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明けていく

作者: 西川 新

街中はこんなにも晴れやか

人の心なんて露知らず


温かさのなかに

たしかな寂しさ


いつもの街が

きょうは特別におめかし



去る日々に感謝を

来る日々に祝福を



明けていく空


誰もが幸せそうで

誰もが喜んでいるようで


寒さを越えた

暖かな季節


一人でも

悲しくても


明けていく年



おめでとうだなんて

言いたくなくても明けてしまう


望んでなくても

誰もが同じ朝を迎える


悲しいことがあって

辛いことがあって


思い出ばかりの

大切な日々が過ぎていく



精算し切れない過去も

それもまた思い出


望んでなくても訪れる朝を

迎える勇気もまた必要



大丈夫

君は生きていける


これまでだって

生きてきたのだから



乗り越えて 乗り越えて

明けていく


積み重ねて 積み重ねて

明けていく



今日まで生き抜いた君に感謝を

これからを生きる君に祝福を



思い出を手放すこと

それもまた勇気


明日を迎えること

それは悪いことじゃない


幸せが広がる

そんなこれからを夢見て




夜が明けていく


年が明けていく


君が明けていく

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― 新着の感想 ―
>おめでとうだなんて 言いたくなくても明けてしまう この部分の言葉がとくに響きました。 誰も彼もが、その日がめでたくはないんですよね。 けどきっと、その人にとって今はそのタイミングではなくても。「明…
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