彼の職業は自宅警備士(プロローグ1)
~自宅警備士、異世界へ~
異世界に救世主として召喚されたが、チートな勇者とかじゃなくて、ニートな自宅警備士だった
運命を司る3姉妹の女神達がいた。
女神達は、1つの世界を創造した。
1つの世界には、1つの知的生命体しか生まれない。
だが神々が予見できない奇跡も起こりえる。複数の知的生命体が1つの世界に生まれたのだ。
その世界は、生まれた5つの知的生命体の数からフィフスガルドと名付けられた。
フィフスガルドを、長の女神はただ無情に、中の女神はあくまでも冷静に、末の女神は深い愛情をもって見守っていた。
数百年の後、女神達はフィフスガルドの異なる知的生命体が交わるとき、大きな負のエネルギーが発生する事を知った。負のエネルギーは世界を乱し、いずれはフィフスガルドの滅亡に至るだろう。女神達は負のエネルギーが発生しない様に、どうすればいいか協議した。
長の女神は、異なる種が交わる事が問題なら、1番優れた種のみが生きのびればいい、と言った。
中の女神は、交わらない様に、それぞれの種族が離れて暮らせばいいだけだ、と言った。
末の女神は、種族が違っても、なんとかして共存の道を見つけるべきだ、と言った。
3姉妹の主張は交わらず、議論は長年にわたって繰り広げられた。その間、負のエネルギーは蓄積され続けた。
だからといって、強大な力をもった女神達が直接争うわけにはいかない。
長の女神が、ある提案をした。
それぞれが、自らの代わりとなる使徒を送り込み、その使徒達の決定に任せよう、と。
中の女神はその提案に大いに賛成し、異世界から優れた人物を選び抜き、その名にふさわしい強力な職業に就かせて送り込んだ。
末の女神はしぶしぶ賛成したが、あろう事か最も劣った人物を選び、彼が望んだ一風変わった職業に就かせ送り込んだ。
彼が望んだ職業ーーその名は
自宅警備士