表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

"痛み"

■ 本作について

本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案をすべて著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてChatGPTを活用しています。


■ 活用の具体的な範囲

・ 世界観・キャラクター・ストーリーの基盤は完全オリジナル(整理や補助を行ってもらうことはあります)

・ プロットは自身で立案(ストーリー展開、キャラの行動、テーマ性などを自分で組み立てています)

・ 重要なセリフ・行動・心情変化はすべて文章で指示(キャラクターの一貫性を重視)

・ プロットをもとに叩き台の原稿を出力 → 30%以上の加筆修正(表現のブラッシュアップ・個性の強化)

・ 執筆の過程で違和感のチェック・校正を補助的に利用(つなぎの違和感や文章の整理)


■ AI活用の目的とスタンス

本作は 「ChatGPTをどこまで活用できるか?」を模索する試み でもあります。

ただし、創作の主体はあくまで自分 であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。

また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。

 ゴゴゴゴ……ッ!


 雷と炎が絡み合い、フレイアの掌の上で脈動する。

 赤と蒼の光が収束し、まるで生き物のようにうねりながら形を成していく。


 ――収束完了。放つのみ。

 ミズリスの背筋が強張る。


(……防げない)


 確信に近い絶望。この一撃は、今までの比ではない。

 先の攻撃で削られた今の自分では、到底防ぎきれない。


 それでも。


「……っ!」


 ミズリスは一歩、前に出た。

 傷ついた身体を引きずりながら、若さまを庇うように腕を広げる。


「ミズリス……?」


 若さまの声が、背中越しに響いた。


「……これだけの魔術、さすがに"今のあなた"には耐えられません」


 苦しげな息遣い。それでも、ミズリスの意志は固い。

 フレイアの口元が、僅かに歪む。


「……本当にバカだな、お前」


 指先の魔力が、臨界点に達する。


「もういい」


 フレイアの瞳が冷たく輝く。そして、撃ち放たれた。


 ――その瞬間。


「ごめんね、ミズリス」


 ――静かな声が降りた。


 次の瞬間、ミズリスの背後で、何かが「解放」される気配がした。


「……っ!!」


 背筋に戦慄が走る。彼女は、気づいてしまった。

 若さまの指先が、自身へと向かって伸びていることを。


「若さま……?」

「……"水の力"……返してもらうね」


 静かに。

 けれど、それは「決して覆せない命令」のように響いた。

 ミズリスの肢体が、ビクリと震える。脳が本能的に拒否する。それだけは、駄目だ。


「……それは……」


 けれど、若さまは優しく微笑んだままだった。


「大丈夫だよ」


 そして——。


 ズ……ッ


 ミズリスの"胎"から、何かが引き剥がされる感覚。

 それは 今まで彼女が"預かって"いた大切なモノ。


 そして――。


「……あぁ……っ!」


 思い出してしまう。

 "彼が"忘れていたはずのもの。

 "彼が”……"自我を保つために"……"力"と共に切り離した"記憶"の一部。

 "宮"である"彼女達"が守るモノのひとつ。


 それを"返還(かえ)"すという事は――。


 苦しみ。


 孤独。


 絶望。


 喪失。


 "彼"が、思い出してしまう。果てしない“痛み”を。


 全身が震えた。涙が、止まらなかった。


 (ああ、また……)


 これが。彼が抱え続けるもの――決して癒えることのない" 永遠の痛み(ペイン)”。


「……もう大丈夫だよ、ミズリス」


 若さまの声は、変わらず穏やかだった。その背後で、空気が震える。

 雷と炎の奔流が、若さまへと襲い掛かろうとしていた。


 ――だが。


 ――次の瞬間。


 ズガァァァン!!!


 世界が、一瞬で塗り替えられた。


 雷と炎の奔流が、絶対の破壊としてふたりへと襲い掛かる。

 けれど、それを迎え撃つように――水が奔った。


 ドゴォッ!!!


 ぶつかり合う衝撃。空間が震え、暴風が周囲を切り裂く。


「……っ!?!?」


 フレイアの瞳が驚愕に染まる。

 自分の放った雷火の奔流が、まるで壁に叩きつけられたかのように霧散する。


 否――違う。


 "打ち消された(カウンタースペル)"のだ。


「……なっ……」


 フレイアは、咄嗟に視線を前へ向ける。

 そこに立っていたのは――若さま。


 ではない。


 黒い髪が、風に揺れる。

 黒い瞳が、静かにフレイアを見据える。


 ただそれだけ。


 なのに。


 先ほどまでの"子供"ではなかった。


 青年、大人――。


 黒い瞳が、深淵を宿している。

 それは、戦いに生き。戦いに飽き。戦いに疲れながらも、いまだ逃れられない。

 ”男”はそんな表情(かお)をしていた。


「……嘘、だろ……?」


 無意識に、フレイアの喉が震えた。

 若さまの足元に、微かな水の魔力が揺らめいている。

 それは ミズリスから引き剥がされた"力"。


「……"俺"に会いたかったんだろ?」


 若さまが、静かに呟く。

 たったそれだけで、フレイアの肌に粟立つ感覚が走る。


「……な、んで……?」


 ありえない。ありえない。

 なぜ、こいつが水の魔術を、こんな精度で操れる!?


「……どうした? "俺"に会いに来たんだろ?」


 "若さま"は、どこまでも飄々とした声音で言う。

 けれど、その瞳は冷たい。


「……"女の人"」


 フレイアの肩が、ビクリと震えた。


「……もう一度、言う」


 若さまが、ゆっくりと手を上げる。

 水の波紋が広がり、その場の空気すら凍てつくかのような冷たい圧が生まれる。


「"まだ間に合う"」


 フレイアは 本能的に悟った。


「"最後の忠告"だ」


 ――これは、今までの戦いとは別格だ。

 目の前の存在は、たった今までの "若さま" では ない。


(……まさか……こいつなのか?)


 フレイアの背筋を、未知の戦慄が駆け抜けた。


「永久筆頭魔術師」


 フレイアは絞り出すように言った。

最後までお付き合いいただき、感謝です!


「いいね!」と思っていただけたら、高評価をいただけると嬉しいです!


今後の励みになりますので、もしよろしければ……!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