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一筋の光明

「で?何を聞きたいんだ?小僧?」


 小僧なんて呼ばれる歳じゃないが、気にしてられない。


「え……ではロッキーさん、魔人マクスウェルとはどんな戦闘をしたんですか?」


 戦闘の内容はこうだった。

 パーティは戦士のロッキーさんをリーダーとして合計8人、内訳は戦士6人に僧侶1、魔法使い1。

 戦士が多いのは、マクスウェルには炎魔法や氷結魔法は効果が薄いため、物理重視のパーティを組んだかららしい。

 事前の情報から、マクスウェルは闇魔法を使う事の他に、金属で覆われた多脚型の魔人であること、大きさの割に高速で移動する事などがわかっていた。


 ロッキーさん達は大量の鎖を用意していたそうだ。

 多脚型の魔物に対するときの戦術の1つで、鎖を多くある脚に絡ませて動きを止めてから接近戦を挑む。

 だがこの戦術が裏目に出た。


 魔法使いと僧侶が後方から援護しつつ、戦士達が接近する。

 5人の戦士達がロープや鎖を投げ、マクスウェルの動きを封じたその時、マクスウェルが電撃魔法を放ったのだ。


ーー電撃魔法サンダーボルトーー


 風属性の魔法を極めた者のみが使える、上位魔法である電撃魔法。

 マクスウェルが風属性魔法を全く使ってこなかったこともあり、電撃魔法を使ってくるとは全く想定していなかった戦士達5人は、鎖から直接感電した。

 鎖を持っていた3人は即死、2人は重傷を負い戦闘不能になった。


 僧侶が負傷した2人に応急処置を施している間、ロッキーさんと魔法使いが時間稼ぎを行ったが、魔法使いの火炎魔法は事前の情報通り通用せず、ロッキーさんの物理攻撃もほとんど効果がなかった。


 結局、負傷した2人を回復させて、撤退するのが精一杯だったのだ。


 ロッキーさんと他戦士2人の負傷は、回復魔法の回復範囲を超えていたため、そのまま病院に担ぎ込まれた、との事だ。


 電撃魔法を使う多脚型の金属の魔人。

 それはひょっとしたら機械の、ロボットみたいな魔人ではないだろうか?


「ロボット?なんじゃそりゃ?」


 この世界じゃまだ機械は発達していないから、当然ロボットなんてものもない。

 知らなくて当然か。


「古代の西方には、電気で動く金属の人形があったって話だから、それが魔人化したモンスターだと思われるが、ありゃ手強いぜ」


 金属で動く機械の人形、か。

 ロボットの魔物で間違いなさそうだ。


 相手がロボットなら弱点はわかる。

 俺も何回かパソコンを誤って壊した事があるから、要領は同じはずだ、方法はある。

 敵が電撃魔法の他に暗黒魔法を使うのも、好都合だ。

 だが最大の問題は、敵の電撃魔法をどうやって防ぐかだ。


「まあ懸賞金20万を超えたんじゃあ、すぐにハイレベルな冒険者がやってきて始末しちまうだろうけどな」


 それは困る、俺が倒して懸賞金をもらう必要がある。

 分け前をやる余裕も無いので、仲間もいらない。

 3日以内に、俺1人で、強力な電撃魔法を使う魔人を倒す。困難だがこの条件でやるしかない。


 問題は他にもある。魔人に出会う前に、他の魔物に出会う可能性もある。

 コブリン程度なら、もう余裕で倒せるが、光魔法を使うバルーンはまずい……


 ん?バルーンは、たしかゴムでできた魔物のはず。

 ゴムは電気を通さない。

 そしてウチの倉庫には大量のバルーンの皮があったはずだ!


 ひらめいた、そしてこの作戦しか無い。

 俺はメルルさんとロッキーさんにお礼を言い、駆け込む様に自宅へと帰った。

読んでいただき、ありがとうございます。


情報収集は大切ですね。

年末年始に、いよいよ魔人戦です。


次回の投稿は午前2時頃を予定しています。

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