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高校デビューを目指すも結局リバウンドしたわたし。 なのにクラスの男子が寄ってくる、何故だ?

作者: なかの豹吏

閲覧ありがとうございます(^ ^)

 


 ―――恋をすると、女は綺麗になる。



 なんて聞いたことがあるけど、それをこれ程実感した事はなかった。 周りも、自分も含めて。


 でも、もうなんか………疲れたな………



 はぁ。




 ………よしっ! わたし―――いちぬ〜〜〜〜っけた!!









 ◇◆◇





「新入生の皆さん、入学おめでとう! 私がこの学校の校長だと思ったら大間違い――」



 わたし、八福(はちふく)ひなみは無事高校に進学し、大人と子供の中間、人生でもっとも多感な時期である女子高生となりました。



「……で、あるからして! 牛丼特盛より並二つ頼んだ方が得なんでわ? と思うと共に――」



 クラスメイトはどんな子達かな? 一生の友達できるかな? カッコイイ男の子いるかな? なんて、期待と不安でいっぱい。 でも、何より心配なのは……いじめられたりしないかな? ってこと。



「つまり! 『C子はもうちょっと太った方がいいよ〜』という女友達の言葉には裏がある! ということです!!」



 だって、わたし……




 ――――デブだから。




「以上! 用務員の衣笠でしたっ!!」




 ぽっちゃり? ふっくら?


 いえいえ、自分の事ですからストレートに言いますよ。 わたしはデブです。


 食べるの大好きだし、ウチのお母さん料理上手だし。 痩せてキレイにはなりたいけど、脆弱な決心は食欲という大波にあっさり呑み込まれてしまう。

 体型通りスポーツは苦手。 食べる以外に好きなのは寝ること、そりゃ太るわ。 これまでの人生でわたしと無縁だったのは衣、食共にSサイズというワード。


 はぁ……。 きっと高校生活も、三年間デブキャラ女子で過ごすんだろうなぁ。 ……とはいえ、こんなわたしでもお年頃の女の子には違いないんだから、脂肪を燃焼させる程の恋でもすれば変われるかもっ!


 さあ素敵な王子さま! 早くわたしに魔法をかけてっ!



 いざ行かんッ! わたしのクラス(新章)へッ!!



 希望とお腹を膨らませ、わたしが開いた扉の先には―――





「――え……」



 ……な、なにコレ?



「こんな……ことっ……て……」



 教室(そこ)には、信じられない光景が広がっていた。



「この、クラス……」




 い、――――イケメンばっかりやん……!




 キラキラと輝く美男子(宝石)達が、目が眩む程ふんだんに散りばめられ、教室内を華やかに彩っている。



「くっ……!」



 ――まっ、眩しい……ッ!!

 何なのこのイケメン度(平均値)の高さはッ!!



「ぬぅっ!?」



 その中でも一際輝く宝石が……ッ!


 ここまで整うか? という程端正な顔。 色白でキレイな肌。 おお……その品性の良さがオーラとして御身から後光のように発せられておるわ……ッ!!



「だっ、だめ! これ以上直視したら目が虫歯になっちゃう! ――ん? こっ、これは……!」



 高身長でスラッと伸びた長い足。 凛とした少し近寄り難い切れ長な瞳。 黒髪が似合う無愛想な無骨系イケメンかッ!



「ツボ入ったら抜けられないパターンだわ……――かっ、からの!?」



 やや小柄で人懐っこそうな可愛い系イケメン!? なんか柔らかそうな髪が寝癖ついてて愛らしいっ!



「かっ……各種取り揃えている……」



 ほ、ほんと何なのこのクラス……。 よく見ればその他の男子達も他のクラス(チーム)行けばクリーンナップ打てるようなのばっかりじゃない……。



「こんなの……イケメン甲子園春夏連覇できるわ……監督になりたい……」




 こうしてわたしの高校生活は始まり、このクラス、1-D組は周りから『1-I』組と呼ばれるようになる。


 偶然にも一年のI(イケメン)を全て集めた1-I。 休み時間には他のクラスの女子、二、三年生までもが目の保養に訪れるアイドルクラスとなった。



 その中に居れば、嫌でも―――






 ◇





「アラひなみ、もうご飯いいの?」


「……うん、ごちそうさま」


「えっ!? ま、ママ冗談で言ったんだけど!? まさか……の、“残す” って言うの!?」



 それは、我が家には存在しない言葉。

 そんな言葉があるのは知っていたけど、ママもまさかこの八福家で聞くとは思わなかったんでしょう。 ごめんねママ、でも……



「ママは王族貴族の舞踏会にドテラ着て行けって言うの!?」

「ドテラってあなた今どきよく知ってたわね」


「もうわたしのことはほっといてッ!!」

「ま、待ってひなみ! ママはそもそも舞踏会に行ったことがないわよっ!?」



 あんなカッコイイ男子達に囲まれて(別にわたしを囲んでるわけじゃないけど)、こんなダラしない身体でいられないもん! 一緒のクラスで恥ずかしくない自分になりたい、彼らに自分を良く見せたい……そう思って当然でしょ!



