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それから、ラグナは新スキル「覇気」を手に入れた。
このスキルは王になる素質がある者が開花する能力で、覇気の中にも沢山のスキルがある。
ラグナは今、その覇気のスキル「威圧」でモンスターを寄らせずに進んでいた。
「お前が急に新スキルを開花させるなんてなぁ…」
「…ラグナはおかしい。」
「いや別におかしくねぇだろ!」
「…スキルが3つあるなんて聞いたことない。しかもそのスキルが全て1つ持っているだけで人間を殺せるし支配できる。」
「こんな人間もいるんだよ…」
「もうラグナは人間じゃないだろ…」
「なんか言った?」
その瞬間、威圧と殺気をイクトにぶつける。
「ナンモイッテマセン。」
まぁ棒読み感がすごいけど許してやろう。
と言うかこいつも強くなったな。
今のはSランク冒険者未満がくらったらショック死してもおかしくないぞ。
まぁイクトも冷や汗は垂らしてるしまだ効くかな。
「よし。っと…なんじゃこりゃ?」
目の前には沢山のオークやバジリスク、トロールがいた。
こんなん大侵攻よりは数は少ないがモンスターの質を合わせたら大侵攻よりまずいぞ…
ここのダンジョンどんだけ難易度高いんだよ…
イクトが100だとしたらオークは5、バジリスクは10、トロールも10ってレベルか…
まぁ俺らに比べたらそこまで強くは無いな。
「よし、すぐに殲滅する。行くぞ!」
もうこれは戦にすらならなかった。ただ一方的な虐殺。
モンスターはみるみる減っていき、500体はいるであろうモンスターの群れはただの肉片の集まりと貸していた。
500って少ないと思うけどバジリスクもトロールもSランクレベルのモンスターだからな。バジリスクは目が合うと石化されるし、トロールはデカい上に速いしな。
「さて、ここのダンジョンマスターの居場所はどこかな?」
「そんな事言うならここのモンスター残しておいて聞けばよかったのに。」
「あいつらに話が通じると思うか?」
「お前の魔法使えばいいだろ!」
「あっ…その手があったか。」
意外と抜けているラグナであった。
「とりあえず、覇気の能力を応用出来れば探せるしな。」
そう言って覇気スキルの「鼓舞」に使う時の様に薄い魔力を張り巡らせ、「魔力検知」で何がどこにあるかを一気に把握した。
「いたぞ。ここの100階層の奥だ。」
「まさしくボスって感じだな。」
「まぁとりあえず殴りに行こうぜ」
2人に風魔法と重力魔法をかけて音速で100階層まで行った。
階段や、下り坂の時はしっかりスピード落としたぞ。
そして、100階層に着いた。
「よし、あのウザい魔族を殴るぞ。」
「「わかった。」」
やっぱこんな時は聞き分けがいいんだよなぁ…
ダンジョンマスターの部屋に入ろうとしたら、また魔族とは別の気配を感じた。
そこに行ってみると…
「ここから出せ!おい!お前!」
「おい!やめろ!もしも魔族だったらどうするんだ!」
「おい。俺は魔族だ。」
「速くここから出せ!お前をぶっ殺してやる!」
「ふっ。私が何をしたのかな?」
少しこうやってやる方が事情を聞きやすい。
「お前らはうちの父親を騙し、間違った選択までさせた上に俺の母親まで殺めた!この恨みは絶対に晴らす!」
「なるほど、よし一緒に来い。俺もあいつをぶん殴りたいんだ。」
「は?お前は何を言っている?」
「俺は人間だ。ちなみにお前の父親とは知り合いだ。」
「なんだと!?親父はどこにいる!?」
「解呪したら眠ったので結界を張って置いてきた。」
「では一応確認も兼ねて見せてくれないか。」
「わかった。転移。」
あの父親兎の所(85階層)に行った。
「ん?親父…おい!親父!」
「お前は…グルボか!?」
「親父!あの時はすまなかった!」
「いや、気にするな。ノルニは?」
「母さんは…殺された。俺にダンジョンマスターの権利を譲れと脅し、権利を譲った瞬間に殺された。そして俺は鎖で縛られ、殴られ蹴られた後に拉致されたがこの人達が助けてくれた…」
「あぁ…また君達か。本当に感謝する!」
「後親父。俺あの魔族を殴りに行く!この人達も殴るって言っているから着いて行く!」
「ダメだ。危険だ。」
「俺は母さんの息子だ!母さんを殺された上に泣き寝入りなんてしたくない!」
「お前もそんな事言うようになったんだな…だがダメだ。」
「どうして!?」
「それは…俺が行くからだ!俺が殴ってやる!」
「いや!俺が行くんだ!」
「もう止せ。2人とも連れて行けばいいんだろう。」
「「本当か!?感謝する!」」
「わかったよ。だが作戦がある」
「なんだ?」
・
・
・
「わかった。そうしよう。」
「よし。行くぞ転移。」
その瞬間、俺らは魔族のすぐ前に出て、2匹の兎は本気で魔族の顔面にパンチを入れた。
「「思い知ったかこのクソ野郎!」」
この兎飼いたくなるなぁ…
すみません!今回 (ラグナ)は殴りませんでした!
次回必ず魔族をボコボコにします!
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