プロローグ
■ 本作について
本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案をすべて著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてChatGPTを活用しています。
■ 活用の具体的な範囲
・ 世界観・キャラクター・ストーリーの基盤は完全オリジナル(整理や補助を行ってもらうことはあります)
・ プロットは自身で立案(ストーリー展開、キャラの行動、テーマ性などを自分で組み立てています)
・ 重要なセリフ・行動・心情変化はすべて文章で指示(キャラクターの一貫性を重視)
・ プロットをもとに叩き台の原稿を出力 → 30%以上の加筆修正(表現のブラッシュアップ・個性の強化)
・ 執筆の過程で違和感のチェック・校正を補助的に利用(つなぎの違和感や文章の整理)
■ AI活用の目的とスタンス
本作は 「ChatGPTをどこまで活用できるか?」を模索する試み でもあります。
ただし、創作の主体はあくまで自分 であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。
また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。
白い空間――無限の虚無が広がる世界。
何もないはずのこの場所には、いつからか「家」があった。
簡素な作りの家。白い世界の中で、そこだけが異質な温もりを持つ。
「ああ……もうそんな時期か」
“彼”は目覚め。
“彼”は静かに立ち上がる。
何度繰り返したかも分からない。
その度に何かを残し、その度に何かを失ってきた。
それから間もなく。
最初からそこにいたかのように、“彼女”が家の扉を開ける。
ふわり、と空気が変わった。
白い空間に咲いた一輪の花のように、“彼女”の存在はあまりに鮮烈だった。
長く流れる髪は、夜の闇と月光を編んだような色合いをしている。まっすぐに見つめる瞳は、吸い込まれそうな深い青。それでいて、そこにはどこかこの世のものではない冷ややかさがあった。
彼女の纏う衣は、空間そのものと溶け合うような純白。光を受ければ透けるほどに儚げでありながら、その存在感は揺るぎない。
しかし、彼にとってはもはや幻想の世界の住人ではなかった。
彼女は微笑んだ。
「おかえり、キミ。今回は少し早かったわね」
彼女はゆっくりと息を吐いた。
この白い空間は、すべてが静かで、すべてが虚無だ。それなのに、彼の意識は間違いなくそこにある。
彼は呟いた。
「……できれば、眠ったままでいたかったな」
彼女は微笑んだ。
「ふふ、相変わらずね」
彼女の声は穏やかだったが、その響きにはどこか“悪戯”めいたものが混じっていた。
彼がどれほど疲れていようと、彼女にとってはそれすら“ただの流れ”に過ぎないのだろう。
「キミ、本当に嫌なら“消滅”する方法もあるのよ?」
「軽く言ってくれるな……"誰"のせいでこうなったと思ってる?」
彼は短く笑う。冷たく、しかしどこか諦めを含んだ音だった。
彼女は、小さく肩をすくめた。その仕草は、まるで自分には責任がないと言わんばかりだ。
「何千年も前のことよ? まだ根に持ってるの?」
彼女はくすくすと笑った。ほんの些細な失敗を指摘されたかのように。
彼は視線を落とす。確かに“昔”なら、選べたかもしれない。それでも、今の彼には――
「……昔なら、"消える"こともできたかもしれないな。今は……背負いすぎた」
言葉にすることで、改めて自覚する。
彼は“もう、何も捨てられない”のだと。
すると、彼女は小さく首を傾げ、唇に指を当てる。
何か考え込むような仕草――だが、その目にはすでに答えがあるようだった。
「ふふふ、そう思い込んでるだけじゃないの? ……それともワタシのこと?」
彼女は、ほんの少しだけ微笑を深めた。
「……どういう意味だ?」
彼女はその質問には答えずに言った。
「それだけじゃない。キミは“消える”ことに怯えてる」
彼は何も言わなかった。
その沈黙を、彼女は楽しんでいるかのように見えた。
ふと、彼は辺りを見回す。
「……また、しばらくここで過ごすことになるのか?」
「そうね。次の転生者が来るまで、あと数日か、数週間か、もしかしたら明日かもしれない……本来なら、キミもすぐに送りだすところなんだけどね?」
彼女はわざとらしく首を傾げ、どこか楽しげに微笑む。
「なら、さっさと転生させればいい」
「それじゃ、つまらないじゃない?」
彼は静かにため息をついた。
「……本当に、お前は性格が悪いな」
「自覚はあるわよ? キミのこと、ずっと見てきたんだから」
「モルモットとして?」
「キミにそんな可愛げがあるのかな?」
家の中は、転生の待機時間を過ごすための空間として整えられていた。
簡素な家具、温かな明かり、そして何度目かも分からない二人のためのテーブルと椅子。
「どうせ転生するまで時間があるし、お茶でも飲む?」
「……まあ、仕方ないな」
「クッキーの残り物があったはずだけど、どこにやったかしら?」
「……何時のだ?」
「うーん、前回のキミが転生したときだから……五十年前?」
「……それ、食べられるのか?」
「さあ?」
彼は思わずこめかみを押さえる。
「お前、本当に女神か?」
「どうかしらね? キミの前では、ただの“転生を見送る人”かもしれないわよ?」
「……お前の言葉は、時々、妙に意味深で気に入らない」
静かな白い空間で、二人の時間がゆっくりと流れ始める。
それが永遠には続かないことを、二人とも知っていながら。
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