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その夜、ニーアが……

 二人で戻った家は魔人との戦闘で半壊してた。庭でしか戦ってなかったが、あれだけの巨体が暴れ狂ったのだ、家自体も相当のダメージを受けていた。ニーアがいつも綺麗に掃除をして、この家を大切にしていたことは知っていたので、ニーアがショックを受けていないか気になった。


「すごいですね、魔人って。こんなのを倒しちゃうなんて、カナタさん凄いです」


 ニーアはにこやかにいう。


「とてもバルーンとの戦いで死にかけていたのと同じ人だとは思えません」


 バルーンの事は忘れて欲しいものだ。というか今でも、光魔法を使うバルーンに出会ったら、逃げるけどね。俺は闇属性で、バルーンの破魔魔法で即死してしまうから。

 家が半壊していることについては、ニーアは特にショックを受けていないみたいだ。室内を中心にテキパキと片付けている。俺も、外に転がっている魔人の巨体を何とかしよう。


 魔人の残骸は、モンスターの死骸と言うより機械のスクラップだった。だが片手両剣ノートゥングでもびくともしなかった外殻は何かに使えるかもしれない、内部の機械類と一緒に、倉庫に保管しておくことにする。


「カナタさん、夕食の準備をしようと思うのですけど、この魔人のお肉って、やっぱり食べられないですよね?クンクン」


 倒したモンスターを食べるのが普通のニーアは、残骸の匂いを嗅ぎながらとぼけた事を言う。この魔人の肉は食べられないだろうな~機械だし。

 機械の概念が無いためニーアには理解できないだろうが、無機質な機械を、何とか食べられないか必死で匂いを嗅いでいる姿は、可愛かった。



「カナタさん、カナタさんのお部屋の事なんですけど……やっぱりご主人様に今のお部屋に寝泊まりしていただくわけにはいかないと思います。おじいさまのお部屋で寝ていただけませんか?」


 ニーアが夕食の席でいう。主人が一番粗末な部屋のベッドで寝るのはおかしいとの事だそうだ。


「いまの部屋でいいよ、気にしていないから」


「でも、メイドがご主人様より良いお部屋で寝るのはおかしいと思います」


 ニーアはことあるごとに主従の関係について気にかけているみたいだ。それも悪い気がしないが、俺は今までは居候の立場で十分だ。


「大丈夫だよ、それに、ロジー爺さんが退院したときに、俺が爺さんの部屋を使っていたら、爺さんこまるだろう」


 爺さんの事を持ち出されたら、ニーアも引きさがらざるをえない。結局、爺さんが退院するまで、俺の部屋で爺さんの布団だけを借りる事で妥協が成立した。

 その夜、ニーアが丁寧にベッドメイキングしてくれたベッドと、干したばかりのフカフカの布団にくるまる。ベッドは粗末な木製のベッドのままだったが、布団は今までのワラから布団にレベルアップしたのだから大したものだ。

 長い一日だったと思いながら眠りにつこうとしたとき……


「カナタさん、入っていいですか?」


 ニーアが部屋にやってきた。


カナタは卒業するのか?


次回、ニーアとの夜


掲載は午後3時を予定しています。

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