新しいスキルを覚えました……が……
爺さんの講義に夢中で、気づいたときにはお昼過ぎだった。
昼食は朝のパンにチーズと野菜を挟んで焼いたものだった、前の世界で言うホットサンドイッチだ、かなり美味しい。
やはりニーアは料理上手だ。
ハーフとはいえ猫人族のニーアもやはり奴隷としてロジー爺さんに買われたのだろうか?
ロジー爺さんはニーアに対して家族みたいに接している気がするが……
気になったが聞いてはいけない気がしたので聞かなかった。
午後からはアイテム獲得のためにモンスター狩りをするということなので、俺も同行した。
爺さんとニーアと俺の3人パーティだ。
手ぶらでは何なので、こんぼうを貸してもらった。
スキル情報強者発動
【こんぼう】
木の棒に釘を無数に打ち込んだ粗末な武器、たたかれると結構いたい、使いすぎると折れる
俺の戦闘に関係しそうなスキルは
【弱対光属性】光属性のダメージ100%増
【弱日光】 晴天時にHPの-50%ペナルティ
【弱自然環境】暑かったり寒かったりすると攻撃力50%ダウン
の3つか、相変わらず酷い戦闘ペナルティだ。
今日も暑く、いい天気なので、きっちりHPと攻撃力は下がっている。
もともと48のHPは24しかない。高齢のロジーじいさんより低い。
あと戦闘に関係しそうなスキルは【弱意志力】(MPが0以上に成長しない)かな
MPが0か、残念だが魔法は使えそうにない。
自宅警備士の俺が意思力が弱いのはわかるが、意思力とMPが直結しているとはな。
なんでも知的生命体の意思力が世界に干渉し、魔法と呼ばれる現象が起こるとされており、この世界では意思力が弱い=魔力が弱い、のだそうだ。
気軽に強力な魔法使いになれるのが、異世界ファンタジー小説の定番だろうに。
異世界に行ったら誰でもみんなチートな魔法使いになる、って言うのは嘘だったんだな。
しかし……自宅警備士は改めて戦闘に不向きな仕事だと思う。
なんで俺は勇者や賢者にしなかったんだろう?
等と考えていたら敵が現れた。
コブリンが1匹と宿敵バルーンが1匹。
強そうなコブリンをニーアに任せ、俺はバルーンを相手にする。
かつて死にそうになった相手だが、今度は武器もあるし1匹だ。
敵が魔法を発動する前に、なんとか倒すことができた。
ん?なんだか手応えがする。どうもレベルがあがったらしい。
カナタ、職業マイホーム・ガード
HP48→50(ただしペナルティスキルで最大25)
MP0→0
スキル【超弱対破魔】を覚えた。
【超弱対破魔】……嫌な予感がしたので、情報強者で調べてみる。
スキル【超弱対破魔】破魔魔法に対する耐性がなくなり、敵の破魔魔法を食らうと即死率が100%になる
ちょ、やっぱりペナルティスキルかよ!
また即死系だし。
なんでレベルが上がってペナルティスキルを覚えるんだよwww
「ほう、【超弱対破魔】か、珍しいスキルじゃの……こんなスキル持っているのはゾンビくらいじゃて」
ゾンビと一緒かよ!
「さっきのバルーン、簡単な破魔魔法も使えるので、使われたら即死ですね」
ニーアが怖い事を言う、とことんバルーンは天敵みたいだ
「でもバルーンはコブリンの半分の強さも無い最弱の敵です。カナタさんが戦える相手は無くなりましたね」
最弱のバルーン相手にも戦えない……つまりは戦力外通告だ……ニーアはさぞ失望した様子で言う、俺も悲しい。
コブリンは肉と骨をドロップし、バルーンはゴムをドロップした。
ロジー爺さんが探していたのはコブリンの骨だったらしく、そのまま帰路についた。
読んでいただいてありがとうございます。
ペナルティスキル追加です。