凍てつく剣術
少女たちと戯れて、やっとクレア薬局に着いた。
「おや、これはこれはクレア様。お待ちしておりました」
クレアを待っていたのは医師のバーグマン氏だった。70歳のバーグマン氏はエルセノアの有名な医師だ。クレアたちもよく往診してもらっている先生だ。優しく少しおっとりとした先生だ。
「遅れてしまってごめんなさい、バーグマン先生。子供たちに捕まってしまって。それとのど飴頂けるかしら?」
「それも想定してますよ、ダージリンを用意しました。ゆっくりしてください、のど飴もご用意いたしますね」
バーグマン氏はクレアにダージリンを出してくれた。よくバーグマン氏の所に遊びに行ってたり、アクアの付き添いでよくバーグマン氏の所に行っているのだその度にダージリンを出してくれる。バーグマン氏のダージリンは優しいバーグマン氏のような暖かく優しい味がしてクレアは大好きなのだ。リーフたちもよく好んで飲んでいた。よく泣き崩れた子のために用意しているらしい。
「確かに全て揃っていて、受け取りました。お金はまたお屋敷に持って行きます」
「良かったわ、じゃあ私はこれで。ダージリン美味しかったわ、ありがとう。今度はリーフたちも一緒に来るわ」
バーグマン氏は優しく微笑んだ。
「いつでも、お待ちしております」
クレアは薬局を後にした。すると、クレアの姿を見た少年たちは走ってクレアの元に走ってきた。そう、今度は街の少年に捕まった。
「クレア師匠!技見せて!」
先ほど少女たちに魔法を見せたのでやっぱりこう来たかと手を頬に付けて苦笑いをする。クレアは一度頼まれると断れない。それに先ほどの少女たちのように目をキラキラさせるのだ。クレアはまた、噴水の前に行き今回はワンピースで着ていて剣を腰にかけてないので、指パッチンをしてクレアの愛用の剣を取り出した。剣にはそのままベルトをつけっぱなしにしてるのでそのまま腰に着けて剣を構えて、目を閉じる。息を整えて、一気に目を開く。すると、水色の魔法陣が現れる。現れた魔法陣は激しい光を放ちクレアを包む。クレアが指パッチンをすると美しい水色の蝶が現れる。それと同時に剣を鞘から抜く。剣を顔の前に持っていき人差し指と中指で刃に触れる。そんな中蝶はクレアの周りをふわふわ飛んでいる。そのままクレアは剣を片手で右に回し、そして回しながら左に持ち替えた。左で剣を高く投げ、また右に持つ。右に持つと飛んでいた蝶はその場に止まり散るように消えた。散った所から水色の薔薇が出てきた。そのまま薔薇に向かって剣を振り下ろし薔薇の花と茎を次々とバラバラにしていくバラバラにされた薔薇がどんどん集まりクレアの前に大きな薔薇を作る。クレアがステップを踏みながら剣を右で回し、回しながら左に持ち替えながら1回ターンをして、最後に剣を右に持ち替え上に横向きに持ち思いっきり回り腰を低くして薔薇を中央から突き刺す。刺された薔薇は宙を回るように1枚1枚バラバラになりながら消えていった。消えた薔薇を合図にクレアが鞘を持ち、剣を戻した。魔法陣も消え、当たりはシーンと静まり返る。次の瞬間驚くくらいの歓声と拍手が聞こえた。
「クレア師匠、カッコいい!」
「いや〜、さすがサファイア公爵の娘だ」
いつの間にか街の人々が集まってギャラリーのようになっていた。街の人々がクレアを絶賛する。
「クレア様のおかげでいつも平和に過ごしていられる」
「クレア様、これ良かったら貰ってください」
クレアの街の人々から果物だのパンだのたくさん貰った。クレアはこの街の人々から愛されている。クレアだけではない。リーフやスピカ、ノエルもこの街の人々に愛されている。クレアはこの街もこの街の人々を守りたい。だから、いち早く婚約破棄をして王位継承権を取り返したいのだ。




