ドレス選び
翌日、夜にパーティーがあるので朝早くに集まり、仕立て屋に頼んで少し早く店を開けてもらった。クレア、リーフ、スピカ、ノエルとクレアの執事のアンソニー、リーフの執事テル、スピカの侍女のアデラ、ノエルの侍女のラーナの8人という大人数で来た。仕立て屋にはたくさんの美しいドレスやタキシードが売っている。ドレスの他には革靴やヒール、帽子やローブ、手袋や傘など貴族が使うものはあらかた揃っているエルセノア一大きなお店だ。
「お待ちしておりました。今回はどのようなものをお探しでしょうか?」
女性と男性の店員が4人ずつやってきた。
「急でごめんなさい。パーティー用で一式欲しいの、私のドレスは青でお願いできるかしら」
クレアのお願いに頷き、女性店員の2人が数々の水色のドレスを持ってきた。人魚を思わせるマーメイドラインのドレスやバスト下からスカートがなだらかに落ちるエンパイアラインのドレスなどたくさん持ってきた。
「今の流行りはAラインやプリンセスラインなどのフワッとしたものです」
「色はラベンダーやベビーピンクなどのパスカラーや最近ではグラデーションもございます」
「、、、そうね、Aラインのやつにしようかしら。胸元はオフショルダーにできるかしら?色はどうしましょう」
「もちろんでございます、色サンプルがあるので色々見てみてはいかがでしょう」
散々迷った結果、深い青から水色のグラデーションになってるオフショルダーに長い裾があるAラインドレスにした。背中にはウエスト部分から巻かれたリボンがある。そのリボンには細かく薔薇の刺繍が施されている。
「クレア〜。可愛い!そのドレスもの凄く似合ってる!」
ちょうど丈の長さ調整が終わったところにスピカが来た。スピカもちょうど決まったらしく合流した。スピカはアメリカンスリーブのハニーイエローのマーメイドドレスを着ていた。そのドレスはスカートの生地をウエストの位置までたくし上げ、大きな薔薇のコサージュをあしらい生地を留めている箇所を隠しつつ華やかな印象を持たせている。よく見ると、ドレスのスカート部分が切れていてそのからスピカの綺麗な足が見えるような仕組みになっているであろう。
「ありがとう、主人様。主人様も凄く綺麗。このハニーイエローのドレス。まるで、あの方の色だね」
クレアはクスクスと笑いながら、スピカを見る。
「そ、そんなことないよ!髪色とのバランスだから!」
珍しくスピカが焦っている。おそらく、クレアの感が当たっているのだろう。ハニーイエローはルーズベルトの色。意識したのか無意識なのかは分からないが、スピカの顔は真っ赤になっている。
「2人とも決まったみたいだね」
「決めるの早くね?」
フタログリーンに白の襟が付いたジャケット、黒に白のラインが入ったベスト。黒のズボンにジャケットと同じ色のリボンタイをしているリーフ。そして、スカーレットレッドに黒の襟が付いたロングジャケット、黒に金の刺繍が入ったベスト。黒のズボンにシャンパンゴールドのネクタイをしたノエルがやってきた。
「2人ともよく似合ってる!」
「かっこいい!」
久しぶりに見たリーフのノエルのきっちりとした服装。普段は『薬作りが忙しい』『護衛があるから』『めんどくさい』『ねむい』と言ってなかなかパーティー自体に行くことがない。しかし、今回はそれだけでは済まされない。それにクレアの大事な未来がかかっている大事なパーティーだ。2人とも欠席するなんてありえない。だから、きっちりとした服装を久しぶりに見たためクレアとスピカは興奮している。
「「ありがとう」」
2人もクレアとスピカの着飾らないかつストレートの言葉に照れて、顔なり耳なりが赤くなる。




