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031 ブサメンと仕事前

 大浴場まで来た、この時間だ、まあ人がいないのもさもありなん。

 早速脱衣して髭剃りを持って浴場へ。ふむ、誰もいないね。

 臭くなった性器にシャワーで湯をかけてチンカスが出なくなるまで扱いてから体を洗い始める、これをしないと泡に性臭が移って大変な事に成る。

 

 髪を洗ってから一息つき、体も洗い始める、デリケートゾーンと脇の分は泡を別にしておく作戦だ、泡々タオルで体を拭っていく。首、腕、腹、腰、足。洗って洗って…それから腋臭ゾーンに泡を付け腋臭汁を洗い落とす。

 ブサメンの臭気が浴室に充満する、誰もいないから良い物の…辺りに散らばった腋臭汁をシャワー全開で洗い流す、シェービングフォームを付けて浴槽へ、温いな。もうちょっとだけ熱くても良いのよ?

 五分ほどぷかぷか。ブサメンクラゲはあっちに行ったりこっちに行って流されたり、ぽってりとした腹や不細工なフェイスがこの世の物とは到底考えられない悍ましさを放つ。

 数分まってから浴槽から上がる。シャワーの前に陣取り髭を剃り始める、チリチリと音を立てて髭が刃に引っ掛かり剃れていく。何度経験しても良い感覚だ、これは男に生まれた数少ない特典だと思う。髭剃るの結構楽しいもん。

 

 顔に沢山シャワーを掛けてシェービングフォームを洗い流してから全身に温水を浴び、タオルで適度に体を拭う。

 脱衣所に戻り使い捨ての髭剃りを回収ボックスへ、ボディタオルで水分を拭き取ってから服を着る、うーん、朝飯まで何やろう。

 動画でも漁るか。もう一度パウアしてからまた風呂に入っても良いよな。

 部屋に戻ってきた俺は早速マッパになりスマホ片手に自家発電所経営。充電も十分なのでまるっと上がってる長編を再生開始、ヌキ所をチョイスし巻き戻しパウア。やってしまったので風呂に入り下半身だけ洗う、時間は六時十分。

 

 朝食前に煙をスパーっとやる事にする。後二十分あるし四本吸えるな。

 それからの行動は早かった、服を整えてタバコを箱から二本ずつ出して一階へ、懐には朝食の券など持っている。

 先ずはスパークリングメンソールを一服、すると途端に中年童貞の抱えている罪過や不安といった物が心に深い闇を落とす、だがそんな俺に一筋の光が差す。時間は全てを解決させる。

 俺には時間がある、何度でも、何歳でも、若返れる。

 不死というのはそれ程素晴らしい存在じゃない。終わりが有るからこそ人の放つ光は眩く尊いのだ。

 不死とは悲しい生き物だ。ただひたすらに見送り続ける、病で、老いで、傷で。人はあっけなく居なくなってしまう。

 欲しいのだ、隣に立って微笑みかけてくれる人が。永遠という名の十字架を共に背負ってれる誰かを。孤独じゃないと、そんな存在が心の底から欲しいのだ。

 しかしやがてそれすら記憶の中に消えていくのだ、その時、不死者は生きるに値する存在だろうか?わからない、それを知るためにも生きなければならない、やがて全てに絶望したとしてもその時はその時だ。

 

 吸ってもいないのに火はフィルターの近くまで来ていた。水のたまった吸い殻入れにポイっと放り込んでホワイトに火を点ける、先ほどまでの考えが嘘のようだ、難しいことは考えない。そうだよ。

 政治形態すら理解できない中卒が哲学を語れる訳もなし。

 

 これからの事を考えながら三本目に火を点けた。



 三本目のスパークリングメンソールに火を点けフィルターのカプセルを潰す。良いねー、そうそう。

 こういうので良いんだよ、こうゆうので。

 

 四本目も早々に吸い終えて食堂へ、今日は何があるかな?ブサメンはもうお腹がペコペコでございます。このブサメンめに餌を下さいまし、飢えで死んでしまいます。

 

 食券を籠に入れてトレーを取り、朝食を盛り付けていく。

 サラダにスクランブルエッグ、ボイルソーセージにバターとカンパーニュ、オレンジジュースとミルクを選択。空いている席へ向かう。

 

「いただきます」

 

 葉野菜とプチトマトを食べる。フレンチドレッシングを結構掛けたのでちょっとしょっぱい。オレンジジュースを口にする、少し焼き過ぎたスクランブルエッグを主食にボイルソーセージを食べる。安物独特の油多めな感じ、まあこんなものか。