 そうわたしが思うように、他の皆もそう思っていたのだろう。 同じクラスの女子達は、皆必死になって女を磨いていた。 わたしと同じように太っていた子も急激に痩せ、お化粧や髪型、少しでもこの超高校級のイケメン達の気を引こうと、日々熾烈な女の戦いが繰り広げられている。



 そんなある日―――



 入学当時の制服は大きくて着られなくなり、ひと月もしないで買い直した。 このわたしが、人生初のSサイズを着るなんてね……。



「め、目眩が……」



 下校しようと校門に向かう途中、急な目眩に襲われ全身の力が抜け、



「ぁ……」



 崩れ落ちる。



「おっ……とあぶねぇ!」



 倒れかかったわたしを支えてくれたのは、



「あなたは……校長先生……」


「と、思ったら大間違い。 用務員の衣笠だ」



 そうだ。 何故か入学式の時演説してた用務員さん。



「若ぇのにどうした、ちゃんと食ってんのか?」



 用務員さん、普段はこんなイナせな喋り方なんだ。

 ちゃんと食べてるか……って言われたら……



「食べて……ないです……」



 倒れた原因は、明らかに急激に痩せたから。



「そりゃ良くねぇな、ちゃんと食わなきゃよ」



 そんな事、言われても……



「だって、太っちゃう、から……」



 あのアイドルクラスで、わたしだけ醜いなんて、やだもん。



「なぁお嬢ちゃん。 見た目気にすんのもいいけどよ、腹がへっちゃあ戦はできねぇって言うぜ?」


「あ、あのクラス(戦場)では、腹が出てたら戦ができないんです……」



 恥ずかしいもん。

 キレイにならなきゃ、彼らと同じクラスにいるのが。



「ありがとうございました」



 支えてもらったお礼を言って、まだ覚束無い足取りで校門へと向かった。



「やれやれ。 オレは腹に溜まらねぇ高級懐石より、がっつりドンブリ食らいたいがね」


「っ……ど、どんぶり……」





 ◇





 その日の夕食、わたしの前には小さな(普通の)ご飯茶碗が置かれていた。



「………」



 いつからだろう。 家族でわたしだけ、こんな小さな(普通の)ご飯茶碗になったのは。



「いただきます……」



 今まで使っていたわたしのご飯茶碗は、出番なく食器棚に仕舞われている。



 ――――がっつりどんぶり食らいたいがね――――



「――っ……」



 ……そうだ。 わたしの相棒は、ご飯茶碗なんかじゃない。




 ―――『どんぶり』、だ。




 大体考えてみたら、痩せたからって平凡な容姿のわたしが、あんなカッコイイ男の子達に相手してもらえるわけない。


 それに、用務員さんも言ってた。



 ―――着飾った女(高級懐石)より自然なデブ(ドンブリ)の方がいいって!



 デブが自然かどうかはともかく……。


 倒れるほど我慢するなんて身体に悪いじゃん! どうせ相手にされないなら、好きな物を好きなだけ食べた方が良くない!? お願い違くても良いって言って!!

 そうだよ、別にイケメン甲子園は毎日開催されてるんだし、ヒロイン(南ちゃん)になれなくても観戦はタダじゃん!? 観客として楽しめばいいんだよ!



 だったら……



 わたしは、お茶碗に盛られていた僅かな(普通です)ご飯を瞬殺する。



「ママ」


「アラ! 久しぶりね〜、ひなみがおかわりするなんて」



 突き出したお茶碗に、ママの手が伸びる。

 そして、受け渡した時―――



()()じゃなくて……()()にして」


「――っ!? ひ、ひなみ、アレ……って……」



 食器棚を指差し、ベンチで出番を待っていたスラッガーに交代を告げる。



「――ドンブリ……で!」


「ッッ……!! あ、あなたぁ! ひっ、ひなみが……ひなみが還ってきたわよぉおお!!」



 ママは涙を浮かべ、良く知っている娘の帰還を喜ぶ。


 満を持して登場した大砲(ドンブリ)に、大量の火薬(お米)が搭載される。 それを手に持つと、



「……懐かしいな。 この重み」



 感慨深く呟き、わたしは微笑する。



「さあ……」



 左手にドンブリ、右手にお箸を持って、静かに心を落ち着かせ、集中する。



「ひ、ひなみ……」



 室内なのに、わたしを中心に風が吹いている気がした。



「―――食べるよ(とべ)


「と、とんだっ!?」



 お箸は魔法のホウキになり、次々にお米とおかずを運んでくる。



「ひーな! ひーな! がんばれ! がんばれ!」



 ママの応援が聴こえる。

 心配かけてごめんなさい。 ひなみはもう大丈夫、きっとトンボを助けてみせるっ!



