神
シンはエンドとファルナを連れてエデンに来ていた。
エデンの中央にそびえる二十階建ての巨大な塔。その塔の正面にある巨大な扉から中に入ると、建物の中央に屋根まで届く螺旋階段が堂々と存在する。
三人はその螺旋階段を地下に向かって降りていく。
エデン中央塔地下一階には、エンドとアルフレッドが作り上げた世界魔法を利用した魔法特訓部屋が存在している。
そこには既に博士がアルフレッドから術式についての説明を受けていた。
二人はシン達が近付くと話を止め、シンの方へと向き直る。
「アルフレッドさんお久しぶりです。ちょっと調べることが出来ましたので戻りました」
「ふぉっふぉっふぉっ。今日は懐かしい顔をよく見るの。ここは魔導師の為のしまじゃ。好きにすると良い」
シンはアルフレッドに挨拶すると、笑顔を浮かべて歓迎してくれる。
「博士、どうですか?」
「世界魔法の術式については分かった。なるほど、確かにこれなら中の空間から外に魔法の影響を与えることはないな」
博士は世界魔法の術式を書き込む装置に視線を送りながら世界魔法の効果を口にする。
「この魔法を創った者は天才だろうな。そしてこれを術式に直した者はまるでこの魔法の特性を理解しておらん」
博士はしれっと世界魔法の制作者を褒める。その制作者はまさに目の前にいるのだが。同時に魔法陣を組んだ者を罵倒する。同様に目の前にいるのだが。
エンドとアルフレッドが微妙な顔をして、反応に困っている間にシンが博士に訊ねる。
「どういうことですか?」
「うむ。まず、この世界魔法だが、一つの魔法でありながら継続的な効力を持っている。いうなれば生成魔法だ。生成魔法の特徴は知っているな?」
「魔力の消費は生成時のみで、手元を離れても消滅しないことです」
シンの疑問に博士が答え、博士の問いにシンが答える。
「そうだ。だがこの術式には循環の式が刻まれておる。これでは中で魔法を使おうとしても世界が上書きされ発動は難しいだろう」
博士はシンの答えに満足そうに頷き、世界魔法の術式の欠点を述べる。
だが、その問題点は存在していないものだった。故にエンドは口を挟む。
「ですが、この術式で創った世界でも魔法は発動できましたよ?」
エンドの言葉に、博士は課題を提示する。
「そこにこそ何かからくりがあると考えられるのではないか?」
「からくり、ですか」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
シン、エンド、ファルナ、博士、アルフレッドの五人で世界魔法、並びに世界の術式について調べること数ヶ月。
ついに次元魔法らしき魔法の術式にたどり着いた。世界の術式について調べる内に立体型魔法陣の研究も終わりを迎えた。全ての魔法の発動を読み取る界力を司る術式を見つけたことで魔法陣の基本共通点は明確になった。
また、ファルナは水の精霊と契約を済ませていた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
シンは右手に持つその杖を魔力の塊へと戻していく。
一つの光球となったその杖はさらに形を変え、線となり、彼の周囲に広がっていく。
そう、彼は今、自らの半身である杖の最も効率的な使い方である立体型魔法陣を作ろうとしていた。
立体型魔法陣の生成は非常に難しい。
極々僅かなズレがあるだけで正しく魔法を発動させることができない。
しかし、彼は今まさに立体型魔法陣の展開を完了した。
自らの魔力そのもので作られたその魔法陣は完成した瞬間からその効力を発揮させる。
そう、つまり、たった今、彼はその魔法を発動させたのだった。
世界の調律者、すなわち神にのみ使用できる魔法、次元魔法。
彼の傍に佇む地神龍の存在をパスとして神の次元へと飛ぶ。
その魔法陣からまばゆいほどの光が発せられ、彼は次元を飛んだ。
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パタン。
その本を閉じ、立ち上がって、背後を振り返ると、おもむろに両手を広げると、そこに立つ彼に声をかける。
「やぁ。初めまして。よく来たね。ようこそ。神の領域へ」
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矛盾している箇所が多数ありますが、気が向いたら直していきます。指摘していただければ直します。
小説を書くのは難しいですね。
この話は完結としていますが、続きも思案中なので、さまざまな意見・感想など参考にさせていただきます。




