018 ブサメンと新たなる仲間達
賃貸から出て階段を降り街の方へと歩いて行く。二人から四人に増えたので自転車は無しだ。
「マジに異世界だ…ルカ」
ルサはやべぇもんを見たとばかりに呟く。
「高い建物ばかりだね、本当に異世界なんだねルサ」
夕方だ、日は落ち切る寸前、これからは夜になる、晩秋のそんな時間。四人は肩を並べてウニクロに入店する、ルサルカ達の服を買いにお店まで足を運んだ。
下着を選ぶのだとサリアが言って女性用コーナーに消えて行った、俺もパンツ買うかな?腋臭が沁み込んだビンテージものなんて割とシャレにならない破壊力を秘めていると思うんだ、エコバックを片手に男性用コーナーをチェック。
三つばかりボクサーパンツを買った。
店の入り口で待っている間こういう時スマホがあれば便利なんだけどなぁ、などと考える。そのうち彼女達にも買い与えるか、そうしよう。
おしっこしたくなったので便所へGO!便器に黄色いおしっこぴゅっぴゅっ!ああ、スッキリした。店の入口へと戻る。
三人は店の入り口に居た、籠を抱えて待っている、ふと気づく、ああそうだ。こっちの金渡してねーや。素早く手指消毒を済ませ入店、三人に合流する。
「…やっと来たか」
「すいません、少し用を足してきたもので」
ルサは良いのが無かった、とぼやきながら買い物かごを差し出した。
下着3セットと防寒ジーンズ三枚、他企業とのコラボ長袖Tシャツ二枚、もふもふのパーカーと靴下三個と寝巻。
ルサが今着ているのは、動きやすそうな編みサンダルと中央アジアの民族衣装っぽい何かだ、きっと拘りが有るのだろう。
「うーん、ちょっとシンプルなのが多いですね」
ルカは下着3セットに暖かそうな上インナー二枚、クリーム無地のロングスカート二枚、柄違いの襟シャツ二枚にループタイ、猫の刻印がなされた太いベルト、それに白ニーソに襟が立った防風ジャケット一枚に靴下と寝巻。
それと併せてエコバック×二を会計、タグは切ってもらって早速試着室で着替えてもらう、動きやすそうな民族衣装っぽいのもいいけど現代の服も良いな、彼女達の魅力が引き立っている、選んだのは誰なのだろうか。
「もっと良い服屋ねぇの…?」
不満有り、と言った感じでルサが溢した。
「新しい衣装、有難うございます」
ルカはちょっと露出少な目、手首と首以外は完全に肌色成分抑えめだ。
ルサより若干バストがデカいから地雷女子感が凄い、こういう子って彼氏もいないのにサクッとワンナイトするためにお薬飲んでる率が高いイメージ。
だから現代の若い女の子って病気持ってんだよな、俺も病気が怖くて未だに童貞だよ。
ルサのインナーで膨らんだ形の良いバストを眺めながら足を動かす。
数分歩いて着いたのはロイホ、今日もパーッと豪遊しようじゃないか。
「お前たちに言っておく、良からぬ事をしようと等思うなよ、もし行動に移れば直ぐに殺す」
サリアが物騒な事を言う、やめなよ。そういうのは抜きで行こうぜ。
巨漢ブサメンと美女三人のエントリーだ、心なしか店員の頬が引きつっている。
「いらっしゃいませー!何人様でしょうか?」
「四人です」
「畏まりましたー!テーブル席までご案内しますね!」
二十も半ばと思われる女性のウェイターに案内されるまま後ろを付いていく、こういう正統派美女も良いな、まあ顔だけで行けばサリアやルサルカたちの方が良いんだけど。手配者だったり山賊だったりと何かと後ろ暗い彼女達だ。
柔らかな光に照らされる店内、四人はテーブルへと腰を下ろした。
二つのメニューを四人で見る、まあ字が読めなくても写真の雰囲気でなんとなく分かるだろう。
「おい、シューイチ君」
「私たちは何を頂けるので、というか同じ卓に掛けても?」
ルサルカ達からの問いかけ、俺は返す言葉を選ぶ。
「こちらの世界に奴隷制度は無いのですよ、もっと寛いで…リラックスしてください」
彼女達から巻き上げた金貨のパワーが俺を饒舌にさせる。
「野菜食いてぇ…生がいい」
ルサのが筋肉質なのに野菜が好きなのか?