「おかわりぃ!!」


「見てあんたっ! あの子とんだわぁ!」



 こうして、わたしは還ってきた。

 今は以前のように、好きな物を、好きなだけ食べている。



 結果―――






 ◇◆◇





「見て八福さんのお弁当。 あんな大きなお弁当箱が二つもあるわよ」

「一つはご飯用でもう一つがおかずみたい」

「あんなによく食べられるよね。 ぶくぶく膨らんじゃって、男子達に見られて恥ずかしくないのかしら」



 ……ふん。 何とでも言うがいい。 もうわたしはやめたんだ。


 戦線離脱したわたしを、他の女子達は同じに見られたくないと距離を取り出した。

 でもまあ、我ながらすごい速さで元に戻ったよね。 デニス・ロッドマンも白目を剥く高い位置でリバウンドしたね。 いや、前以上か。 サイヤ人も死にかけて復活するとパワーアップするみたいだし、わたしサイヤ人なのかな?



「私なんか(つかさ)様の前だと思うと何も喉を通らないのに」

「私だって、(りつ)さんの事を想うと……」

朝飛(あさひ)くんを見ているだけで、お腹いっぱい……♡」



 やれやれ。 そんな事言うけどさ、未だに誰一人付き合ってないじゃない。 散々自分を磨いてるんだから、自信を持って告白したらどう? 怖くてできないんでしょ。 だったら、わたしみたいに観客になるのをお勧めしますけどね。 楽しいよ〜?


 彼女達が熱視線を送るその三人は、このクラスでも飛び抜けてカッコイイ。 だから恋する女子達は、恥ずかしながらもチラチラと彼らを盗み見しているわけ。

 その点ドロップアウトしたわたしは得だ。 どうせ相手にされない観客は、堂々と目の保養が出来るんだから。



 さて、今日は誰を鑑賞しながら美味しいご飯をいただきますかね。 んー、じゃあ〜……吉良本朝飛(きらもとあさひ)くんっ、今日は彼にしよう♪♪


 可愛い子猫ちゃんみたいな彼、結構好きなんだよなー。 今日も愛らしい寝癖がいいね! くるくる指で弄びたいよわたしゃ。 あ、ちょっと近付いてくる。 ファンサービスがいいね〜。 ホント、名前通りキラキラした朝日みたいっ! なんちゃ……



「八福さんっ」


「………」



 ――へ? どうして、アイドルが観客の目の前に居て、観客の名前を……



「ねっ」


「は、はひっ!?」



 や、やっぱりわたしに話しかけてる……! なっ、なんで!? どどどういうこと!?



「ちょ、ちょっと! なんで朝飛くんが八福さんと話してるの!?」



 こっ、こっちが聞きたいって!

 観客席にファールボールならともかく、せ、選手は飛んで来ないでしょ!?



 彼は、クリクリと大きな目を見開いて、極度の緊張状態にあるわたしに言った(きっと汗だくだった筈)。



「おっきなお弁当〜」


「――っ! こっ、これっ、は……」



 はっ、はわわわわッ!! ヤダヤダどうしようッ! 女の子達に何言われても気にしないけど、わたしのアイドルに言われるのはヤダよッ……!!



「ふふっ、だらしない身体でこのクラスに居るからこうなるのよ」

「品性のかけらもない、朝飛くんも我慢出来なかったのね」



 ぅぅうう……っ! 自分は、どうせ相手にされないから無敵だと思ってた……それがまさか、男子(王子)の方から攻められるとは……。


 きっと『気持ち悪いから見ないで』、とか言われるんだ。


 ああ……もう、遠くから見ることも許されない……わたし……わたし……



「これ、ちょーだい」





 ――――もう学校来れないッ……!!





「ねっ、だめ?」


「ごっ、ごめんなさい!」



 ぎゅっと目を瞑り、必死に声を絞り出した。



「そっか、ちぇー」



 どうか、許してください……。

 気分を悪くさせてしまったと思うけど、醜い女の出来心だったんです……。



「もう視線すら向けませんから……っ!」



 そして、ゆっくり、恐る恐る目を開けると、朝飛くんの背中が見えて、寝癖のついた頭をポリポリと掻いているのが見えた。



「……わたし」



 許されたんだろうか。

 わからないけど、特にひどい事は言われてない……と思う。



「――ん?」



 何だろう? こっちを見ていた女子達の表情が固まっている。



「あのおっきな卵焼き、食べたかったなー」



 朝飛くん……?


