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黒ヶ峰十字の華麗なる言い訳

長らくお待たせしてすみませんでした。


待ってくれている人がいたら感謝感激雨霰という心境です。

 今鶴羽都は性格が悪い。これは純然とした事実ではあるが、実は他人にはあまり知られていない。何故なら今鶴羽都は人に頼ることを良しとせず、大抵のことは自分一人で行えてしまう天才であり、人のことまでやってしまう超人だからだ。それはすなわち今鶴羽都が親しくしている人間は意外なほどに少ないということを意味する。

 今鶴羽都は与えることしか知らず、更には人と交わることが少ないために大抵の場合は自分を基準に考えてしまう。だから今鶴羽都は偶に親切をされても感謝することができない。自分がやった場合には感謝されるほどのことではないと思ってしまうからだ。

 そして、更に悪いことには今鶴羽都は嘘を吐けない。感謝など微塵も感じてない状況でありがとうなどと口が裂けてもいえない女なのだ。

 そんな女と友人である人物はとても苦労する。

 例えば滅多にないことだが今鶴羽都の要求はとても応えることが難しい。なにぶん基準が人類最高峰といっていいような彼女自身であるために、大抵の人間は彼女の願いをかなえることができないからだ。

 そんな女と長年付き合っているクロイツという男もまた普通の男であろうはずがない。クロイツの有する特異性とはあまりに非常識なその生活態度にある。クロイツは他人に厳しい今鶴羽都をして世話をかけさせてしまうほど無常識(こんな単語は存在しないが)な男なのだ。

 昔からクロイツの世話は今鶴羽都の仕事であり、クロイツの面倒を見るのは幼馴染である彼女の義務である。そんな風に今鶴羽都は現在に至るまで全く疑いもせずに信じてきた。

 今鶴羽都ほどクロイツが駄目な男であることを分っている女は存在しない。

 黒ヶ峰十字の面倒を見るのは未来永劫自分だけで、彼のことで知らないことなどあろうはずがないと今鶴羽都は信じ切っていた。

 そんなクロイツが自分の知らない女と親しげに(今鶴羽都にはそう見えた)言葉を交わした。その事実は完璧にして完全な全能少女、今鶴羽都を揺さぶるのに十分なファクターだった。

 故にこの状況は存在する。

 端的に表すならその状況は尋問と呼ばれるべきものだった――。


「耕介、さっきのヒト。誰なの?」

 首筋に刃を突き付けられている。

そうクロイツは錯覚した。

視界はほぼ今鶴羽都で埋まっていると言って過言ではない。それほど密着されながらクロイツは問い詰められていた。彼女の剣幕にクロイツは思わず後退ろうとするが、椅子に座らされている為、背もたれが邪魔だ。

今鶴羽都からは逃げられない。

やむに已まれずクロイツは口を開いた。

「彼女は昨日殺し合った魔女だ。因果律を支配する魔術の使い手らしいが、平行機関アル・アーディルが最近不穏な動きを見せているらしくてな。僕に助力を求めに来たようだ」

「耕介、私は真面目に聞いているの」

「僕も真面目に答えたのだが」

 振り下ろされた拳が天板を割る。

 頭蓋に食らえば確実に昇天しそうな攻撃だ。

「正直に答えなさい」

 クロイツは今鶴羽都の嘗てない怒りに身を竦めた。

結局人間というのは信じたくない真実を信じようとしない愚かな生き物ということか、クロイツは今鶴羽都に聞こえないようにそう呟くと、聞こえのいい真実をでっち上げることにした。

簡単に言えばビビったのである。

「昨日本屋で知り合ってさ。嘘みたいな話なんだけど偶然同じ本を同時に買いに来てて、最後の一冊だったからお互い譲り合いになったんだ。同じ本を買おうとした仲だし、僕はこの学校の制服着てたから、彼女の方も転校する学校ってことでちょっと話し込んじゃったんだよ」

「嘘ね」

「ッ本当だって!」

「……ふーん。まあ、いいわ。とりあえず信じてあげる」

 今鶴羽都の疑いの目は晴れることなかったが、諦めてはくれたようでクロイツは安堵の息を洩らした。

「机、備品質から取って来なさいよ」

 今鶴羽都に手伝ってくれる気配はない。

 完全に今鶴羽都が悪いような気がしながらもクロイツは一人で机を取りに行った。

 クロイツと今鶴羽都の関係とは大体こんなものだ。


気長に待ってくれていただけたら完結すると思います。


ラストは決まっているんです。


だたそこにたどり着く体力と構想が欠如しているだけであって、後は並々ならぬ文章力と、凡人にはない才能と、あらゆる逆境を跳ね返す忍耐さえあれば、この作品はあと三日で完結するはずなんです。





なま暖かい目で見守っていただけたら幸いです。

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