成功の喜び
クレアたちが出会って、2週間が経った。クレアの警戒心も無くなり、年上ということからよくその男の子にも甘えるようにもなった。そして、その男の子についても少しずつ分かってきた。その男の子は双子で二卵性。そして、性格も見た目も全く似ていないという。その男の子が運動も勉学もできるが双子の弟は運動も勉学も苦手。でも、音楽の才能がありヴァイオリンが上手いという。唯一似ている所を出すとすると食の好みが似ていて魚よりもお肉派、蝶以外の虫が苦手、インドアよりアウトドアとか。妹が居ないその男の子はクレアを妹のように可愛がってくれた。よくクレアのわがままを聞いてしまうくらいに。
「ねぇ、私回し蹴りがしたい。いつも、やってるあれ!」
「え?クレア、あれやりたいの?」
その男の子はクレアの持って来たクッキーを食べながら、少々難しい表情を作った。クレアはその男の子がよく木に付いている木の実を取るために回し蹴りをよくしているのだ。それを見ていたクレアはずっとやりたいと思っていたのだ。
「うーん、、、無理をしない、怪我しないのが約束ね?」
「うん!」
その男の子はクッキーと一緒に持ってきた葡萄ジュースを飲んでやれやれという顔をしていた。それから少しずつクレアに合わせてゆっくり教えてくれた。サファイア公爵とはまた別の特訓方法だった。サファイア公爵が走力、持久力や筋力などの主に騎士としての能力の上昇をメインに。逆にその男の子は身体の柔軟性、敏捷性や跳躍力の能力の上昇がメインだった。木の幹の間をジャンプしたり、簡単だけどきついストレッチや上から落ちてくる葉っぱに触れないように避けたりと一緒になって特訓をした。回し蹴りや飛び蹴りなど他にも色々な技をその男の子に教えもらい、その後は時間までたくさんおしゃべりをした。それからも毎日、毎日クレアはその男の子と会った。クレアにとってその時間が大好きになっていた。どんなに辛い特訓をやって疲れたとしても、その男の子が教えてくれる技の特訓は、楽しくて頑張れた。それにクレアができるようになるとその男の子はたくさん褒めてくれる。それがクレアにとってなによりも嬉しかったのだ。そして、そんな中等々クレアはその男の子の回し蹴りをマスターしたのだ。
「・・・できた。できたよ!○○○!」
「見てたよ!凄いよ、クレア!記念に写真撮ろ!こっち向いて」
クレアとその男の子はその男の子が持ってきたカメラで写真を撮った。その日もおしゃべりをしてバイバイした。その帰り、アンソニーもクレアの回し蹴りの成功に自分のように喜んでいた。アンソニーもクレアの回し蹴りの特訓のサポートをしてくれていた。足が痛くなったら湿布を貼ってくれたり、疲れが取れるように柚子のお風呂を用意したり、温かい紅茶を準備したりしてくれたのだ。クレアは部屋に戻り、ふと思った。そして、アンソニーを呼んだ。
「アンソニー、私彼にお礼に何か贈り物したい」
「それは本当にお礼ですか?」
「ア、アンソニー!」
アンソニーは笑いながら答える。どうやら、アンソニーには嘘は通じない。確かにお礼だけど、お礼じゃない。例え、この気持ちが届かなくても受けとって欲しい。そう、考えるクレア。
「いいですよ、明日にでも買いに行きましょう」
「うん!」