『おっきな卵焼き』?



 ……よく、状況が飲み込めないけど……。




 ―――まあ、いっか!


 朝飛くんは怒ってなかったみたいだし、寧ろちょっとだけでもお話出来てラッキー!! あははっ♡




 放課後―――




 教室を出たわたしは、お昼に起こった事件の事を考えながら廊下を歩いていた。 一体あれは何だったのか、解明しなければっ!


 まず……間近で見る朝飛くんのお顔は、危険なほどに愛らしかった―――じゃなくて! まず、どうして彼は、わたしの席に来たんだろう。


 思い出せひなみ、きっとどこかにヒントがある筈よっ!


 朝飛くんを鑑賞しながらご飯を食べようとしていたら、朝飛くんが近づいてきた。 そしてわたしの前にきて、わたしの名前を呼んだ。 それから……



 ―――もう真っ白。



 ええい! ちゃんとせぇ!

 最初で最後かもしれない朝飛くんとのコミュニケーションなんだよ!? 思い出せないじゃ勿体無いっ!



 ――――『おっきなお弁当〜』――――



 ……そうだ。 帰宅部に必要なカロリーを無視した特大お弁当箱達を見られて、『こんな食べてるから太るんだよ、キモいからこっち見るのやめてくんない』……とか言われるんだろうと “死” を覚悟した。


 だから、謝って……目を開けたら、朝飛くんは居なくて……。



 ―――いや、違う。



 階段の手前で足が止まる。

 思い出したから。


 あの時、目を瞑って謝罪する前、朝飛くんは何かを指差していた。 きっとそれがメッセージ。 わたしの席にきた理由なんだ。


 そして、背中を向けた彼が言った最後の台詞が……



 ――――『あのおっきな卵焼き、食べたかったなー』――――



 この情報(ピース)達を組み合わせる、と……



「まっ、まさか……」



 朝飛くん――――わたしのお弁当の卵焼き食べたかったの!? ちょ、ちょっと待って! もしそうなら……もしそうならよ!?



 ――――『ごっ、ごめんなさい!』――――



 わたしは、()()を……



「断っ――」




 ――え? ちょ……



 階段が……迫ってくる。

 ダメだ、鈍いデブには切り抜けられない。


 誰かが、わたしを……




 ――――突き飛ばした――――




「しっ、死んじゃ――ぅぶッ!」



 あっ、あれ? ……生きてる。 誰かが受け止めてくれた? どなたか存じませんが、転がるデブを止めるとはなんてパワフルな……なんて言ってる場合じゃない!



「すっ、すみませんっ!」



 命の恩人にお礼を言おうと急いで顔を上げると、その人は下の段にいるのに、顔はわたしよりずっと上にあった。



「ありが――」



 見上げた私の目に飛び込んできたのは、



「……気にするな」



 我がアイドルクラス1-D、その中でも人気は大きく三つに分かれる。



「どこも、痛んでないか」



 彼こそは、朝飛くん同様三大派閥の一角を担う男子の一人。 長身、ストイック系イケメンの日下部律(くさかべりつ)……くん。



「ほっ、ほんとにごめんなさいっ!!」



 畏れ多くもわたしってヤツは……!

 長身スマートなイケメンとクラスでただ一人の(トン)一点じゃ、こんな出会いのアクシデントも意味を成さないのよっ!


 ……でも、日下部くんて意外とガッシリしてるんだな。 引き締まった筋肉が男らしくてステキ……っとと! 違うでしょ!? わたしは迷惑をかけたのよ?


 さぞ重かったでしょう、わたしなんかに抱きつかれて嫌だったでしょう、本当に、(トン)だご迷惑を……



「俺で、よかったな」


「――はっ、はい?」



 そう言った後、彼はわたしとすれ違いすれざまに、



「朝飛じゃ、お前を支えられない」


「………」



 と、謎のセリフを残して去って行った。




 ◇



「ど、どうなってるの……!」

「あの無口な律さんが……あんなに女子と口を聞くなんて……」

「こんなの絶対おかしいわ! 女をサボった女なんかがっ!」



 ◇




 はて? あれは、一体どういう意味だろう?


 ん〜………まっ、いいや。

 それより、



 ―――『……気にするな』『どこも、痛んでないか』―――



 だって! あんな自分と真逆体型のイケメンに心配してもらっちゃったぁ!


