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ミズリスとフレイア

■ 本作について

本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案をすべて著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてChatGPTを活用しています。


■ 活用の具体的な範囲

・ 世界観・キャラクター・ストーリーの基盤は完全オリジナル(整理や補助を行ってもらうことはあります)

・ プロットは自身で立案(ストーリー展開、キャラの行動、テーマ性などを自分で組み立てています)

・ 重要なセリフ・行動・心情変化はすべて文章で指示(キャラクターの一貫性を重視)

・ プロットをもとに叩き台の原稿を出力 → 30%以上の加筆修正(表現のブラッシュアップ・個性の強化)

・ 執筆の過程で違和感のチェック・校正を補助的に利用(つなぎの違和感や文章の整理)


■ AI活用の目的とスタンス

本作は 「ChatGPTをどこまで活用できるか?」を模索する試み でもあります。

ただし、創作の主体はあくまで自分 であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。

また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。

 爆ぜる炎(ファイアーボール)

 空気が焼ける。


 轟音とともに、紅蓮の火球が一直線に放たれた。狙いは正確。迷いはない。

 それは問答無用の“狼煙”だった。


 シュゥッ――


 炎が水に飲まれ、ジュッと蒸気を上げながら霧散する。最初からそこにあったかのように、ミズリスの前に展開された水の幕。

 彼女は動じない。長い水色の髪を揺らし、踏み込む。


「問答は、ここまで……というわけですね」


 静かな声音。けれど、その瞳には冷えた鋭さが宿る。

 フレイアがわずかに首を傾げた。


「まぁ、それくらいはやるよな」


 当然のように、特に落胆した様子もなく呟く。

 最初の一撃で決着がつくなどとは、端から思っていなかった。

 むしろ――確認したかった。


 ちゃんと”戦える”相手かどうか。

 炎を消されるのも、余裕の表情を見せられるのも、織り込み済み。


「……なるほど、そうやるのか」


 フレイアは軽く首を傾げた。

 驚いた様子はない。むしろ、僅かに唇を歪める。


 “精霊魔術”――人間が長い年月をかけて体系化した、最も洗練された魔術体系。

 それは“自然の精霊たち”と契約し、厳密な理論と術式によって魔術を最適化するもの。

 エルフの“自然魔法”が“精霊の意思と調和する”ものであるなら、精霊魔術は“精霊を従わせる”ものだった。


「……やっぱり面白いな。お前たちの“昔のやり方”ってやつは」


 フレイアは低く笑う。そして――詠唱を開始した。その声は、ほんのわずかに愉悦を滲ませていた。

 ミズリスが一歩、地を蹴る。水の魔力が揺らぎ、彼女の周囲に霧が立ち込める。


 ――視線。


 ミズリスは立ち止まる。

 肌が粟立つような、僅かな違和感。フレイア以外の何者かが、確かにいる。

 けれど、その存在はあくまで遠く、まるで"観戦している"かのようだった。


(……見ている?)


 ミズリスの眉がわずかに寄る。

 何か仕掛けてくるわけではない。ただ、様子を伺っている。


「気にしなくていい。こいつら、ただの観客だからな」


 フレイアが薄く笑う。ミズリスの動揺を楽しむかのような口ぶり。


(……やはり、承知の上……)


 ミズリスのは警戒を解かない。しかし、次の瞬間――フレイアが詠唱を開始した。


「燃え上がれ、焦熱の槍(バーンランス)


 フレイアの口が動いた、と思った瞬間には、炎の槍が宙に生まれていた。

 通常、精霊魔術は詠唱の完了と共に発動する。だが、フレイアは違った――。


「――ッ!」


 速い。

 それは、呟きではなく、“思考と同時に形となる”速度。聞き取れないほどの圧倒的な情報量が、瞬時に術式を組み上げる。


「……これが、“高速詠唱(ファストキャスト)”」


 ミズリスは静かに目を細めた。

 通常の魔術師が数秒を要する術式を、フレイアは一瞬で完成させる。詠唱が“言葉を介さずに”流れているかのようだ。

 炎の槍が、ミズリスの頭上から襲いかかる。それは既に、ただの火球ではない。精霊魔術の理に基づいた、現代魔術の攻撃――高度な術式が重ねられた一撃。


「――“ー・ユルファ!」


 エルフ語の詠唱が響く。

 自然魔法は、精霊との対話の延長にある。だからこそ、その詠唱は "呪文" ではなく、"呼びかけ" に近い。

 風が水を運び、空気がそれを包む。自然の摂理を理解し、そこに自身の意志を織り込む。

 ミズリスの魔術が、大気と一体となり、炎の槍を包み込んだ。


 ジュッ――!


 炎が裂かれ、霧散する。


 水と炎がぶつかり合った瞬間、蒸気の噴流が生まれた。

 フレイアが口元を歪める。


「聞きなれない……なるほど……エルフ語か」


 フレイアは、 “興味深い実験”を見るような目でミズリスを見た。


「詠唱で"予測"めない……悪くない。だけど……遅いな」


 その瞬間、雷撃が弾けた。


 バチバチッ――!


 水を纏ったはずの空間が、突如として雷の網に焼かれる。

 ミズリスは咄嗟に後退した。


 (雷……!)


 フレイアの魔術は“炎”だけでは終わらない。水の魔術では、雷に対して圧倒的に不利。

 そして、相手は 「雷火の魔術師」と呼ばれるモノ――水を打ち破る“策”を、既に持っている。


「さっきのは様子見だ。こっからは……少しマシな手を使ってやる」


 フレイアの口元が僅かに歪む。


 その瞬間――雷が奔った。


 ゴォォッ!!


 火と雷が絡み合い、強烈な熱波を伴って襲い掛かる。


 複合魔術。


 単なる火でも、単なる雷でもない。炎が電流を帯び、まるで意志を持った獣のように唸りながら迫る。


「――ッ!」


 ミズリスは即座に水の防御を展開。しかし、雷の魔力がそれを突き破り、空間を焼いた。


(速い――!)


 詠唱の隙を突かれる。魔術の相性も悪い。

 そして、敵は迷いなく畳み掛けてくる。ミズリスは、一瞬の判断で水の刃を展開し、迎撃に転じた。


 バシュッ!!


 雷火の奔流が水の刃を弾き、再び圧を増して襲い掛かる。


 防ぎきれない――!


 次の瞬間――!


 若さまが、前に出た。


「――ッ!」


 ミズリスの瞳が大きく見開かれる。若さまは微動だにせず、そのまま雷火の直撃を受けようとしていた。


「ダメです、若さま!」


 ミズリスの体が、ほぼ反射的に動いた。水の魔力が最大展開され、若さまを庇う形で盾となる。


 ズガァァァン!!!


 雷火が直撃する。

 水の壁が弾け、爆風が屋敷の庭をえぐった。土煙の中、ミズリスの影が崩れる。

 雷火の直撃を受け、膝をつくミズリス。フレイアはその様子をじっと見下ろす。


「……たかがメイドを庇った……?」


 フレイアの声には、少しの驚きと、ほんの僅かな嘲笑が混じっていた。

 煙の中、ミズリスは肩で息をしながらも、なお若さまを庇うように立ち塞がっていた。


「……っ」


 膝が震える。視界が霞む。それでも、ミズリスは若さまの前に立ち続けた。

 フレイアが、ゆっくりと一歩を踏み出す。


「……どういうつもりだ?」


 フレイアの瞳が、若さまを射抜く。

 ――この戦いはまだ終わらない。


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