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4:謎の魔物

どうも、こんにちは。蓮悠介です。

遅れてしまってすいません。日を間違えていました。

これで一章は完結です


「グウウオオオ!!」

そして巨大な魔猪の咆吼は辺りの大気を震わせて圧倒的な存在感を放つのであった。

「なんだこいつ!」

レイは目の前の巨大な魔猪を見ながらそう叫ぶ。

レイは今までこんな大きさの魔猪は見たことがない。せいぜい大きくても一回りくらいの大きさであったが目の前の魔猪はどう見てもそれ以上、体高でレイと同じくらいの大きさがあるのだ。

「なんだこいつ。デカすぎるだろ…」

「分からない…。私もこんな大きな魔猪を見たのは初めてだよ…」

セレスもどうやらこの巨大魔猪は見たことがなくその巨体を見て唖然としていた。

「グウウ…」

巨大魔猪はこちらを見て、威嚇をしているのか後ろ足を動かして戦闘態勢に入っている。

「これは…逃げられそうではないな」

「戦うしか選択肢はなさそうだね」

二人は武器を構える。すると巨大魔猪が二人に向かって突進してきた。

「はやい!」

巨大魔猪の突進はあの図体の大きさなのにとても俊敏である。

「くそっ!」

レイとセレスはそれぞれ横に飛んで突進を避ける。

巨大魔猪は同じように真っ直ぐに進んで行き前方にあった木をなぎ倒していく。

止まった巨大魔猪は顔に着いた木のかすを払いながらこちらを向く。

「なんて威力だ…」

レイは巨大魔猪に倒された木を見ながらそう呟く。

倒された木の根元は粉々に砕かれてしまっている。あんな威力の突進をまともに食らったらただで済むはずがない。当たり所が悪ければ一撃で命を持っていかれるかもしれない。

巨大魔猪はまた同じように突進してくる。

レイとセレスは同じように突進を避ける。二人は巨大魔猪が横を通り過ぎる時に剣で巨大魔猪の体を切る。

「全然攻撃が通らない。あの怪我予想以上に硬い」

「俺もだ。あれ硬すぎだろ。本当にどうやったら勝てるんだ?」

セレスの言葉にレイも頷く。二人の刃は巨大魔猪の体毛に阻まれてしまい肉に届いていなかった。

「どう見ても逃げられそうではないし倒すしか無さそうだけど、どうやって攻撃を通す?」」

「そうだな。まずはあの突進だ。突進をさせないようにしたら方法も増えるはずだ」

「分かった。それじゃあ次向こうが突進してきたら足を狙おう」

「分かった」

二人は巨大魔猪の突進が来るのを待っていると望み通り突進を仕掛けてくる。

二人は同じように横に飛んで避けるが、そこで止まることなくすぐに走り去る巨大魔猪を追いかける。

「行くよ!」

「おう!」

向こうと距離を取ったら、また突進をされる。それを防ぐためにもまずは距離を詰めて突進が出来ない状況を作らないといけない。

二人は距離を詰めるとそのまま突進を終えた巨大魔猪に向かって攻撃を仕掛ける。

「はあ!」

レイは力いっぱいに剣を振るって巨大魔猪の足を斬りつける。しかし、レイの剣は巨大魔猪の足には大きな傷を負わせられず少し切った程度の小さな傷しか出来ていない。

「やっぱり斬るのじゃダメか!それならこれならどうだ!」

レイは剣先を巨大魔猪に向けると、そのまま込められるだけの力を込めて剣を巨大魔猪の体に突き刺す。

「グアオオ!」

さすがにその攻撃は有効で巨大魔猪は鳴き声を上げて、その場で暴れ始める。

「ぐはっ!」

その暴れるのでレイは最初は剣に捕まって耐えていたが、途中で耐えきることが出来ず振り飛ばされてしまい後方にあった木に叩きつけられる。それと同時に体から刺した剣が抜ける。

「レイ!」

「ぐう…」

レイは木に叩きつけられた衝撃でまだ立ち上がることが出来ていない。

その間にも巨大魔猪はセレスには眼中にも入れず、レイの方を向いて突進しようと頭を下げレイに向かって突進していった。

「レイ、起きて!」

「うう…」

セレスは叫ぶがレイはまだ動ける様子がない。巨大魔猪はまっすぐとレイに向かって行く。

そして巨大魔猪がレイの目の前に来たときであった。

「!!」

巨大魔猪の横から大きな衝撃が巨大魔猪を襲う。巨大魔猪は体重のおかげで飛ばされることは無かったが、そのまま横滑りしていく。

「間に合った…」

それはセレスであった。セレスは《身体能力強化》の魔法で巨大魔猪の所に移動してそのまま巨大魔猪の体に魔力を込めて最大に強化した拳の一撃をたたき込んだのだ。

だがセレスは巨大魔猪の様子を見て愕然とする。

「嘘でしょ…。今ので倒れないの?」

セレスの魔法の使用は最後の切り札であったのだ。確かに巨大魔猪の様子を見ると足下は少しふらついておりダメージが入っているというのは見受けられる。だが立っているのだ。倒れてはいない。