 日下部くんて、無愛想だけど優しい人なのかもなぁ……。






 ◇◆◇






「いやぁ! 母さんのトンカツは絶品だなぁ!」



 晩ご飯を食べながら、わたしは日下部くんが最後に言った言葉を思い出していた。



「なぁ母さん、父さん今日『トンカツは飲み物』って店を見つけたよ!」



 朝飛くんじゃ、わたしを支えられない……。



「もう父さんたら、トンカツは元々飲み物でしょ?」


「あっ、そうだなぁ!」



 ……なんだ、考えるまでもないことだった。



 『お前みたいなデブ、朝飛じゃ潰れちゃうよ』……ってことですねっ!!



 そりゃそーだー……あはははー……。



「……自覚しているとはいえ、王子様に言われると効くな……」


「どうしたひなみ? ぐっ、といこう! トンカツは飲み物だぞ?」



 わたしは、トンカツ(飲み物)を『ぐっ』、といった。






 ◇◆◇





 ふぅ……。 昨日はヤケ酒ならぬ、ヤケトンカツしてしまった。 さすがのわたしも胃がもたれ――――ないね。 うん、全然食べれる。


 今朝も元気にドカ食いした私が校門をくぐろうとした時、



「あ」



 ひ、ひぃぃ! くっ、日下部くんだ……!

 昨日のお礼をまたちゃんとしたいけど、もしトドメの罵倒を受けたら立ち直れないよぉっ!



「……おい」



 という訳で、そそくさと朝の挨拶も出来ずに足早に逃げました。 足遅いけど。



「八福……」





 ◆





 ―――『地獄』。


 それは、デブにマラソンをさせること。



「はぁ、はぁ、はぁ……」



 体育の時間が始まり、先生が『今日はマラソン』……と言った時、『極刑を言い渡す』、と聞こえた。



「ぜぇ、ぜぇ……」



 み、みんなもう教室に戻っちゃった……わたしも、もどらなきゃ……。


 クラスでただ一人のデブキャラ女子、はじかれ者を待ってくれる友達はいない。 一人寂しく昇降口で靴を履き替えようと靴箱を開けると―――



「……な、なにこれ……」



 わたしの靴箱の中で、何かがグチャグチャになっていた。



「これ……って」



 ショックから少し冷静になると、そのグチャグチャな物が何だかわかってきた。



 これ………豚まん、だ……。



 ……どうしよう。

 こんな事されたの、初めて。



 怒るとか、悲しむとか、そんな余裕も無く、




 ――――どうしたらいいか、わからない。




「ひどいね」


「――っ!?」



 後ろからの声に、全身が硬直した。

 こんな事をされたのを誰かに知られたくないし、今の自分を、見られたくない。



「僕はクラス委員だからね、クラスメイト全員をよく見ているつもりだよ」



 どんな顔をして振り向いたんだろう、わたし。



「八福さんは、こんな事をされる理由が無いはずだ」



 振り向くと、怖い顔をした美少年が立っていた。



「陰湿で、卑怯で、こんな事をする人間は大嫌いだね。 それに、食べ物を粗末にするなんて許せない」



 そう言った後、彼は急に優しい表情をつくり、



「一緒に片付けよう。 そして、こんな事は二度とさせない」



 一歩わたしに歩み寄り、そっと肩に手を置いた。



「僕が、君を守るから」


「………」



 この人にこんな事言われたら、まるで自分がお姫様になったみたいだ。 だって、王子様にしか見えない人だから。


 緑道宰(りょくどうつかさ)くん。

 ……ほんと、見てると目が虫歯に……





 ◆





 嫌がらせの事はすごくショックだったけど、緑道くんがすごく優しくしてくれたから、何とか午前中の授業を乗り切った。


 そしてお昼休み、わたしには重大なミッションがあるのだ。 昨日よく分かってなかったとはいえ、朝飛くんが恐らく『卵焼きちょうだい』、と言っていたのを無下に断ったお詫び。 この、



 ―――『卵焼きをあげる』、というミッションがっ!!



 まあ、ママが作ったんだけどね。



「あははっ、そうなんだー」



 おお……今日も朝飛くんはお友達と楽しそうに、まさにミリオンダラーのスマイルを放射してますね。


 さて………コレどう渡せばいいの?


 こっちから話しかけるなんて身分違いな真似はできないし、また嫌がらせがエスカレートするかも……



「……あれ?」



 今気付いたけど、いつもわたしに白い目を向けてる女子三人組がいない。



「三人揃って早退なんて、どうしたのかしら?」

「なんか、絶望した顔して帰って行ったわよ」



 早退? 三人揃って? ……なんだろ、ダイエットのしすぎで倒れたのかな? やっぱりご飯はちゃんと食べなきゃねー。 わたしは食べ過ぎですが……。



「ねっ、食べないの?」


「食べますよ、ちゃん……――とぉ!?」



 まっ、またも目の前にステルス性朝飛くん(子猫ちゃん)がッ……!



