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いっちーとやら
なんだかサヤカには逆らえない。
俺の中であいつは妹みたいな感覚があるのだろう。
泣かしたくない。むしろ笑っていてほしい。
まあ、実際は妹なんていないから本当にそうなのかはわからないけど。
「シュウと九部行くの久々な感じする!ずっと家に籠ってたし、シュウがだけど…」
微妙に笑われてる。悔しいんですが。
「あー、そうやって笑うのかー。家で勉強してるやつと遊んでるやつとの違いがあることわかってるかな?」
「ご、ごめんて…」
ちょい言い過ぎたかな。
いや、こいつはすぐ立ち直るから大丈夫か。
てか勉強しろよ。マジで。
と、思っている間に公園についた。
そして一人、知った顔を見つける。
「おうおういっちー!!」
「お!さっちゃんよっす!あきらんよっす!」
「よー。てかいつになったらシュウラと呼んでくれるんだ。」
澄川純一。
こいつは親友、といえるのだろうか。
親友の定義なんて知らないけど。
「えーっとねー、あきらんが好きな人に告白して漢を見せてくれたらだな!」
うぜえ。
いいやつだけど。
「なんなんだよホント。てか好きな人いないし」
「シュウに好きな人…?」
いないっつってんだろ。