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薔薇の騎士姫  作者: 四季 七草
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呼び名

クレアとフィンセントはキスをした後、クレアはフィンセントの肩にもたれかかっていて、その側でフィンセントはクレアと手を繋いでいる。すると、21時を告げる鐘が鳴る。

「21時になったのか、外も結構冷えてきたし帰ろう。邸まで送るよ」

フィンセントは自分の着ていたジャケットを脱いでクレアに羽織らせる。

「お手をどうぞ、グレイシア嬢」

フィンセントはクレアの方に手を差し出すとクレアが頬を膨らませ、フィンセントの袖を掴む。

「その呼び方、ヤダ」

「え?」

フィンセントは驚いた表情をする。

「クレアがいい。今はフィンセント様の婚約者でしょう?あの時怒ったから?だからもうクレアって呼んでくれないの?」

クレアは上目遣いをし、顔を赤くしながらフィンセントにお願いする。

「、、、はぁ。もう可愛いすぎ」

フィンセントはそのままクレアを抱き締める。

「いいの?そう呼んでも」

「はい。逆にそう呼ばれたいです」

クレアは恥ずかしくなってフィンセントの胸に顔を埋める。

「やっとだ」

「え?」

クレアはフィンセントの胸に顔を埋めながら、目を開ける。フィンセントの表情を見てなくどんな表情をしているのかクレアは分からなかった。

「ずっと呼びたかった。アルベルト氏や兄さんたちになるのか?彼らがそう呼んでいるのが羨ましいかった。呼びたかったがまたあの時のように拒否られると思うと怖くてなぁ」

クレアは思い出した。フィンセントがあの時『クレア』と呼ばれた時はクレア自身が拒否ったのだ。あの時は嫉妬でついあんなことを言ってしまったこと。フィンセントの顔を見るとフィンセントは何処か傷付いたような表情をしていた。

「申し訳ありません。あの時はお見苦しいことですが私の嫉妬です。私と話す時より楽しそうにしていらしたので」

「そんなことない!俺はあんな令嬢より好意があるクレアとの方が楽しいに決まってるだろ!」

フィンセントは余裕のない表情をする。クレアに誤解されたくないのだろう、相当焦っている。

「好きな人と話すのに緊張するに決まってるだろう、ここ最近は頭の中はクレアでいっぱいなんだ。はぁ、コーラルシアに帰りたくない、クレアも連れて帰る」

一応クレアとアルベルトの婚約パーティー(仮)も終わりフィンセント、いや、ルーズベルトもそうだろう自分の国に帰らないと行けないのだろう。しかしフィンセントはクレアを離さんと言わんばかりに強く抱き締める。

「ダメです!ご自分のお国にお帰りください。私を巻き込まないでください」

「そんなに嫌がることないだろう」

フィンセントはクレアに拒否られて不貞腐れる。

「だって、帰りたくなくなるんだもん。私にはやるべきことがあるのに」

そう、クレアの本来の目的はまた別にあるのだ。アルベルトとの婚約解消はそれの第一段階に過ぎない。クレアたちの本来の目的は魔黒鳥だ。魔黒鳥は狙った獲物は逃がさない。生まれてすぐに攫われたクレアたちの天敵。魔黒鳥を始末しなければクレアたちの命はない。もしかしたら、他の魔力を持った令嬢や子息が狙われてしまう。過去に魔黒鳥に襲われた令嬢や令息もいたらしい。しかし、攫われた者は誰も帰って来なかったと。これはかなりまずい。ましてやクレアたちは王族。魔黒鳥を倒すのには魔法しか攻撃方法がない。そのためにクレアたちは魔法を上達し力を付けて来たのだ。

「じゃあ、こうしよう。コーラルシアに遊びに来ないか?それならいいだろう」

クレアは目をキラキラにする。

「決まりだな、2日後俺はコーラルシアに戻るがそのまま少しの間泊まって行くといい」

フィンセントはクレアの手を引きながら廊下を歩いて行く。さっきの部屋に戻って行きリーフたちと合流した。軽く挨拶をしてフィンセントとコーラルシアに行くことを話した。すると、リーフとノエルの顔がもう凄く強張った。おそらくクレアがフィンセントの元に行くのが気に食わないのだろう。2人が無言であまりにもノエルのフィンセントを睨む顔が怖くフィンセントをビクッと肩が上がった。ノエルもクレア同様に騎士であるため睨むととても怖い。それにノエルはルーズベルト並みの長身でクレアよりも圧があるのだ。ルーズベルトは軽く苦笑いしていたがフィンセントを見てクスッと笑っていた。全てを理解しているスピカはずっとニヤニヤしてる。

「皇子、妹を傷付けたらただじゃ済まねぇからな」

ノエルが口を開いたと思ったら、フィンセントに物凄い圧をかける。

「次に妹を泣かせたら、俺らが黙ってないので」

リーフもノエルと同様にフィンセントに圧をかける。

「、、、はい」

フィンセントは2人の圧に押され固まり続ける。クレアのおどおどした雰囲気を見てスピカが2人の肩に触れる。

「もう、2人ともフィンセント様を怖がらせないの!すみません、うちの兄と弟が」

スピカがリーフとノエルを宥める。スピカに宥められてリーフとノエルは少し落ち着いた。

「フィンセント様、妹のことよろしくお願いします。楽しんでね、クレア。お土産よろしくね!」

「、、、うん!」

スピカの笑顔にクレアも釣られて自然と笑顔になる。そのままスピカたちに手を振り、ルーズベルトに一礼し今だ固まってるフィンセントを引っ張り部屋を出た。

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