2話 いつもの朝(2)
「そういえばなんでお兄ちゃんは制服なの〜?」
みんなで朝ごはんを食べていると美冬がそう尋ねてきた。
俺はまだ桃香が作ってくれてる最中だから食べれてないけど。
ちょいと美冬さんや…ご飯が冷めるんじゃなかったんですかい?
出来立て美味いからいいけども。
「そういえばそうね。春休み中でしょ? 」
「愛莉ちゃんはせっかくの春休みなのにお兄ちゃんと一緒にいれなくて寂しいといってまぁ〜す!」
何その極限解釈。超嬉しい。
「ちょっ、桃香ぁ!? 違うからね!?」
「えっ? 違うのぉ〜?」
「違くないしっ!」
どっち!?
あたくしどっちでも嬉しくてよ!?
…いや、ごめん。寂しいと言ってくれた方が嬉しいです。寂しくないとか言われたらもうね…死ぬしかないわ。
「へ〜愛莉姉寂しいんだ〜!」
「そうよ! 寂しけど悪い!? 美冬だって寂しいでしょ?」
「うん」
「あれっ? 即答!?」
「だってよぉ〜? お兄ちゃん?」
「まじか! なら今日の予定は全てキャンセルだな!」
だめです。
「とは言っても今日は生徒会長から直々に呼び出されてるから行かないと行けないんだよ…だから愛莉に美冬もごめんな? なるべく早く帰ってくるから」
「わかった…」
「わかっ…て、別にあたしはお兄ちゃんなんて居なくても寂しくないし!」
いや、今更それ言っても遅いでしょうよ。
後お兄ちゃん泣いちゃうよ?
「桃姉ごちそうさま〜!」
どうやら美冬は朝ごはんを食べ終えたようだ。
そして、立ち上がると俺の方へ向かってきて…
「お兄ちゃ〜ん! ぎゅ〜! にゅふ〜ごろごろ〜!」
俺の膝に座り抱きついてきた。
しかも、俺の胸に頬をすりすりしてらっしゃる。
お胸の潰れる感触も。
なんだここが楽園か。
どうも。妹で欲情するクズです。これからもよろしくどーぞ。
「…美冬? どうした? いつもの事だけど」
「ん〜? いつものお兄ちゃん成分補給中〜!」
なにそのバカップルがやってそうなやつ。
俺としては嬉しいからいいんだけども。
もっとカモンっ!!
「いつもの事だけど…お兄ちゃん成分て何?」
「お兄ちゃんから分泌されるものでそれを補給すると美冬は癒され幸せになるの〜! そして、補給にはお兄ちゃんに触れなくちゃいけなくて触れる面積が増えるほど美冬の幸せ度や好感度が上がるよ〜! 更にお兄ちゃんからもぎゅ〜ってしてくれるともっと幸せになり好感度が上がるよ〜!」
まじか! 美冬が癒されて幸せになれて好感度まであるとなっちゃあぎゅ〜するしかないな!
俺がぎゅ〜とかきめぇ…。
とりあえず、仕方ないな〜とは言いつつ言われた通り抱きしめ返すとえへへ〜と言いながら頬をすりすりしてくる。天使だなぁ。
生徒会長からの用事すっぽかしていいかな? いいよね?
てか、休日にまで話があるから来てくれとか何なんだろう?
俺まだ何もやらかしてないはずなんだけどなぁ…?
和真が美冬を抱きしめながら考え事をしているとふと視線を感じそちらを見てみると、いつのまにか朝ごはんを食べ終えている愛莉がこっちを見ていた。
そんなじとーとした目でずっと見られてるとおいらゾクゾクしちゃうぞ?
「美冬に抱きつかれて鼻の下を伸ばしてるなんて…キモッ」
「おぅふ…愛莉さんや急に辛辣すぎやしないかい…?」
「いや、妹に抱きつかれてニヤニヤと鼻の下伸ばしてたら普通にキモいし」
たしかに!
想像したら普通にキモかったわ!
でも、仕方ないじゃん!?
美冬だよ!? 天使だよ!?
妹といえど天使に抱きつかれたら誰だってこうなるわ!
というわけでみんなも妹が出来たらやってもらおう!
んで、その時の自分の顔を鏡で確認するんだ!
そしたらほら…俺と同じくキモいお兄ちゃんが出来上がるから!
大丈夫! キモいと言われて泣きたくなるのは最初だけ!
慣れれば……興奮するから!
さぁ、行こう! その先へ!
とりあえず今の自分がキモいとわかったことで愛莉にはごめんと返すと、またまた認めるんだキモッ! と言われた。
おいおい愛莉さんや、これ以上お兄ちゃんを興奮させてどうする気だい?
「大丈夫だよ〜お兄ちゃん! 愛莉姉がいくらお兄ちゃんをキモがっても本当にキモくても美冬はお兄ちゃんの事大好きだよ〜! ちょっとこのお兄ちゃん大丈夫かな〜? なんて思ってないからね絶対!」
「…ん? 俺は慰められたの? 貶されたの?」
ねぇ? どっち!?
桃香さんや朝ごはんはまだですか!?