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来客

■ 本作について

本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案をすべて著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてChatGPTを活用しています。


■ 活用の具体的な範囲

・ 世界観・キャラクター・ストーリーの基盤は完全オリジナル(整理や補助を行ってもらうことはあります)

・ プロットは自身で立案(ストーリー展開、キャラの行動、テーマ性などを自分で組み立てています)

・ 重要なセリフ・行動・心情変化はすべて文章で指示(キャラクターの一貫性を重視)

・ プロットをもとに叩き台の原稿を出力 → 30%以上の加筆修正(表現のブラッシュアップ・個性の強化)

・ 執筆の過程で違和感のチェック・校正を補助的に利用(つなぎの違和感や文章の整理)


■ AI活用の目的とスタンス

本作は 「ChatGPTをどこまで活用できるか?」を模索する試み でもあります。

ただし、創作の主体はあくまで自分 であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。

また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。

 雷鳴が遠くで唸る。


 青天の空にぽつりと黒い雲が生まれ、ゆっくりと広がっていく。

 風が止まり、空気が重くなる。

 ミズリスは静かに目を細めた。

 足を止め、僅かに耳を動かす。風の音、揺れる木々の葉擦れ。そして――ひとつ、新たに加わった足音。


 誰かがこちらへ向かってくる。

 屋敷の正面――門のあたりで足音が止まる。

 そして、静かに言葉が落ちた。


「……ここか?」


 低く感情の読みづらい声音。中性的な響きが、乾いた空気に溶ける。

 ミズリスはゆっくりと視線を向ける。


 門の外。黒衣の人物が、そこに立っていた。


 フードを深く被り、顔は影に隠れている。

 しかし、その気配は遠目からでも、尋常ではないと分かった。


 場違いなほど落ち着いた佇まい。周囲を探ることなく、ただ真正面を見据えている。

 目的を持ってここに来た者の空気――それはまだ明確な「敵意」ではなかった。

 だが、ミズリスには分かる。来訪者が「ひとり」ではないことが。

 魔力の匂いが、微かに漂う。

 かすかな波のように揺らぎながら、屋敷の周囲に広がっている。


(……随分と周到ですね)


 ミズリスは内心で呟きつつも、表情は変えない。


「ここは私邸です。来訪の目的をお聞かせ願えますか?」


 黒衣の人物――フレイアは、小さく笑った。

 それは愉快そうでも、挑発的でもない。ただ、何かを確かめるような微かな歪み。


「……門前払いか?」


 ミズリスの指が、見えないほどわずかに動く。

 フレイアはそれに気づいたのか、わざとらしく肩をすくめる。


「礼儀正しいな……なるほど、ここの"主"はメイドに番犬の真似ごとまでやらせるのか?」


 ミズリスの瞳が、微かに鋭さを増す。


「ご用件を」


 短く、無駄のない声音。

 しかし、フレイアはそれには応えず、代わりに少し首を傾げる。


「“(あるじ)”は、どこにいる?」


 ミズリスの視線が、一瞬だけ揺れた。

 フレイアはそれを見逃さなかったかのように、ゆっくりと一歩踏み込む。


「……なるほどな。探るつもりはなかったが、わかりやすいな」


 その瞬間、屋敷の敷地を覆う空気が変わった。風が吹き抜け、庭の草木がざわめく。戦いの気配が、じわじわと満ちていく。


「"いま"はここにいないよ」


 穏やかに響いた声。

 それは、妙に気怠げで、まるで他人事のような軽さを含んでいた。


 ミズリスがわずかに目を見開く。彼女の隣に、いつの間にか若さまが立っていた。

 彼女ですら、その気配に気づけなかった。しかし、当然の様にそこに居る。


 フレイアは、一瞬、視線を細めた。


「……は?」


 乾いた声が漏れる。意識を集中させていた気が一気に削がれるほど、目の前の存在が“想定外”だったのだろう。

 黒衣のフードの奥で、わずかに首を傾げる。


「なんだ、そのガキ?」


 ミズリスの表情が、静かに引き締まる。


「若さま。下がってください」


 淡々とした声。だが、その内には明確な意思が込められていた。

 若さまはちらりとミズリスを見た後、ゆっくりと視線をフレイアへ戻す。


「平気だよ」


 その声音は、どこまでも飄々(ひょうひょう)としていた。

 フレイアの唇が僅かに歪む。


「いない? それは困るな。こっちは“主”に用があって来たんだが?」

「……ご主人様はいま、屋敷にはおりません」


 ミズリスが即座に答える。だが、その声音は先ほどよりも僅かに硬い。

 フレイアはゆっくりと肩をすくめる。


「じゃあ、呼び戻せ」


 その言葉にミズリスの瞳が鋭さを増した。


「それはできません」


 即答、拒絶。

 フレイアはその反応を見て、愉快そうに喉を鳴らす。


「へえ……できない? そりゃあどうして?」


 ミズリスは何も答えない。ただ、その指先が微かに震えていた。

 フレイアはそれをじっくりと眺めると、一歩踏み込む。


「……クックック。本当に……素直だな?」


 フレイアの声に、ほんのわずかな熱が混じる。

 一歩、足が動く。それだけで、空気が変わった。


 風が吹き抜け、庭の草木がざわめく。

 その場を満たしていた静けさが、今まさに崩れ去ろうとしていた。


 そして――最初の火花が散る。


最後までお付き合いいただき、感謝です!


「いいね!」と思っていただけたら、高評価をいただけると嬉しいです!


今後の励みになりますので、もしよろしければ……!

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