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23話 代表訪問

「どうもイーサンさん。どうですか?」

次の日に、ミア、リアを伴って視察に行く。


リアは奴隷という立場があるので、とにかくリアムに近い。

ミアはそれを見てリアムに近づく。

ミアとリアは普段ものすごく仲がいいのだが、リアムの件に関してだけは、ミアはかなりライバル心をむき出しにする。

リアはリアでリアムをかなり好いている。奴隷であることを理由にいつも近くにいるが、ミアに対しては特に思うところは無いようで、好きであることが幸せという状況である。

それを見て、ミアがちょっと自分の器の小ささを感じたりすることもある。

それでも、両手に花の状態は非常に目立つ。

「ミアさん、お幸せそうで何よりです」

「あ、ありがとう」

ミアとイーサンは元婚約者であり、ちょっとだけミアが気まずさを感じる。

「気にしないでくださいよ。私新しい婚約者ができたんです。トラジア王様の姪をお嫁さんをいただけることになりました」

「それはおめでたいですわね。またトラジアとの国交も深まりますわ」

リアが笑顔で話す。

「警察のほうはどうなりそうですか?」

話が脱線したので、リアムが戻す。

「もともとあった兵団をカレブさんと半分に分けただけで顔見知りも多いですし、後は民間の人や元奴隷の人に武器の使い方を教えるだけですね」

「武器は何を採用されます?」

「コストがいいのは槍ですけど、きちんと訓練して予算もいただけるなら銃が良いですよね。ちょっとまだ人事が確定しないので、予算が決まらないんです」

「とりあえずは槍でいいです。いずれ銃にシフトしていくかもしれませんが、警察はあくまでも内部のかんりですから、まだ銃がそこまで出回らなければ槍でも対処できます。


「あ、リアム様、まさかでしたよ、私が代表になるとは思っておりませんでした」

中年男性の周りに多くの人が集まって指導を受けていた。

「あなたはシニジアやトラジアでの商売経験が豊富ですから。社会情勢にも詳しいですし是非後輩の育成に協力していただきたい」

「私も年を取りまして、あまり遠出ができなくなっております。こういった仕事はむしろ歓迎しております」

「予算はこのとおり、トラジアとのコネクションは私持っておりますので、そちらは後輩をご紹介いたします。シニジアとは私個人では良いのですが、今はちょっと厳しいですね。フィージアはまったくございません。とりあえずは、トラジアとの貿易内容の相場は変わっていなければこうなるはずです」

「さすがです。これはおまかせしても大丈夫そうですね」

さすがのベテラン。彼の後釜育成さえできれば、貿易面での問題はまず無いと確信した。


「リアム様、本当にありがとうございます」

声をかけてきたのは30代くらいの男性、マリジアで数少ない病院の院長である。

マリジアシニジアハーフの象徴の灰色の髪だが、苦労しているのかやや色は白に近い。

怪我人が続出し続けていたトラジアを支え続けていた功労者であり、長年病院を増やすことを望んでいたので、その夢がかなって喜んでいた。

「まだ1件増やせただけです。いずれ人口が増えればもっと必要になります。医療は技術がむずかしいですから、いずれ専門学校も作るので、ミアさんやミリーさんとの協力をいずれしていただきたいと思ってます」


「あ、どうもリアム君。仕事も後輩も増えて増えて大変だ!」

リアやミアに並んで急がしいのがこの国土整理である。

長らく暇だったのだが、人口が爆上げされたため、建物を多く作らねばならず、その適正な配置、さらにイリオスの南部の整備も任されているため、その予算管理と人事に加え、育成も必要なため、オフがまったくないのである。

「しばらくがんばってください。さすがにこれは専門外なので」


「ドニさん」

「リアム様、君はモテモテでうらやましいな」

ドニは全体の代表も勤めるほど優秀なのだが、35歳にしていまだ独身である。

ゴリラと見間違うような巨体は迫力がありすぎて、女性には好かれない。

「イーサンも結婚するらしいすし、なぜ俺にはこういう話が来ないんでしょう?」

「失礼します」

こうなると話ができないので、そそくさと去った。

こういう話さえしなければまともにやってくれるのですべて任せることにした。


「リアム様、すいませんまだマリジアにはなじんでおりませんので……」

最後に声をかけたのは少し大人の女性ナタリーである。限りなくトラジア純正に近く、髪は美しい茶色だが、完全なる純正ではない。

元カジノの営業をしていただけあって、特に支持をしなくても必要な娯楽は勝手にアンケートを取っていた。

「賭け事はもちろん、露天風呂、劇場、遊び場、音楽、スポーツなど結構たくさんありますよ」

「さすがですね。何の指示も出していないのに手早いです」

「文化は違えど、遊びはそんなに変わらないものですからね」

「まったく心配ありませんね」





「私たちがついていかなくてもよかったんじゃない?」

「何度も言うけど、いずれは俺は手をいずれ出さなくなるから、視察とかもミアさんがやることになるから」


「そうだったね」

「2人とも、今日の視察でどう思った?」

「人の配置を決めるのが大変だね」

「とにかく予算を決めないと何していいか分からないですわ」

「うん、2人とも正解。しかもどっちも自分のところの重要性がわかっているね」

学校関係で人の育成を意識するミアと、金融関係で予算を意識するリア。自分が何をしなければいけないかがよく分かっているので安心していた。

「ミアさんはいずれは、全部を見てもらわなければいけないけどね」

「う~ん、がんばるよ」

ちょっと苦笑いをミアが浮かべる。


「とにかくは予算だ。ノアさんも交えて決めるぞ!」








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