「私も同じものを」
と言いつつ分厚いステーキに目を奪われるルカ、肉好きなのかなァ。
「飲み物は何にしましょうか?せっかくの夕食、水だけでは味気ないですよ?」
それとなく飲み物を勧める、そうすれば少しは俺の罪悪感が薄れるってもんだ。
金貨の詳細は把握していないけど、六千幾らって考えると十億越えだ、うまく捌けば俺も億万長者。
「エールって有る?」
ルサが言う。
「ありますよ、まぁエールと言うよりはラガーなんですけど」
基本的にはクラフトビール以外ではエールは売っていない。
お高いスーパーとかだと違うんだろうけど。
「らがー?何が違うの?」
上面発酵と下面発酵の違いだっけか?よく覚えて無ぇな。
「まあ麦酒の種類の一つだと思って下さい、苦みが効いてますけど結構病みつきになりますよ?」
ホップってマジウマ、本物のマスカットよりマスカット臭が凄いんだよな。
「じゃぁそれで…」
メニューをパラパラと読みながら適当にいう。
「ええ、はい」
ルカが決まったようだ、声をかける。
「わたしはこれにしようと思うんですが良いですか?」
熱っつくないのかなあの服、胸が蒸れそうなもんだが。
「ハイボールですね、分かりました」
少しぎこちないが会話がある、もっと打ち解けたいんだけどな。
ルサルカ達はオーダーを決めた、後は俺とサリアだ。
「…和牛サーロインステーキにシェフの気まぐれサラダ、飲み物はハイボールと生だ。それと食後にキャラメルナッツブリュレパフェを二つ」
サリアのオーダーが決まった、俺も同じものを頼むとしよう。飲み物はどうするか、あんまり酒って気分じゃない、ドリンクバーで良いや。
店員を呼んでオーダーを通す、後は待つだけ。
暫し談笑と行こう。
「ルサさん、ルカさん、お二人の年齢は?」
俺は、ブラック面接よろしく年齢を聞く。
「二十七。」
「二十七です」
思ったより年食ってんだな、外見が良いから騙されたわ。
だが、しかし合法だな。興味が無いと言えば嘘に成るがロリっ子ほど興味はない。サリアのような違法ロリが好みなのだ、高校で同じ剣道部の奴の無〇正ハ〇撮りがネットに上げられた時はサルみたいにシコッたな、千回と言うと嘘に成るが九百回はシコッたな。
奥まった席で店員もカメラの目も無いので魔術を行使、ルサルカ達を十三年ほど若返らせる。これで脱法ロリって訳よ。
アレぇ…?二人とも堀が浅くなって美女ってよりはエロギャルみてぇになった…『゛幻想゛じゃねぇよな』
でもなぁ、美人系より可愛い目のが好みだからストライクゾーン内角低めって感じかな、まあヤレるかヤレないかで行けば当然やりたい訳だが、ああ美しきかな姉妹丼。あれ?こいつ等って姉妹だっけ?
「ルサさんルカさん、お二人は姉妹ですか?」
「んー、答える必要有る?」
「種違いの双子です」
ほう、姉妹丼出来るじゃない、でももしやるとするならばあと六年ほど若返らせてからだな、でも体が縮むと何かと不都合だろうしそれを強要するほど鬼にもなれない、ああ。俺って中途半端な人間だなぁ…
まあそれは今に始まった事じゃないか。もっと人間として高みに至りたい、どうすれば人間力って上がるの?教えて神様!
そうこうしていると酒が運ばれてきた、ドリンクバーからフレーバーティーを持ってきてお決まりのアレをしますか。
「皆さん杯は持ちましたね?」
俺は音頭を取る
「では…」
「新たな仲間に」
「美味しい食事に」
「クソみたいな生涯に」
「明日を迎えられることに!」
「「「「乾杯!」」」」
グラスを突き合わせてチン、とやる。
こういうのは世界を跨いでも変わらないんだなぁ。