「今日もおいしそ〜」



 キラキラと、輝く瞳でわたしのお弁当を見てる。 朝飛くんにそんな見られたらお弁当が照れちゃうよ! ほらっ、お米がピンク色に……ああ、桜でんぶか。


 とっ、とにかく! こうなっちゃったら今やるしかない! 頑張れわたしッ!



「ぁあああのっ……これ、良かったら……」



 ママに別で作ってもらった卵焼き。 そのタッパーを汗ばむ手で、震えながら差し出した。



「えっ? あっ! おっきな卵焼き! いいのー!?」



 ―――はぁぁ……至近距離でその笑顔は溶けてまうて……



「おい、朝飛」


「んー?」



 く、日下部くん!?



「話がある、こい」


「えっ? やーだよー、これからおっきな卵焼き――わっ! なーにすんだっ、ちょ……!」



 ……これは、どうした事か。


 突然日下部くんが現れ、朝飛くんを引きずるように拉致っていきました。



「どう、したんだろ……」



 なんでこうなったのかさっぱりなわたしは、ただ呆然と呟く。



「まさ、か……」



 あの二人……




 ―――デキてる!?




 可愛い系小柄男子と無骨系長身イケメンのBLですかぁ!? それはちょっと需要の塊だって!! 二人の絡み……―――見たいッ!! ひ、ひなみのエッチ! でっ、でも誰だってそんなの……!



 ……ちょっと、探しにいこう、かな……。





 ◇





 邪な感情で教室を出たわたしは、手掛かりの無い二人の行方を欲望(フォース)を頼りに探していた。



「そんな都合よく見つかるわけ――ムムっ!?」



 見つけたっ! わたしって実はジェダイの騎士?

 人気の無い校舎裏に、可愛いにゃんこちゃんとイケメン武士が相対している。



「なーんだよ律っ、急に引っ張ってさあ!」



 ああんっ! キミぁ怒ったお顔もかぁいいねっ♡

 うふふ、これから美少年達の痴話喧嘩を見れるのかぁ!



「聞け、朝飛」


「だーからぁ、用があるなら早く言ってって!」



 いっ………―――いい!!


 何なのこの感覚……わたし、危ない世界にハマってしまいそう……。


 きっとあれね、朝飛くんがわたしのお弁当に興味を持ったのに日下部くんは嫉妬したのよ。 そして、『俺以外に、近寄るな』……とか赤面しながらキャラじゃない台詞に顔を歪めるんだよぉ!



「……昨日、八福が階段から落ちた」


「えっ! 八福さんが!?」



 ――は? 日下部くん、何で昨日の話なんか……。



「俺がたまたま居て大事には至らなかったが、危ないところだった」


「そっかー、よかったー」



 その節はお世話になりました、重くてホントごめんなさい。


 ……で、何故その話を朝飛くんに? ――ま、まさかっ! 『すげー重くて鉄球かと思ったよ、お前だったらペシャンコだったぜ』、とか朝飛くんに言うつもりじゃ……!



「で、結局話ってなんなの?」



 そうなる、そうなるよね朝飛くんは!



「つまり、だ」



 やめっ、やめて! やめて日下部くんッ!



「その卵焼きの権利は―――俺にある」




 ……………タマゴ、ヤキ?





「……律」


「なんだ」


「お前さ、何言ってんの?」



 うん……日下部くん、何言ってんの?



「お前は八福の為に何もしていない。 それは俺のだ」


「律、脳まで筋肉になっちゃったの?」



 ていうか、BLは?



「話それだけなら教室もどるねー」

「まて朝飛ッ!」


「なんだよっ! 離せって!」



 立ち去ろうとした朝飛くんの肩を掴む日下部くん。 確かに喧嘩っぽいけど、痴話喧嘩ではないね、これは。 ―――なんて言ってる場合じゃない! と、止めた方がいいのかな!?



 ―――と思った、その時だった。




「やめなよ君達」


「「――ッ!?」」



 凛としていて、大声を必要とせずとも耳に届く通る声質。 この局面に颯爽と現れたのは―――



「……何の用だ、緑道」



 三人目の王子様、緑道宰くんだった。 それに鋭い眼光を向ける日下部くん。 ……ちょっと謎のシチュエーションだけど、絵になるね。



「そーだよっ、宰は関係ないだろー」



 可愛い。 朝飛くんはただただ可愛い。



「クラス委員として喧嘩は見過ごせない」



 おお、さすが優等生。



「……と言いたい所だけど、今回は緑道宰、僕個人として君達に言いたい事があってね」



 いやしかし、この三人が一箇所に揃うのは危険過ぎる。 なんて言うのかな、最高の朝飛くん(スィーツ)と極上の日下部くん(懐石料理)と洗練された緑道くん(フランス料理)を一度に出された感じ? まあ、あくまで見るだけですがっ!



