スキル【自宅警備】発動!
家の柵を通過したあたりで、敵に襲われた。
コブリンが2匹、天敵のバルーンはなんと3匹だ。
「カナタさんはバルーンには近づかないでください!!」
ニーアがバルーンの群れに向かって突進する。
突進ざまに氷魔法で1体を倒し、剣の一撃でもう1体を倒す。
俺にとって危険なバルーン達を速攻で倒してしまうつもりだろう。
コブリンは俺と爺さんに向かってくる。
「ファイアー・ボール」
爺さんが魔法を使ってコブリンに火の玉をぶつける、コブリンの1体は黒こげの肉のかたまりになったが、もう1体は俺に向かってくる。
こうなったら仕方ない。一か八かだ。
俺は全体中をのせ、コブリンの顔面をこんぼうで突く。
「南無三!!!」
運良くクリティカルだったらしい、コブリンも倒れた。
やった……たおした?
「あぶない、カナタさん!!!」
ニーアが叫ぶ、柵の陰にコブリンがもう1体隠れていた。
さっきのコブリンより毛並みは黒く、ずっと大きい。
武器も気の棒ではなく、錆びた大剣を持っている。
しまった!
コブリンは大きく剣を薙ぎ払う。
腰に激しい衝撃と、遅れて激痛が走る。
自動車にはねられた様な強い衝撃だ。
死んだ……か?
だが生きている、俺のスキルが発動したらしい。
スキル【自宅警備】(自宅及び所有エリア内での戦闘力が大幅アップ)が発動。
どうも自宅警備士のスキルのおかげで防御力が大幅アップした様だ。
そうか、ここはニーアたちの家の近くだから、自宅扱いされたんだな。
さすが自宅警備士、自宅での戦闘に本領を発揮するという事か。
筋肉が分厚くなり、無尽蔵に力が湧いてくる。力と身の守りが大幅に上がった気がする。
怪訝な顔をしているコブリンの顔を、お返しとばかりに一撃を食らわせる。
コブリンは吹き飛んで、そのまま動かなくなった。
攻撃力も大幅にアップしているみたいだ。
本業は、自宅警備士だからな、自宅内での戦闘は任せておけ、ってことか。
「凄い、カナタさん、これボブコブリンですよ!」
「どうやら魔物共は、わしらの家を襲撃しようとしていたみたいじゃな、ボブコブリンはそのリーダーか」
ニーアと爺さんが関心している、どうやら強いモンスターだったらしい。
「でもボブコブリンって、私でも苦戦するくらいなのに、一撃って凄いですよ」
ニアーが褒めてくる、もっと褒めて。
「なるほどスキル【自宅警備】か、これは自宅周辺なら十分に戦力になりそうじゃの」
「今日はお祝いにボブコブリンのステーキです」
ニーアが目を輝かせてはしゃいでいる、どうでもいいけど、コブリンって食べるの?
ボブコブリンは、肉のかたまりをドロップしたが、それを調理したボブコブリンのステーキは、絶品だった。
やわらかい極上の豚肉みたいな味がした。
今度はコブリンのトンカツが食べたいです。
そういえばボブコブリンは装備していた錆びた大剣をドロップしていたな。
爺さんは重すぎて扱えないし、ニーアも重量級の武器はいらないとのことなので、俺が貰った。
錆び付いた剣だが、研げば使えるかもしれない。
研ぎ石って高価なのかな。
読んでいただきありがとうございます。
やっとスキル【自宅警備】が発動し、少しはチートっぽくなってきました。