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自宅警備士、異世界へ ~ 救世主として異世界に召喚されたが、チートな勇者とかじゃなくて、ニートな自宅警備士だった~  作者: sinwa
第1章 異世界に召還されたが、職業は自宅警備士だった。

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魔人マクスウェルとの遭遇

 日が沈むのを待って、西の山に向かう。

 幸い【夜目】のスキルのおかげで、昼間の様に良く見える。

 家から西の山までは距離は短いが、途中に崖があった。

 今は迂回して登るしかない、意外に時間がかかりそうだ。

 崖を迂回するのに2時間ほどかかった、もう西の山の中腹だ。いつ魔人マクスウェルに出くわしてもおかしくない。


 魔人マクスウェルはどこだ?


 早くしないと他の冒険者に倒されてしまう。

 西の山といっても広い、なんとか先に見つけないと。


ガサガサ


 草むらから音がする。

 俺は息をひそめて、木の陰から草むらを覗き込む。


 ボブコブリンが2匹。

 流石に西の山の敵は少し手強そうだ、とはいえこいつとは戦った事があるし、こっちは【夜目】で夜中でもよく見えるが、むこうはそうではないらしく、こちらにまだ気づいていない。

 危険ではあるが、経験値を稼ぐチャンスだ。


 俺は覚悟を決め、片手両剣ノートゥングを握りしめて飛び込む。

 ボブコブリンの1匹をがこちらに気づいたが、遅い。

 気づいた方の頭を一撃で叩き割り、続けざまにもう1匹の胸を剣で突く。

 ノートゥングの威力はすざまじく、ボブコブリンが付けていた皮の胸当てと厚い肉を簡単に貫通してしまった。

 奇襲とはいえ一撃くらいは反撃を受ける事を覚悟していたが、全くダメージを食らわずに倒すことができた。

 さすがはニーアが研いだ豪剣。

 重量級でかなり扱いにくいこの剣を、なんとか扱う事ができたのは自宅警備士のジョブのおかげらしい。

 自宅警備士でも【士】、つまり【侍】だから、一通りの武器は扱えそうだ。

 腐っても侍、ってことか。


レベルが上がる

カナタ(自宅警備士)

レベル6

HP60→64(ただし昼間は32)

MP0


スキル【自宅警備】の熟練度が上がった。


よし、これは幸先よい、魔人に合う前にもうちょっとレベルが上がってくれると助かる。


ーーガサガサガサーー


 また音がする。

 出てきたのはバルーン、しかも数が多い。

 ざっと6匹。


 しかも1匹は今にも破魔魔法を使いそうだ。

 ちくしょう!逃げるしか無いのか。

 最弱のモンスター相手に逃げるしかない状態で、本当に魔人なんか倒せるんだろうか?

 そんなことを考えながら、必死で逃げた。幸い、スキル【逃げ足】のおかげで自分の足と思えないほど早い。

 風を切って走る、まるで陸上選手になったみたいな気持ちだ。まあ逃走速度70%アップだからな。


 気がつくと、さっきの崖の上に来ていた。どうやらバルーンからは逃げ切ったらしい。

 崖下の森を抜けてすぐにニーア達の家が見える、高低差があるが、距離自体は大した事無い。

 あの家で過ごした当たり前の日常を、取り戻すんだ。

 そんなことを考えていたら、背後で音がした。


 またバルーンか?と思ったが、機械音の様な気がする。

 まさか魔人マクスウェルか?


 俺は細心の注意を払って、音がした方を調べた。

 恐怖心と期待心、どちらが大きいのかは分からないが、心臓は爆発寸前だ。


 俺は死んでも元の世界に戻るだけ、だから怖くない。

 俺は死んでも元の世界に戻るだけ、だから大丈夫だ。


 そして


 俺が倒さなきゃ、ニーアは奴隷にされて死んでしまう、だから倒すんだ。


 呪文の様に心の中で唱えながら、勇気を振り絞って前方をみる。


 ムカデを思わせる無数の漆黒の脚

 カメラを思わせる無数のレンズ

 鋼鉄の塊を思わせる巨大な胴体


 ……間違いない、魔人マクスウェルだ!



スキル情報強者発動

【魔人マクスウェル】


属性 機械 雷 闇

機械が闇を吸収し、魔人化した魔物。


 やはり機械の魔人か。


読んでいただいて、ありがとうございます。


いよいよ魔人戦が始まります。

ところで「人」ではない機械の魔物なのに「魔人」というのもおかしいとは思ったのですが、他にいい言葉が無かったので魔人にしました。


次回は午後3時頃に投稿します。

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