さすがにこれは計算外であった。

そうしてセレスが動揺していると巨大魔猪が次はセレスに向かって突進してくる。

セレスは一気に魔力を消費したせいで体が脱力してしまい上手く動くことが出来ない。

「やば…!」

セレスはそのまま巨大魔猪の一撃を食らってしまい後ろに飛ばされて地面を転がる。

「がはっ…」

巨大魔猪の突進はセレスの一撃のおかげで弱っており、先ほどよりも威力は無かったがそれでも直撃すればかなりの衝撃である。

「体が…」

セレスは体を動かそうとするが今の突進で体がしびれて動かそうと思っているのに体は動かない。

「あ・・・」

気づくとセレスの目の前には巨大魔猪がいた。

巨大魔猪はセレスをじっとのぞき込んでいるかと思うと、そのまま前足の方を高く上げた。

このままこの体重を使って前足でセレスを踏み潰すつもりである。

「逃げない…と…」

セレスは体を動かそうとするがまだ体は動かない。

そうしている間にも巨大魔猪はセレスを踏み潰そうとしてくる。

「もうだめそうかな・・・」

セレスが諦めて逃げようとするのをやめるのと同時に巨大魔猪の前足がセレスに襲いかかる。

だが、その前足はセレスに届くことはなかった。

セレスは目の前の光景に驚くことしか出来ない。

「レイ…」

目の前にいたのはレイであった。

「うおおお!」

レイは体全体を使って巨大魔猪を受け止めてセレスが踏み潰されるのを防ごうとしていた。

すると巨大魔猪はそのまま静かに横に倒れる。

倒れた巨大魔猪の胸の所を見るとレイの剣が柄の所まで深く突き刺さっている。

レイがセレスを守るために体を張って巨大魔猪を受け止めたときにレイは剣を上に向けて構えていたのだ。

巨大魔猪も重力にはあらがうことは出来ず、剣は深く突き刺さりそのまま心臓を貫いていた。

レイは巨大魔猪を倒したのを確認すると、その場に倒れ込むように座り込んでセレスに話しかける。

「セレス、大丈夫か?」

「う、うん。おかげさまで。レイは大丈夫なの?」

「俺もなんとか…。まさかあんなやつ出会うなんてな。ツイてなさすぎだろ」

「軽いね…」

「まあ、勝てたんだからそれで良いだろ?」

レイがセレスに向かってそう笑いながら言うと、セレスもつられて笑ってしまう。

「それもそうだね」

レイは体をゆっくりと体を起こしながら言う。

「無事依頼は達成出来たんだからあとは報告するだけだな」

「うん。この巨大魔猪のこともちゃんと言っておかないと」

「こいつって魔猪としての扱いになるのか?もしそれなら結構な損なきがしてきたぞ…」

「どうだろうね。でも魔石を持って行ったら分かるんじゃない?」

「とにかくまずは魔石を取らないとな。めんどくせーな…」

魔物退治の依頼の場合には依頼達成を証明するために魔石という物を魔物から採取しないといけない。魔石は魔物の体の中に生成される魔力の源である石であり、魔石の大きさはその魔物が持つ魔力の量によって変わってくる。

そしてこの作業がとにかくめんどくさいのである。

まず魔物を解体していき、魔石が入っている器官を取り出さないといけない。魔石が入った器官は心臓の近くにあるとは言われいているが魔物の種類によって位置が大きく異なる場合もあるので探すのは大変である。

「ほら、頑張ろう。二人でやったら早いでしょ」

ようやく体に力が入るようになってきたセレスはそのまま体を起こしてレイに魔石を取るように促す。

「もう大丈夫なのか?」

「大丈夫。もう力も入るようになってきたから。レイの方も大丈夫なの?」

「俺は大丈夫だ」

「それじゃあ早く魔石を回収しちゃって帰ろっか」

そうして二人は倒した魔猪の魔石回収を始める。

魔石の回収は二人で協力し、セレスが魔石の位置も知っていたおかげでレイが思っていたよりもかなり早く魔猪の解体は終わった。

巨大魔猪の方も図体が大きかっただけで魔石の位置は変わらなかったが、その魔石の大きさは普通の魔猪と比べてものすごく大きいものであった。

「これは大きいね…」

「デカいな。こんなの初めて見たわ」

二人はその魔石の大きさに驚きながら魔石を見つめる。

そしてセレスは回収した魔石を荷物にまとめて行く。セレスが荷物に詰めているとレイがセレスに尋ねる。

「なあ、セレス。魔石と一緒にこいつらの皮と肉もいくつか持って帰らないか?」

「良いけど…。どうして?」

「魔猪の皮なら質屋で売ったら金になるし、肉はギルドの一階で他の冒険者が持ってきた肉を調理してもらっているのを見たからやってくれるんじゃないかと思ってな」

「なるほどね。でも、魔猪の肉っておいしいの?私は食べたことがないから分からないんだけど」

「少し獣くさいと思うかも知れないけど美味いぞ」

「そうなんだ。それじゃあ持って行けるだけ持って帰ろっか。楽しみだな~」

セレスは初めての食座の味に期待で胸を躍らせながらそう呟いている。

そしてレイは魔猪の肉を持てるだけ魔石を入れる袋に布に包んでから詰めていき入れられるだけ入れる。

「よし、これで入れれるだけ入れたな。よっと…」

レイはそのまま荷物袋を背負って立ち上がるとセレスがレイに言う。

「それじゃあ帰ろっか」

「ああ、帰ろう」

そして二人は町にへと帰って行くのであった。

次の投稿は火曜日にします。

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