を聞いて欲しいだけだろうからこっちでなんとかするわ」

「ネリネちゃんは愚痴を言い出すと~長いですからね~こっちにお任せ~」


 ああ、なるほどそう言うことね。思っていたほど活躍出来なかったのかな? さて、それじゃ俺はダンジョンに行こうかな。一応あんな姿でも神様のおすすめだしね。


「ユキムラ君はどうする? 俺はこのままダンジョンに向かおうと思っているけど」

「一緒に行きます、姉さんとビウムさんが揃って愚痴を言うときは相当面倒な事になるので」

「それじゃあユキはジンとダンジョンへ、私とカンナはネリネ達と合流で良いわね?」

「はい、問題ありません、姉さん達の事はお任せします、頑張ってください」

「いいのよいつもの事だから、パーティ……は既にバラけてるからこのまま別れましょ、それじゃまた今度ね、行くわよカンナ」

「は~い、それじゃ~またね~」


 アヤメさんとカンナさんは手を振りながら森の中、山の方角へと進んでいった。凄いなあの2人、ネリネさん達の愚痴を聞くために合流するって言うんだもんな。俺には真似できん。


「よし、俺達も行くか」

「はい! ところでサーク君が居ませんけどどうしたんですか?」

「え?」


 周囲を見渡せば確かにサークの姿が見えない。何処行った!? いや、そもそもいつから居ない? 確か【気絶】から回復したときは近くで倒れていた筈、テツがエドガーと話している時は……居たような居なかったような、とにかくマップだ、マーカーを確認しないと。


 え~と、この位置だと森の中か。全くどうしてアイツはすぐに姿を消すんだ? 進化して思考の仕様が変わったとかか? そう思いながらマーカーの示す場所に向かうと、そこでサークは土、いや、泥を弄っていた。


 まあ、サークの今の種族は【マッドクラブ】泥を弄る自体は特に気にする必要はないと思うのだが、問題は弄られた泥の方。小さいから分かりづらいが泥に描かれた模様は、ミミックファルコンの中で見つけたあの魔法陣じゃないか?


 見た感じほぼ模写出来ている、と思う。まあ、俺はサークほど必死に覚えていないからなんとなくしか言えないが。ただ、サークの納得する出来ではないのだろう、魔法陣の描かれた乾いた泥の塊を木に投げつけている。物に当たるのは良くないと思うぞ。


「サーク」


 呼び掛けるとサークはゆっくりと振り返る。落ち込んでいるのか、いつもより元気がないな。よし、


「サーク、俺達はこれからダンジョンに向かう、少しでも強くなるためだ、サークも一緒に行こう、きっと強くなればその力も使えるようになる筈だ、どうだ?」


 サークがあの魔法陣を使えないのは使う為のスキルが無いからだろう。きっとレベルが上がればそのスキルを修得出来る機会もある筈だ、スキルロールを手に入れる事もあるかもしれない。とにかくここで落ち込んでいるよりはいい筈だ。


 サークはハサミに挟んだ泥の塊に目を向けた、そしてそれを捨てると横歩きにこちらにやって来た。これで魔法陣の執着が少しはマシになってくれれば良いが。とにかくこれで準備は出来た。


「すまん、時間がかかって」

「いえ、ノブシゲもたまにわがままを言いますから気にしないで下さい」

「そうか、それじゃ行こうかダンジョンへ!」

「はい! 行きましょう!」


 ユキムラ君と従魔4体を引き連れ島の南、ダンジョンへと歩きだす。さあ、ポイントを稼ぎまくるぞ。

一応近況報告

台風で停電して充電出来なくなって困った。

大体2日で直りましたが、スマホもタブレットも長時間使えなくなるのは辛いですね。


皆様も早々あるとは思えませんが、停電対策はしておいた方が良いですよ。

それでは

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