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Spring
「退屈」
一人呟く言葉はいつもそれだった。
中二の終わり、春、受験生となる直前。
つまりは春休みってこと。
俺はいつも通りに家に籠っていた。
勘違いしないで欲しいが、決して引き籠りではないし、インドア派というわけでもない。
「自主練でもするかな…」
まあ、サッカー部だし。レギュラーだし。
新しく後輩が入ってきたら自主練まあメインになりそうだしな。
ってことで行くか…ん…?
慌ただしい足音が響き、俺の部屋の前で止まった。
んー、嫌な予感がす…
「シュウくんシュウくんあっそぼー!!」
現れたのは『高山 沙香』
幼馴染みだった。