 最後はパン、トースターで少し温めた物にバターを塗りつけて食べる、後半はマーマレードジャムで食べていく。ミルクで甘さをごまかす、最後はオレンジジュースで口の中をリフレッシュさせる。そして完食。

 

「ごちそうさま」

 

 食堂を後にして喫煙所へ、懐から二本取り出してメンソールから火を点ける。火が回ったのを確認してカプセルを潰す。瞬間、作り物臭さ前回のメロンの香りが口の中で花開く。金もあるし新しいスマホ買うか、どんなのがあるかスマホをポチポチ。

 海外では出回っていても日本には無い物もある、日本で使える奴に絞って探す。175g以下で4250mAh以上、5Gは…まだ普及しきって無いから付いてたら良いや位で。ミドルレンジよりハイクラス、十五万を上限に調べる。結構な数が見つかる。うーん迷うな、どーれにしようかな?

 中国製のXamioにしようMIX4 5gとか言うのが価格と性能で頭二つほど抜けている。おまけにアンダーパネルカメラにデュアルスピーカー、大型ストレージにマイクロSDスロット付きだ。有線にも無線充電にも対応している。うん、決まりだな。合計五個ポチった。

 二本目のキャスターホワイトに火を点けて深く息を吸い込む、ニコチンが脳を覚醒させドーパミンが大量に放出される。

 

 開店かぁ…さて、稼げるか稼げないか。蓋を開けてみないと分からない。

 スマホケースを検索、グローバルモデルが展開されているからかもう幾つか有る、ミリタリーチックな奴が良い。あった。色は…俺のは本体はターコイズだからケースは背面クリアのブラックカモにしよう。彼女たちの分も色違いで購入。

 二本目を消して喫煙所を後に、クソ不味いエスプレッソを二杯調達し部屋に戻る。

 温度を気にしながらチビリ、チビリとやる。んー、不味い。早々に飲み干した。

 時間もあるし口直しにコンビニ行ってボトルコーヒー買ってこよっと。一瞬でコンビニに着いた、早速コーヒーを物色。無糖のカフェラテをチョイス。139円なり。

 コンビニの外周に沿うように作られた喫煙所でヤニを吸い、グイっとコーヒーを飲む、無糖故の鋭い苦みと乳のまろやかさが堪らない。直ぐにメンソールを消してさっきと同じコーヒーとノンメンソールのカズヒラを購入、570円なり。

 灰皿に戻りヤニを吹かしつつコーヒーを飲む。

 そういえばクーラーボックス買ったんだった、入れる氷を買っていかないとな、店内にまた戻りロックアイスを二袋購入。

 


 ずいぶん遠くに来てしまったな。ふと、そんな事を思った。


 コンビニから歩いてホテルの部屋に戻ってきた、時間はまだある。ゴロゴロすっか。

 ベッドの上であっちにコロコロ、こっちにコロコロ。

 

 暇だ。刀剣類でも漁るか、ほうほう総合情報サイトがある。鋒両刃造で検索、五本該当。いいね!一番恰好良いのをタップ。はぁ?三億八千万?買えるわけねーだろ!死ね!

 気分を切り替え現代刀へ、六十万からか…ほうほう、悪くないな。でもなぁ。鍛造刀と鋼材削り出しでも今はそんなに切れ味は変わらないんだよなぁ…ニンジャソードは取り扱い禁止だし…もっと早くに買っておけば良かった。


 やっぱり日本刀は駄目だな、海外産に切り替えていく。

 ナイフは良いよなぁ…廉価で強い。この前買った鍔の付いたフルタングのナイフはまさにそれだ、切れ味が高いだけでなく耐久性にも優れていた、二度の実戦を経て撓みも刃毀れも無い。

 異世界の金属加工技術がどれほどかは知らないが現代規格の模擬刀とナイフは実剣と打ち合いへし折って見せた。彼女の突きや払いを悉く受けきった、件の物は今はサリアが装備中だ。

 結局何も買わずにこの前買ったナイフをブックマークするだけで終わった。

 

 コンコン、と廊下に面したドアが控えめに叩かれる。

 

「今開けますね」


 スマホを即座に機内モードにして画面をロック、来客に応じる。

 

「…時間だ」


 サリアが言う。

 

「今日はどうする?」

「何をしましょうか?」


 ルサルカ達が疑問を投げてくる。

 

「今日もいっぱい働いていっぱい食べるよ~」


 アンリが元気一杯に宣言する。

 じゃあジャンケンってのもあれだしルサに残ってもらおう。

 お菓子の袋をルサに差し出す。

 

「ルサさんは今日はお留守番ということで」


「ん、お菓子喰うね」


 話もまとまったので飛ぶ事にする。


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