「俺達に、言いたい事?」


「あのさー、オレ戻りたいんだけどー」



 ああ……! 何言いたいのか知らないけど、この光景は観客を決め込んだわたしとって最高のモニタリングだよねっ!



「君達が不用意に八福さんに近付いたせいで、彼女が辛い思いをした」



 えっ……わたしの、話?

 辛い思いって……靴箱、の……



「八福が? どういう事だ」


「これから説明するよ」



 険しい表情の日下部くん。 でも、緑道くんは何ら臆すること無く話を続ける。



「まず、吉良本君」


「なにー?」


「君が周りの目を考えずに八福さんと接触し、クラスの女子から彼女は反感を買った」


「クラスメイトと話して何が悪いんだよー」


「悪くない、だが彼女に悪意が向けられた原因なのは確かだ」


「なんでー?」


「解らないならもう彼女に近付かないで欲しいな、彼女を泣かせたくない」


「っ……」



 緑道くん……あんな冷たい声出せるんだ……。 ちょっと、怖い……。



「さて、日下部くん」


「なんだ」


「話を聞いてしまってね。 八福さんが階段から落ちたのを助けた」


「そうだ」


「彼女には悪意が向けられていた。 事故ではなく故意かも知れないと何故考えなかった?」


「………」


「僕は危惧してた。 案の定今日それがあったが、既に元凶は刈り取ったよ」


「どういう事だ?」


「八福さんが嫌がらせを受けた現場に僕は居た。 こういう犯人ってね、相手の反応を見たがるものなんだよ。 あの時見ていた筈だ、そして僕は犯人を許せないと強く罵った。 そして、次の授業には三人の早退者が空席を作った」


「……お前の言葉が、その三人を追いやったと言うのか」


「ショックだったろうね、僕にあそこまで言われたら」



 そ、そうだったんだ……じゃあ、あの三人がわたしに嫌がらせを……



「吉良本君が原因を作り、日下部君は助けたつもりが更なる反感を募らせた。 結局、本当に彼女を救ったのは僕ってこと」



「「………」」



 悔しそうに俯く朝飛くんと日下部くん。

 そっか、わたしは知らない間に緑道くんに救われてたんだ。 ―――てか何なのこの状況?



「理解してくれたかな?」


「「………」」



 そもそも何でこうなったんだっけ?



「よろしい。 沈黙は受け入れたと取るよ。 では……」



 この王子三人が集まった理由って……



「その卵焼きの権利は僕にあるっ!」








 ――――卵焼きかいッ……!!








 一体何なの!? ママの卵焼きってそんなに貴重なのっ!?



「ねー、さっきから何言ってんの? これはオレが八福さんにもらったんだよ?」



 そう、だよね……朝飛くんにあげたもん。



「お前は何もしてないだろう」

「寧ろ彼女の立場を危うくした」



 そうかも知れない……けど……



「だっ、だからって、何かしなきゃ卵焼きもらっちゃだめなのー!?」


「ダメだ」

「説明した筈だけど、その権利は僕にある」



 ―――卵焼きって何!?



「さあ朝飛、それを俺に渡せ」

「やっ、やだよ!!」


「理解した筈だよ? 僕にこそその権利がある」

「オレがもらったんだ!」



 大事そうに卵焼きのタッパーを抱える朝飛くんに、長身のイケメンとマネキン顔負けの美形王子が迫る。



「くっ、来るなよー!」


「お前じゃ八福を守れない」

「必要なのは腕力じゃない。 知の力なんだよ?」



 あ、朝飛くん……っ!


 どっ、どうしよう! っていうか……





 ――――お腹空いた。





 だってお昼まだだもん!! ―――ええいっ!





「わっ、わたしの(卵焼き)為に争わないでッ!!!」



「「「――ッ!!?」」」





 …………と、空きっ腹で出てきてしまったけど……これ、は……どっ、どうしよう……!?



「八福さん……」

「あっ、朝飛くん違うのっ! わたしの為とかじゃなくて卵焼きでございますッ!! そこ抜けてただけで調子乗ってるとかじゃないからっ!!」


「朝飛……って、呼んでくれるんだ……」


「――そっ……! それは違うのゴメンなさいッ! わっ、わたしの中で有名人だから! え、えーっと……そう! タモリっ! 実際会ったらタモリさんって言うのに普段タモリって言ってるからついタモリ!? 恐れ多い筈なのにタモリって言っちゃった感じですッ! タモさんゴメンなさいッ!!」


「オレ、タモさんじゃないけど……」

「ハイ朝飛くんですゴメンな―――いや吉良本くんですゴメンなさいっ!!」


「……八福、お前聞いてたのか?」

「ハイ日下部くんっ! 先日は助けてもらったのに今朝は挨拶もせずに申し訳ございませんッ!! こんなわたしに話しかけられたら気分を害すると思って怖かった次第でありますッ!!」


「おっ、俺はそんな……」



 ―――心臓が爆発しそう……ッ!! 自分が何言ってるのかよく分かんないし! 大量の汗が噴き出してクラクラしてきた……!



