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猫耳メイドを後ろから……

 翌朝は早く目覚めた。

 まあ寝るのも早かったから当然といえば当然だが、特別なイベントがない限り、朝9時より早い時間に起ることのない自宅警備士にとって、早朝は新鮮な時間帯だ。

 自宅警備士の仕事は夜勤がメインだから、お昼過ぎまで寝ていても問題は無いのだ。


 もうニーアは起きていて台所に立っていた。

 包丁を片手に何かを切っているらしい。

 トントントン……とテンポのいい音が聞こえる。


 ニーアは部屋着らしいハイネックの紺色の上着に、膝くらいまでフレアスカート姿だ。

 メイドらしくエプロンとカチューシャを着けている。


 エプロン姿のニーアも可愛い。

 フレアスカートにつつまれた可愛らしいお尻とすらりと伸びた足が、健康的かつセクシーだ。

 スカートからは猫娘らしくシッポがみえる。色は猫耳と同じく黒にブラウンが混ざっている。

 そしてカチューシャ、さらにカチューシャからちょこっと突き出した猫耳。

 最高だ!

 異世界に来てよかった。いつ死んでもいい!


 俺はそっとニーアの後ろに忍び寄り、その可愛らしいニーアをそっと抱きしめようとして……


「カナタさん、おはようございます」


 ニーアは笑顔でこちらに振り向いた。


 ちょ!!!


 包丁が顔をかすめる。


「あらごめんなさい。でも後ろから忍び寄るなんてダメですよ。早く顔を洗ってきてください」


 ニーアの口調は丁寧だが、抱きしめようとしたことを怒っているのだろうか?


「聞こえませんでしたか?」


 やばい、怒っている。笑顔だが、右手の包丁がキラリと光った様な気がした。

 いつ死んでも良い!というのは嘘だ。命は惜しい。

 俺は素直に顔を洗いにいくことにする。


 洗面場は家の外にある、竹筒で川から水を引い瓶が置いてあるだけの簡易な物だった。

 朝日が眩しい、いかん、ニートにとって日光は天敵だ。お肌が焼けてしまう。

 日焼けを気にしていると、ロジー爺さんに話しかけられた。


「おやよう、カナタ君、ぐっすり眠れたかね?」


 自宅警備士は、活動時間と同時間の睡眠時間が必要なので、1日12時間は寝ないと調子がでないが、今日は気分がいい。よく眠れたみたいだ。素晴らしい短眠体質になったと言える。

 爺さんは夜中まで研究をしていたみたいだが、その割に早起きだな。


 朝食は小麦粉で作ったパンとサラダだった。

 パンは焼きたてのナンみたいな物だった、これも美味しい。

 パンが膨らんでいないのはイースト菌が無いからだろうか。

 サラダは昨日のトマトとレタスみたいな野菜を切ったものだった。見た目はトマトとレタスそっくりだが、元の世界の野菜とは違って甘い気がする。


「さて、カナタ君に手伝ってもらいたい物なんじゃが……」


 そういや「頼みたいことがある」って言ってたな。

 面倒な事じゃなきゃいいが……

 だが泊めてもらっている身、拒否権はない。


「わしのステータスを観てもらったことがあったじゃろう?あの能力を貸してほしいのじゃ」


 スキル情報強者のことかな?

 あの後、ニーアに引っ掻けられて、うやむやになってしまったが、たしかにニーアと爺さんをスキャンしたな。


「わしのステータス、確かにドンピシャじゃったわい。体重が前測った時より1キロ多かったので、測ってみたら本当に少しばかり肥えとった」


 爺さんの体重はわりとどうでも良い、だがステータスは当たっていたらしい。


 爺さんの仕事は研究者、だったかな。

 爺さんが俺に頼みたいこととは、爺さんが研究しているアイテムに情報強者のスキルを使って、アイテムの鑑定をしてもらいたい戸の事だ。

 お安い御用だ、鑑定だけなら楽で良い。


 しかしプロの研究者の爺さんも持っていない情報強者のスキルを持っている俺って結構凄くない?

 さすがプロの自宅警備士。

読んでいただいてありがとうございます。


猫耳メイドはいいですよね。

媚びない猫娘なので、なかなか「にゃあ」と鳴かないですけど……

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