1-12
途中で別視点に変わります!
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これでチェンジの合図(謎)です!
あの日から何事も無くおよそ4年が経ちラグナ、イクト、ティアーナのレベルも中々上がり春休みで1週間休みになった。
その時であった。とある情報が伝わったのは。
「悪いね、ラグナ君。イクト君、ティアーナさん。今回は君達に伝えたい事があって来たもらった。」
「はい。そして、話とは?」
「あぁ、簡潔に言わせて貰いますと、君達の出身地、ヒウロ領が大量の魔物に襲われているとの情報です。」
「い、いつから?」
「ちょうど1時間前に連絡が入ったので昨日位からだと思います。」
「なるほど。ありがとうございます。」
「どこに行くのです?」
「もちろん、ヒウロ領です。あの村は誰1人欠けてはいけません。皆が皆、良き人で私の親愛なる民だ。行くぞ、イクト、ティアーナ。」
「「はい。」」
この時、校長は驚きと共に畏怖していた。
なぜなら、イクトとティアーナの2人ならラグナ1人跳ね除けて自由になれると思っていたのだが、その2人の威圧をねじ伏せる程の威圧。これは王としての素質を感じさせるものであった。
さらに、イクトもティアーナも彼に反発する気は微塵も感じられないのである。
実際問題、彼らは着実にレベルアップもしているし、ティアーナは格闘術じゃ誰も敵わないし、イクトは剣術じゃ誰も敵わない。ラグナを除いては。
さらに、ラグナは魔法も王国では誰も敵わない程の力なのだ。
つまり、SSSランク冒険者と同格か、それ以上あると言う事になる。
たった10歳でだ。
さっきの話の、終わり際にティアーナもイクトも完全に武闘家と剣士。いや、「戦士」の顔になっていた。
無駄なものは削ぎ落とし、極限まで切り詰めても尚、届かない領域なのだ。
「とにかく、怪我をしないでおくれ。君達みたいな有望株をここで潰してしまうのはもったいない。」
「「「はい。わかりました。」」」
彼らは外に出て、人気のない場所に行くまでに、本気の装備をラグナの魔法「収納魔法」により取り出していた。ラグナは「神剣ウンフェルス」と呼ばれる古代に封印されし剣を、イクトは「聖剣ジョワユーズ」と呼ばれる国宝を、ティアーナは「ハルベルト」と呼ばれる誰も使いこなせずに封印されたコテを。
人気のない場所に着き、彼は抑揚の無く、怒りの篭っている声で言った。
「転移。ヒウロ領。」
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俺は、魔族による侵略を狙っている。
その為にひとまず領地を持たないといけない。
少し小さめの領地に狙いを定め、魔物を率いて侵攻を始めた。
そして、1日が経った頃、自分のリミッターも外し、一斉に攻撃したら落ちると確信した。その瞬間、ヒウロ領を攻め込んでいる魔物のリーダーの魔族は何か得体の知れない物に襲われ、蹴散らされる想像を一瞬だけした。
まぁ、そんなハズがないと思った瞬間に自分がいかに小さい存在かを思い知らされる程の威圧に彼は震えた。
その威圧の元凶を見ると、まだ子供だったのだ。
自分が一瞬でも震えた事が許せなかった。
自分は魔族で、下等種族の人間より勝っている、優れているのになぜ人間如きに震えないといけないのかと、次に彼は怒りに震えた。
1人を残して2人は一瞬で消えた。
その時、彼は理解した。自分は1人だけでも殺せるちっぽけな存在だと認識されている事に。
「リミッター解除。」
そう呟いた瞬間、身体が軽くなり、力が溢れ出てきた。
「悪く思うなよ。人間風情が調子に乗ったからだ。」
邪悪な笑みを浮かべながらどう殺してやろうかと思案している時に衝撃が走った。腕が消えているからである。
その時、魔族は自己再生魔法を使い、腕を治した後に自己強化魔法を幾重にも掛けた。
その位の相手と認識したからだ。
だが、それも敵わず、彼は両腕を切断される。
「な…何故だぁぁぁ!?」
「お前は一番狙っちゃ行けねぇ場所を狙い、襲ったからだよ。お前は虎なんて生ぬるいじゃねぇ。ドラゴンが愛玩動物に見えるほどの怪物の尾を踏んだんだよ。」
その刹那、魔族の身体は塵一つ残さず消し飛んだ。
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「あ~久しぶりラグナがイラついてる所見たわ。やっぱあいつの覇気はおかしい。強すぎるんだよなぁ」
イクトは呟いた。
彼は強者を見定め、自分の力が通用するかを想像する力がある程度はあると自負する程に育っていた。だが、どんな手を打っても彼の強大な力の前に無駄に終わると本能的に理解しているのである。
「間違えてこの領地消し飛ばないといいなぁ…」
彼はラグナにしかありえない憂いを孕んでそう呟いた。
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