約束
花の中は空洞になっていた。空洞の先には光が見えていた。光の方にその男の子はクレアを引っ張って行く。クレアは暗い所が苦手だった。クレアは怖くて思わずその男の子の手を強く握ってしまった。その男の子もそれを感じ取ったのか手を強く握り返して、クレアの方を見て優しく微笑む。クレアはその笑顔を見て、怖さが少し無くなった気がした。その男の子と歩いて行くと光がどんどん近くなって輝きを増す。光が増した後、そこもう空洞いや洞窟の外だった。洞窟の外にはエルセノアの景色が見えていた。空には星が無数に煌めき、柵のから身を乗り出すとエルセノアの民の家の明かりがたくさん見えた。もちろんそこには、エルセノアの城やクレアの家のサファイア邸も見えていた。
「綺麗、、、本当に」
クレアはもうその景色に夢中になっていた。
「気に入ってもらえたかな?」
その男の子はクレアの後ろに立ってそっと自分の羽織りを掛けてあげた。
「俺はこの洞窟とこの坂の下から来たんだよ」
クレアは自分の足元を見た。クレアが立っている所はちょうど坂の真ん中だった。
「知らなかった、エルセノアこんな所があったなんて」
「このことは2人だけの秘密だよ」
その男の子のクレアの肩にそっと手を添える。
「じゃあ、魔法のことも内緒にして」
「もちろん、この景色もクレアの魔法も2人だけの秘密ね」
クレアとその男の子はお互いに小指を立てて指をきった。
その後はまたその男の子に捕まり、さっきの道いや、木を飛び越えていた。
「あ、リボンが、、、」
戻って行く中、ちょうど木に居たリスに髪のリボンを取られてしまった。髪のリボンが無くなったことに気付いたその男の子は一旦クレアを地面に下ろす。リスは木の上に居たが、あまりにも木が高くしかも幹と幹の間隔が遠くてジャンプでは到底届かない。その男の子もそれを理解していた。
「あまりやりたくないけど、やるしかないか」
その男の子は息を大きく吸い、地面を思いっきり蹴って木に向かい回し蹴りをした。すると、その木の揺れた反動でリスが驚き木から落ちてきた。その男の子は器用にリスをキャッチをする。その男の子はクレアのリボンだけを取って登りやすい他の木に登る。
「驚かせてごめんね。さぁ、お行き」
その男の子はリスをそっと撫でて、側に合ったクワの実をもぎってリスに渡す。リスはクワの実をクンクンと鼻で嗅ぎ、クワの実を咥えて木に登って行った。その男の子はリスが木に登って行くのを見てそのままクレアの側に行く。
「どうぞ、お姫様。あの悪戯っ子のリスちゃんから取り返しましたよ」
その男の子はそう言い、クレアの髪にそっとリボンを結ぶ。
「、、、うふふ。ありがとうございます、お優しい王子様」
お互いそっと微笑む。




