3-8
途中で大きく場面転換します!
「なにこれすっげぇ!」
イクトはそう叫んだ。いや、叫んでしまったのだ。
まさにこの力は規格外。自分の体なのに軽すぎてまるで自分の体では無いように感じた。
決して相手を視界に入れてないと言う訳ではないが。無視される相手はたまったもんじゃない。
「ガオォォォォォォォォ!」
「遅い遅い!」
イクトはひょいとかわし、ベアーエンペラーの背後を取った。
「せいや!」
胴にパンチを入れるが全く効かない。
反射的に後ろに飛んだらその刹那、今自分がいた所にベアーエンペラーの爪が振り下ろされていた。
「うわぁ…あっぶねぇ…」
だが、想定外なのは予想以上に後ろに飛んでいた事だ。
そのため、後ろに来ていた魔物に気が付いた時はもう避けられる状態じゃなかった。
だがその時。
「よいしょっ!」
土の壁が立っていた。
薄いが防御力は高そうに見える。
「ありがとうノーム!」
「お気になさらず~」
素早く後ろのゴブリンキングの首を落とし、ベアーエンペラーに向かおうとした瞬間、頭の中に声が響いた。
「ちょっとー!今ノームが防いでなかったら危なかったわよー!?」
「気を付けてくださいね~」
イクトはまた念じるようにして答えた。
「悪かったな!だけど体が軽いだけで攻撃力は全くあがってない気がするんだがなぁ…」
「仕方が無いわね!とりあえず助けてあげるからやってご覧なさい!」
そう言われた瞬間、右手に魔力が集まった。シルフの魔力だ。
試しに地面を殴ってみた。
「ドゴォ!」
地面にクレーターが出来た。
そして、左手には今の感覚でノームの魔力を溜めるようチャレンジしてみた。
おぉ…やっぱり削れるけどクレーターは小さめだな。
「各属性によって得手不得手はあるので~」
なるほどな。
足にシルフの魔力を込めて、突っ込む。
まさに音速。1回の瞬きで目の前にいるとなるとベアーエンペラーも驚愕する。
そのまま右手にノームの魔力を込めてパンチした後、シルフの魔力をベアーエンペラーの首に向かって撃つ
あっと言う間にベアーエンペラーの首と胴が離れ、討伐が完了した。
「終わったようだな。イクト。」
「見てたのか?」
「いや、見てないさ。」
「そう言えばお前嘘つく時絶対目逸らすよな。」
「まじで?」
「まじで。」
「そう言えばよく使いこなしたな。まさかシルフの魔力を飛ばすなんて高等技をやるなんてな。」
「あれって結構難しいもんなのか?」
「あぁ、精霊術師は大体精霊を見るのに20年、憑依させるのに40年、完璧に使いこなすまで70年は必要と言われているからな。お前は相当な化け物だよ。しかも、精霊が恐ろしく強いから俺の神化とも渡り合えるんじゃないか?」
「まぁ、使いこなせたらな。」
「…そうだな。」
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「おい、計画はどうだ。」
「はっ。順調です。」
「最近は新たな強者が現れたそうだな。」
「はっ。その者はラグナ、イクト、ティアーナの3人らしく、物凄く強いです。ほぼ人外の領域に近いです。」
「なるほど、早いうちに芽は摘んでおかぬとな。よし、NO.3を出せ。」
「いいのですか?」
その発言をした者の右腕は消えていた。
「我が出せと言ったら出せ。」
「…はい。わかりました。」
「よし。リカバリー。」
「ありがとうございます。」
2人はそう言って、闇に消えていった。
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