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2.リナ・ドールマン、兄弟のヤンデレフラグについて考える


2.リナ・ドールマン、兄弟のヤンデレフラグについて考える




 誕生日の食事会が終わり、部屋で一人ベットに横になって考える。

 ちょっと、食べ過ぎて気持ちが悪い。


「とりあえず、お兄さま・・・・・・ダーク・ドールマンとディーン・ドールマンは攻略キャラ・・・・・・ってことだよね」


 ドールマン兄弟に言及するネタバレがあったし、間違いないだろう。

 親戚とか従兄弟の可能性もあるけど、ダーク・ドールマンはお母様の面影がしっかり残った美形だし、ディーン・ドールマンはお父様そのままの美形だ。

 正直、モブよりも攻略キャラと言われた方がしっくりとくる。



 だが、兄のダーク・ドールマンは冷徹で氷の様な少年と社交界で名を轟かせている。

 美しいご令嬢に粉をかけられても一切目もくれないことから、十歳にして人の心がないとか男色とか噂されて・・・・・・これ、乙女ゲームのクールキャラの設定だな。

 ダメだ、攻略キャラだ。

 もしかすると「女はやかましくて嫌いです」とかいう眼鏡キャラになるかも知れない。

 最後に見たときは眼鏡をかけていなかったけど、次にあうときにはかけてそうだ。


 じゃあ、その弟のディーン・ドールマンも攻略キャラにされている可能性が高いな。

 クールキャラの兄弟なら正反対の性格になりそうだ。

 熱血・・・・・・いや、ディーン・ドールマンって熱血キャラって感じではないかな。

 ただの手のつけられないクソガキだ。

 じゃあ、女好きの軟派な男とかはどうだろう。

 ・・・・・・現時点では、女の子の部屋に虫を投げ入れるあのディーン・ドールマンが?

 成長したら女の子に甘い言葉を吐く?

 あれが?

 ・・・・・・ないな。

 なんなら、成長しても気にくわない女に虫を投げつけてそう。

 じゃあ、あれか、手のつけられないはみ出し者になるのか。

 うわ、こっちのほうがありそうだな。

 気にくわない人間には殴りかかって暴力で解決する感じかも。



 冷徹で規律と秩序を重んじる兄と暴虐で自由と快楽を好んでいる弟。

 これに悪役令嬢の私がトリオを組むって事か。

 お父様の胃に穴があくな。



「い、いや、私は悪役令嬢にはならない!」

 そう、ならない。

 別に父不孝だから、ではない。

 私の平穏な生活のために、だ。

 悪役令嬢とか、破滅一直線すぎる。



 だが、である。



「悪役令嬢ルートを回避しても、兄弟がヤンデレで主人公に害を及ぼしたらお家取り潰しじゃない・・・・・・」



 そう、それである。

 こういうのは大抵、主人公と王子の恋愛ルートがある。

 主人公と王子が結ばれたら、それに嫉妬したヤンデレ兄弟が主人公か王子に何か事を起こすかもしれない。

 主人公と他の攻略キャラが結ばれても、嫉妬して何かやらかすかもしれない。

 極めつけは、主人公と兄弟のどちらかがくっついた場合、兄弟で血で血を洗う略奪争いになるかも知れない。

 そうでなくても、主人公が好きな王子や他の攻略キャラに睨まれ、関係が悪化し、結果的に家の取り潰しになるかも。

 そういうルートになったら、主人公は他の攻略キャラに助けて貰えるだろうが、私は助けて貰えないだろう。

 だって、悪役令嬢だし。

 というか、主人公以外眼中にないだろうし。



「あぁ~」



 つまりである。

 私が悪役令嬢にならないだけではダメだ。

 兄弟。

 ダーク・ドールマンとディーン・ドールマン。

 この二人をヤンデレにしない。

 これが一番の平穏無事な生涯を送るために重要なのは間違いない。




「ダーク・ドールマンと、ディーン・ドールマンのヤンデレ化阻止! そうよ、今の私はまだ五歳。二人のフラグを折る時間はまだあるはず!!」

 ベットの上で、拳を握って、決意を固める。

「絶対に、絶対にあの二人をヤンデレなんかにさせない! 私の平和な老衰ハッピーライフのために!!」


 そう、折角二度目の人生が始まったのだ、今生こそ幸せになってやる!



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