5
買い物袋には最後に手料理をと買い込んだ食材がいっぱいだったが、それを放り出して、彼は私を押し倒す。
「祐二君」
「海月さん。俺……」
彼はそれ以上何も言わない。
ただ私の胸に顔を埋めて、息を荒くする。
心臓が、痛い。
彼のどうしていいか分からないその気持ちのままの、乱雑で不器用な愛撫が、私を襲っていた。
「……いいよ」
だから、だろう。
それとも、私もやはり別れたくないということなんだろうか。
彼は頷いてから、唇を首筋にねじ込む。
荒々しくて、慣れていない。
どこから手をつけていいのか分からない。
その戸惑いが、とても愛おしい。
「ごめんなさい。俺、その……初めてで」
「うん。いいよ。大丈夫だから」
私は彼の頭を撫でてから、上着を脱ぐ。
汗で濡れたシャツから、頭を引き抜く。
ブラに包まれた胸を見て、彼は顔を赤くしていた。
「あの、これ」
体を起こした私は、彼の手を自分の背中に導く。
「ここよ。軽く捻って……ね?」
パチン、と音がして乳房を包んでいたそれが落ちる。
私はそのまま寝転ぼうとしたが、床板が固くて思ったよりも痛い。
「あの」
布団を出して、と言おうとした私の胸に、彼はむしゃぶりつく。
「ゆ、祐二君」
「海月さん……」
今度は私の方がどうしていいか分からなくなり、彼の舌が乳首を舐める様をそのまま眺めていたが、熱い息と、彼が必死に愛そうとしてくれているという思いに、どうしようもなく感じてしまう。その滾りが、下半身からずっと頭の方に抜ける。
「あっ……」
私は思わず声を上げた。
「ごめん。痛かった?」
「ううん。いいから……続けて」
「うん」
彼の頭を押さえる。
熱湯のような唾液が二つの乳頭を濡らして、私の鼓動をどこまでも早くする。
胃袋が持ち上がる。
あ、これ。
――違う。
何かが、間違っていた。
「海月さん?」
「ごめん、ちょっとだけ」
私は慌てて立ち上がると、そのままトイレに駆け込んだ。