「居たんだね、八福さん」

「さっ、先程はどうもこんなわたし(ワラシ)の為にっ……はぁ、はぁ……たっ、助けてくれレ……」



 さっ、酸素が足りない……お腹も空いてる……から……かな……



「……たま……ご……やきは……明日……かなら……ず……皆さま……に……」



 そう、喧嘩の原因は卵焼きなんだ……ママ……卵………焼いて………



「違うんだ八福さんっ! 卵焼きじゃなくて……嬉しそうにたくさん食べるキミが好きなんだよッ!」



 ……朝飛くん……そんなに、卵焼き好きなんだ……。



「春なのに……この季節に微動だにせず汗ばむお前を支えていたいんだ……!」



 日下部くん……もう、何言ってるのか聞こえないよ……。



「君を見てるとお腹……いや胸がいっぱいだよ。 僕が守るって約束したよね? だから……」



 緑道くん……すごいね。

 1-Iのビッグスリーが勢揃いだ。 タモさんと……さんまさんと……たけしさん……




「「「好きなんだっ! ―――付き合ってくださいッ!!」」」




 ぅ……ん……?



 よく、わかんないけど……

 ここは……きっと、アレだね……






「……いいともぉ」






 そう言った後わたしは気を失い、何故か翌日から三人の王子とお昼ご飯を食べる事になった。


 デブキャラ女子を囲む極上のイケメン達。 タモさん、まさに世にも奇妙な光景ですね。



「ひなみんっ、これもたーべてっ!」

「う、うん」



 朝飛くんに食べさせて(餌付け)してもらえるなんて……。



「お茶だ。 そんなに急いで食べるな、喉に詰まるぞ」



 日下部くんに給水してもらえるなんて……。



「バランス良く食べる必要なんてない。 君らしくすれば良いんだ」



 緑道くんの言葉は、全てから許される気がする……。




 しかし、何故こんな事になったのか。 てっきり三人とも卵焼きマニアだと思ったらそうじゃないし。 なんか……わたしが食べるのを嬉しそうに見てるような?





 ―――まあいっか! きっとアレね、恋愛対象じゃない相手だと仲良くなり易いんだよ!




 そして、今日も仲良く四人で下校する。





「あっ、用務員さん!」


「――ん? ……君は、誰だったか……」


「わたしです! 前に空腹で倒れたところを助けてもらった」


「――あっ、あの細っこいお嬢ちゃんか!?」


「はいっ!」


「いや……ちゃんと食えとは言ったが………食い過ぎじゃねぇか?」


「あはは、そうですよねぇ」



 確かに、いくら何でも最近……



「おじさん、オレの彼女に変なこと言わないでよー?」


「俺の彼女だ、これぐらいなくてどうする」


「ありのままの彼女が理想。 これ以上理想の相手がいますか?」



 太り過ぎ……





 ――――じゃないって!





「そ、そうか……悪かったな……」


「用務員さん、さよならー!」



「ひなみんっ、何食べに行く?」

「歩き疲れたならおぶってやる」

「汗を拭いてあげたいけれど、その君を見ていたいジレンマと戦っているよ」



 わたしの選択は間違ってなかった。

 観客だからこそ仲良くなれる事もあるっ!



「晩御飯食べれなくなると困るから〜、トンカツかなぁ?」


「いいねっ!」

「ヒレカツはダメだぞ? 油が弱い」

「ちゃんとデザートも食べるんだよ? 自制しないのが君の魅力なんだから」


「う、うん!」



 女友達は出来ないけど、わたしには彼達がいるから平気。 楽しいし、ありのままの自分を受け入れてくれる。


 わたしは、なんて幸せ者なんだろう。


 ずっと友達でいようね。 ちゃ、ちゃんと彼女が出来たら邪魔はしないからっ!




 ………でも、何でだろう?




 三人ともわたしの事……







 ―――― “彼女” ……って言うんだよね笑



 まっ、こういう冗談を軽く言えるのもデブ(重い)女ならではでしょう。



 いいんだ、わたしは観客。

 それも……





 ――――毎日アリーナで鑑賞できるんだからっ!!





最後まで読んでいただいてありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 短編投稿ありがとうございます(*^▽^)/★*☆♪ 高校の入学式で何故か挨拶をする用務員さん。 しかも苦しむ主人公を諭すという、何気にオイシイ役まで……。 こういうキャラは嫌いじゃないです…
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