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誘惑魔法チャーム

「ロジーさんの家に魔人が向かったと聞いて、まさかとは思ったけど、本当にあんたが倒すとはね!」


 メルルさんは大変驚いていたが、祝福してくれた。数人の立会人とともに、俺が魔人マクスウェルを倒した証人となってくれた。

 正直、そんなことはどうでも良い、今は一刻も早く懸賞金の20万ルーグが欲しい。


「懸賞金が届くまで本来なら1週間かかるんだけど……」


「そんなに待てないです、今すぐ20万ルーグ必要なんです」


 1週間とか待てない、約束の期間が過ぎてしまうし、ニーアにあんな所で売り物みたいに陳列される屈辱を受けさせたくはない。


「分かった、じゃあギルドの力で、すぐ支払える様にしてあげるよ。今すぐにお金が必要なんだろ?」


 メルルさんがにっこり笑って言う、ひょっとしたら全て見透かされているのじゃないだろうか?

 まあお金がすぐに手に入るならそれでも良い


 メルルさんは、身なりからして町の有力者らしい人と交渉し、有力者は20万ルーグが入った袋を渡してくれた。

 1000ルーグ金貨が200枚、つい先日前までニート生活をしていた俺にとっては1000ルーグ金貨ですら見た事無いのに、それが200枚となると圧巻である。


 枚数を確認し、大急ぎで奴隷店に向かう。

 手付金を支払ったのだから、売られていることはないだろうが、とにかく急ぐにこしたことはない。

 奴隷店にはニーアがいた。


「カナタ……さん……ですか?!」


「ニーア、この通りお金を持って来た、約束通りに助けに来たぞ!」


 俺が言うと、ニーアはハッと驚いた顔をした。


「本当に……来てくれたんですか?」


 ニーアは瞳に涙をいっぱいにして、言葉に詰まっている。

 猫耳だけが、ピクピクと動いている。


「ああ、このとおり20万持ってきた、魔人を倒した懸賞金だ」


「魔人を?そんな危険な事を、私のために……」


「ああ、ニーアが研いでくれた剣のおかげだ。おいおっさん、金は持ってきたぞ!約束通り俺がニーアを引き取るからな!!」


 店長に金が入った袋を突き出して言う、こうなった以上1秒たりともニーアをここに置いておきたくはない。

 だが店長は金を数えながら……


「これでは足りませんね。もう2万ルーグ必要になります」


「なんだって?20万ルーグのはずだろう??」


「それは税抜き価格の事です、10%のローラント消費税がかかりますので、税込みで22万ルーグ必要になります」


 よく見ると看板に小さく『本店は税抜き表示となります』と書かれている。

 やられた!!セコい!!

 残り二日間、で2万ルーグ稼がなくてはいけない。2万ルーグ……日本円にして約200万円か。

 くそう!ぬか喜びかよ!!とにかく稼がないと。


「ところで相談なのですか、こちらの方がこの商品を60万ルーグで買い取っても良いとおっしゃっているので、差額の40万ルーグの半分の20万ルーグをさしあげるので、先ほどの契約を取り消してはいただけませんか?」


 ほっそりとした長身で、貴族みたいにカーブしたヒゲを蓄えている紳士が店主に連れられて来た。帽子を深くかぶってるため、表情はよくわからない。身なりからしてかなりの金持ちに見える、本当に貴族かもしれない。

 しかし上品な身なりに反して、目は暗く薄気味悪い。そして何より額に『666』の印が付けられている。

 印が書かれている人を始めて見たが、物理的に書かれているというより、額の真上の空間に数字が浮かび上がっている感じだ。おそらく帽子やバンダナで額を隠しても無駄な様にそうしているのだろう。

 この印があるということは、以前にルール神に保護された約束を破った事があるということになる。

 本来ならお店で売り買いはできないハズだから、ニーアに対して3倍の60万もの値段をつけてきたのだろう。


「ふざけるな!ニーアを譲れるか!!」


「お客様が今お持ちの20万ルーグと、こちらのお客様からの20万ルーグを合わせまして40万ルーグ、40万ルーグですと、代わりにこちらのインムが購入可能な金額となります」


 インム?っていうと正面のお姉さん?


「是非、たっぷり可愛がってくださいませ、ご主人様」


 金髪のインムと目が合う、その瞬間、魅了魔法をかけられる。


あけましておめでとうございます。

そしてここまで読んでいただいて、ありがとうございます。


さて、やっとニーアを助けたと思ったら、水を差されてしまいました。


次回は午後3時に掲載予定です。

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