表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

今日、人を殺しました

作者: ふぁご
掲載日:2026/03/29

あなたはいじめについてどう思いますか?

いじめは最低行為と言われていますが、今現在でもなくならない、それはなぜだと思いますか。

だから、みんな口だけだと思ってしまう私はゆがんでいますか?

この物語は残酷な描写があるので苦手な方はページを閉じてください。

今日は、私の裁判の日。私は半年前、大きな事件を起こした。

「証人は証言を述べてください。」裁判官が母にそう言う。


母の姿を見たのは半年ぶりであった。

少し白髪が増えている。

母はゆっくりと口を開き始めた。


“3月30日のことでした。仁美が久しぶりに外出をしました。

私がどこへいくのか?と聞くと

仁美は「コンビニ」と私に言いました。

ひきこもりの仁美が自ら部屋から出てきて、少しびっくりしましたが私は「いってらっしゃい」と声をかけました。これが事件前に仁美と話した最後の会話です。”


そう。私は3月30日、人を殺した。

高校時代、私は石川唯奈というクラスメイトにいじめを受けていた。

それが理由でPTSDになり、学校に行けなくなった。

けれども学校側にいじめを訴えても証拠がないの一点張りでまともに取り合ってくれなかった。


この時、私は暗闇に落ちた。


私は大学にも入らず、働きもせず、家にひきこもり七年が経ち、二十二歳になった。

この七年間、何をしていたのかと言うと

ネットで石川唯奈のことを調べていていた。


彼女からいじめを受けたのは高校一年生の頃。

入学当初は仲が良く一緒に帰る関係であったが、唯奈ちゃんは、「仁美ちゃんは、いつも笑顔で何を考えているのか分からないから嫌い。関わりたくない。」と私の陰口を言うようになった。

私はそれでも唯奈ちゃんと仲よくしようとしたけれども、

唯奈ちゃんに話しかけても無視されたり、暴言や仲間外れにされるようになった。


それから私はずーっと彼女への恨みを忘れたことはない。


だから私は

インスタやXなど七年かけて彼女のSNSを特定し、通っている大学、住所、アルバイト先などを特定した。


3月29日、唯奈ちゃんのSNSが更新された。「明日、高校時代の部活の発表会に行く!たのしみ!!」という投稿を見つけたのだ。


「ダンス部・・。」


投稿を見て、私は絶好のチャンスだと思った。

この七年間、彼女には大きなバツが下ると期待していた。しかし、彼女のSNSは友人と楽しそうにしている姿や彼氏ができたなどの幸せな話ばかり。

嫉妬、憎しみ、苦しみ、唯奈ちゃんには、コイツには、貴様には私の倍味わってほしい。

だから段々と唯奈ちゃんへの殺意が芽生えた。そして明日爆発させるのだ。


私はニッコリと笑った。笑ったの何年ぶりだろうか。頬が痛かった。

そして私は心に誓う。

“明日、アイツを殺す”


次の日、私は真っ黒の服を着て、卒業アルバムの写真をスマホで撮影する。

そして昔、リストカット用に買ったナイフをカバンに詰める。

そして部屋の取っ手に手をかけた。

心臓が急にバクバク音を立て呼吸が速くなる。

過呼吸になりそうになる。でもこんなんで覚悟を台無しにしたくないと思い、勢いよく部屋を出る。


すると目の前に母が立っていた。

「どこ行くの?」と驚いた顔をした母に聞かれる。

都合のいい言い訳が思いつかなくて「コンビニ。」と言って逃げるように玄関まで行きドアを開けた。


何年ぶりだろう。日に当たったのは。

何年ぶりだろう。電車に乗ったのは。

何年ぶりだろう。高校に来たのは。


何もかもが無鉄砲に私の記憶をよみがえらせてくる。

何度も怯みそうになるが、それと共に殺意が募ってくる。


ダンス部の公演まで15分前だった。

ホールに通された私はスマホの写真を見ながら周りを見渡す。

でも、唯奈ちゃんはいなかった。

唯奈ちゃんを調べて七年間。その時間は長かった。しかし、あくまでも私が頼っていたのはSNSだけ。誰にもらった情報ではなく、嘘が溢れるSNSは一番信ぴょう性がないのは理解している。

「そうか・・。そうだよな。」私は我に帰る。

だから会場から出ようとした。


「唯奈先輩!」

三人組で来ていた女子大生とすれ違う。彼女たちが手を振った先をなんとなく見る。

「ゆいなちゃん・・。」

それは石川唯奈そのものだった。唯奈ちゃんはその子たちのもとへ手を振り駆けよってきた。真っ白いニットの服、あの頃よりもロングヘア―で髪を巻いていて、おまけにスタイルもあの頃より良くなっていて、THE女子大生である。

私は自分の姿を見る。おしゃれのかけらもない黒い服、ぼさぼさな髪、暴飲暴食をしておまけにひきこもっていたため豚みたいな体。

唯奈ちゃんからすべてを奪われた。青春もキラキラした人生も!


気づくと私はナイフをもって走っている。もう後には引けない。

そして唯奈ちゃんの腹部を思いっきり刺した。

真っ白い服が真っ赤に染まる。“きゃー!”という悲鳴が会場に響いた。

“きゃー”じゃないだろう。私は今じゃもう犯罪者。でも私の人生を壊したこいつは殺人者よりも罪が重い。

もっと、もっと苦しんでもらわなければ!!!

私は、ナイフを体から抜き何回も体を刺した。


石川唯奈と言う人間がこの世に存在しないように。


それから私はすぐに逮捕された。のちに取り調べの時に唯奈ちゃんが死んだと聞かされた。私は狂ったように笑った。


「被告人は無期懲役とかす。」

「え?死刑にしてください!死刑!!」私は叫んだ。

すぐに「やめなさい!」付き添っていた警官に取り押さえられる。

その時母の鳴き声が法廷に響いた。

私は我に帰る。

そして大きな声で泣いた。

涙を流したのは何年ぶりであろうか。この時、ずっと涙が止まらなかった。


ご覧いただきありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