1話 いつもの朝
妹という生き物は尊い。
だから愛でるべきだと思うんだ。
考えてみてくれ。
毎日お兄ちゃん起きてと起こしに来てくれる日常を。
お兄ちゃんこれ買ってと甘えながらねだってくる日常を。
お兄ちゃん一緒にお風呂入ろう? 一緒に寝よう? と言ってくる日常を。
は? お兄ちゃんまじキモいと言われる日常を。
…な? 最高だろう?
これが妹ではなく、姉だとしたらこうはならないだろう。
姉であれば起こす時には(物理的に)蹴り起こされ、30秒以内にジュース買ってこいとパシらされ、風呂なんて掃除してお湯をためてないと(物理的に)怒られ、寝る時も姉が帰って来る前にベッドメイキングを済ませとけと(物理的に)怒られたにもかかわらずいざ実行すると勝手に部屋に入るなと布団で顔をぐるぐる巻きにされ窒息死しそうになったり、日常的にキモいやクソや死ねなんて言われる。
これが姉のいる日常やで?
な? 妹こそ至高だろ?
え? 妹でもこういう日常がある?
いやいやいやいや、妹からなら……ありだろ。
ドM? いやいや、妹からだったらどんなことでもご褒美だろうがバカヤロー!
そんなドM…もとい俺の名前は水無月 和真。
今年からピッチピチの高校2年。
覚えておけよ同志達よ! …いやホント覚えておいてくださいお願いします!
こんな俺だが、もちろん…もちろん? 妹がいる。しかも3人。幸せが3倍増しだね。
何? シスコン? そんなに褒めても何も出ないよ?
まぁ、そんなこんなで俺と妹達との日常が今、始まる!
…なんだこれ。
☆☆☆
「お兄ちゃ〜ん! 朝だよ〜! お〜き〜て〜!」
そんな声と共にドアがノックする音が聞こえる。
妹の声で起こされるなんてなんと素晴らしい目覚めか。
とりあえず寝たふりかな。
「もぉ〜! また寝坊助〜? 仕方ないお兄ちゃんだな〜! どぉ〜ん!」
「ぐえっ…な、何すんだよ!?」
どぉ〜ん! なんて可愛いらしい言い方の割に思いっきり俺の寝るベッドにダイブしてきたのは我が三姉妹の一人、三女の水無月 美冬。
今年から中学3年になる。
長い黒髪をツインテールにしており、まだ幼さの残る顔にぴったり合っている。うん、可愛い。
容姿はもちろん可愛く、成績も優秀、おまけに運動神経も良いというまさに完璧。
おまけにめっちゃ可愛い! (3回目)
もうね天使だよ天使。頭に光の輪に背中に純白の羽があっても驚きはしないよ。
「何って…やって欲しかったんでしょ?」
「何故分かっ…じゃなくてそんな訳ないだろうが!」
「…いや、そこまで言ったなら最後まで言いなよ。それはいいとして早く起きて! せっかくの桃姉の朝ごはんが冷めちゃうよ!」
「了解了解! とりあえず俺の上から降りて先に行っててくれ」
「え? なんで? 一緒に行こうよ〜!」
「や、着替えるから」
和真の言葉に美冬は、あ〜なるほど〜と言いながら部屋を出て行った。
うん、もうちょっと上に乗っててくれてもよかったのよ?
男の朝の現象がバレるとちょっと嫌だからどいては欲しかったけど。
んー、難しい。
和真は制服に着替え顔を洗ってからダイニングに向かうと既に三姉妹みんな揃っており朝食を食べ始めているようだ。
「あ、お兄ちゃんおはよぉ〜!」
お、どうやら三姉妹の一人が俺に気付いたようで洗い物を中断して挨拶してくれたようだ。
挨拶してくれた彼女は三姉妹の長女で名前は水無月 桃香。
さっき美冬が桃姉と呼んでいた人物だ。
今年、高校一年で俺と同じ高校に通う事になっている。
容姿は、流れるようなツヤのある黒髪を腰まで伸ばし、出るところは出ているがしっかりとくびれもあるという完璧ボディの持ち主。
どちらかといえば可愛い系。
うん、今日も美し可愛い。
容姿は言わずもがな、勉強もでき、水無月家の家事をほとんどこなすしっかり者。
ただし、運動だけは苦手なようだ。
どれくらい苦手かというと中学の頃に体育の授業で学校の外周を走るというのがあるんだが、あまりの酷さに体育の教師が中断させるくらい苦手だ…。
あれは本当に酷かった…帰ってきてから丸一日寝てたもの…。
まぁ、運動が苦手でも他が優秀すぎて成績には全く影響なかったんだけどね。
もう一人妹がいるんだが紹介はちょっとだけ待ってくれ。
とりあえず、桃香におはようと挨拶を返すと残る二人からも挨拶される。
「お兄ちゃん、おはよ〜!」と天使。
「おはよ、いつも思うんだけど桃香がせっかく朝ごはん作ってくれてるんだからもっと早く起きなさいよ」ともう一人の妹。
「てん…美冬に愛莉もおはよう。いつも遅くてごめんな」
だが、わかってないな妹よ!
朝は妹に起こしてもらうというのが兄の務めなのだよ。
起こしてもらえなくなったらお兄ちゃん泣いちゃうよ?
というわけで最後の一人を紹介しよう。
三姉妹の一人で名前は水無月 愛莉。
ちなみに桃香とは双子で今年から俺と同じ高校に通う事になっている。
というより、後数日で入学式だ。
容姿は、綺麗な茶髪を右側に束ねてサイドテールにしている。
目元は若干鋭く、姉には少し劣るが完璧ボディの持ち主。
容姿はどちらかといえば綺麗系で、勉強もでき、運動神経も良い。
うん、今日もきれかわいい。
ただ、家事ができない…。
それはもう…絶望的に…。
どれくらい絶望的かって…?
…はは、思い出したくないな。
とりあえず、今度話すから今は勘弁してくれ…朝ご飯が食べれなくなる…。
「いいよいいよ〜! みふゆはお兄ちゃん起こすの好きだし〜!」
はは、なんだやっぱり美冬は天使じゃないか。
美冬の笑顔だけで今朝はご飯3杯はいけるなっ⤴︎⤴︎
「美冬もそんなにお兄ちゃんを甘やかしたらダメだから」
「えぇ〜!」
「はいはい! 愛莉も美冬もそこまでぇ〜! すぐそうやって言い争うんだからぁ〜! というより愛莉もお兄ちゃんを起こしてあげたいんだよねぇ〜? まったく素直じゃないんだからぁ〜」
え?
「ちょっ、桃香!? あたしは別にお兄ちゃんを起こしてあげたいとかそんな素晴らしい事したいわけないし! べ、別にお兄ちゃんを起こしてあげたいとか毎日起こしに行ってる美冬を羨ましいとか思うわけないしっ!?」
え? なになにツンデレ?
是非明日からよろしくお願い致します。
初めまして。彼岸花です。
基本的にノリと勢いで書いているのでよろしくお願いします。
私はまともな紳士なのでこの作品を読んだ方は誤解されないようにお願いします。
妹最高っ!
さぁ、みんなも一緒に! 妹ぉ…最高っ!!
続くと…いいな!