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雪だるまの魔法  作者:
3/3

ラストマジック

暖かい暖炉のそばで、老婆は女の子に絵本を読んでいました。読み終えた老婆が絵本を閉じると、女の子が聴きました。

「ねぇ、おばあちゃん」

「なんだい?」

「この絵本、パパが作ったの?」

「そうだよ。パパはお絵かきも、お話を作るのも上手なんだよ」

「へぇー。じゃあ喋る雪だるまさんは、ほんとはいないの?」

「いるよ。お口は動いてなかったけど、ちゃんと喋っていたんだよ」

「おばあちゃん喋る雪だるまさんとお話した事あるの⁈」

「あぁ、1度だけね。海の見える小さな街に住んでいた時に、大雪が降ってね、雪だるまさん作ったら喋ったんだよ」

「いいなぁ。私も海が見える街に住みたい!」

「海はないけど、近くに山ならあるね」

「山なんてつまらないよ!ねぇおばあちゃん、私が今日作った雪だるまさんもお話できないかな?」

「どうだろうね。お話できるといいね」


老婆は女の子を寝かせつけると、家の外に出ました。外は真っ暗で、星が綺麗に見えます。老婆は女の子が作った雪だるまの前にしゃがみこみました。

「今日あなたの話をしたのよ。あれ以来雪が積もらなくて、雪だるまを作らなかったのよね。気づいたら私は大人になっていて、今の旦那と結婚して、子どもができたの。旦那の仕事の転勤でこの山の近くに住むことになったのよ。前より大きな家でね、今は息子と、息子の家族みんなと過ごしているの。孫のサラテがとてもかわいいの。あなたもみたでしょ?自慢の孫なのよ。今の私はしわくちゃおばあちゃんだから、久しぶりにあってもあなたはわからないかもね」

老婆はそう雪だるまに話すと、立ち上がって家に戻ろうとしました。

「ほんとだ、しわくちゃおばあちゃんになってるね。だけど僕にはわかるよ」

老婆は雪だるまを見ると、微笑みました。

「やっぱり、笑った顔が1番可愛いよ。久しぶりだね」

「あなたは相変わらず生意気なのね。久しぶり」



fin.

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