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LONELY   作者: sun
11/11

始まり

時は遡る。

一匹の龍が神域で生まれた。神域とはその名の通り神などが生活している領域、世界のただ1箇所に存在する空間である。神域は普通の世界よりも時間の流れが遅い。そしてこの空間は普通の生物は入れないし勿論人間も入れない。ある技を使えるもの以外は、、、

龍がまだ名前を貰う前、神域では戦いの毎日だった。神獣に挑んでは敗北し、何故敗北したのかを研究する毎日、幸いに龍はご飯を食べる事や睡眠をとる事が必要なかった。毎日毎日戦闘の日々、何時しか神域の中の神獣では誰も龍には敵わなくなっていた。龍の成長はものすごい物だった。1回負けると次で確実に勝つための方法を持ってくる。決して政党法ではなく卑怯な方法でも勝ち続けた。彼は戦闘の天才だったのだ。そして神域を出た時彼は出会ってしまう。龍は思った、こちらの生き物はどれだけの戦闘技術があるのかと、浮かび上がった疑問に戦闘欲求がどんどん高まって行く。その生き物は2足歩行で神々を模した様な外見、腰には棒を掛けている。ケインスは思った。あんな棒切れで戦うこの世界の生き物は何て脆弱なのだろう。

「おいそこの生き物!私と勝負だ!」

「ゴニョゴニョ、、、」

こいつ何を言っているんだ?言葉が通じないのだろうか、まーいいこちらから仕掛ければ絶対に戦いだと分かるはず!

ケインスは電光石火の如くその巨体からは出せるはずのないスピードで二足歩行の生き物に攻撃を仕掛ける。大きな爪は空を裂き二足歩行の生き物の元に到達する。龍の攻撃は少し力を乗せた物だった、だが二足歩行の生き物は腰に掛けた棒切れで自分の身長程ある爪を受け止めている。

龍にとってそれは絶対に有り得ないことであり屈辱的な事だった。そしてその生き物は気がつくと自分の鼻の上にいて、目の前に棒切れを突き立てていた。龍は思った。どんな事をしても絶対に勝つことは出来ないと。神獣の様な力任せの攻撃ではなく技を使った技術だった。龍はその時参ったと人生で初めて頭を地面に落とした。その生き物はその場を立ち去ろうと後ろを向き歩き始める。龍はこの生き物に考えた教えて貰えれば自分はもっと強くなれるのではないか?と

龍はその生き物について行く、するとその生き物は意図を察したのかこちらに喋りかけてきた。

「ゴニョゴニョ、、、」

意味の分からない言葉でずっと喋っている。龍は頭が良かったが流石に手がかりなしで全く知らない言語を習得するのは不可能だった。

だが二足歩行の生き物は違った。

「オマエコレデアッテルカ?」

「お前!この言葉が分かるのか!?」

二足歩行の生き物は分からないと首を横にブンブンと振る。

少しの時間話をしていると二足歩行の生き物はすらすら会話ができる様になっていた。

自分が初めて完全敗北したその生き物の種族名は人間と言うらしい個体名は教えてくれなかった。

そしてここで本題に入る。

「お前は何者なんだ?」

「ハッハッハ、こちらこそ貴様は何者か聞きたいね」

確かに名前を尋ねるのに自分が名乗らないのはおかしいな。

「我は我が誰なのかいまいち分からんのだ。我は神々の集う場所、神域で生まれた、親が誰かは分かっていない、そもそもいるのかも分からない。だがこれだけは言える、私は神域にいる神獣よりは強かった、と」

「なるほど、で?私に負けたから着いてきたのか?」

「そうだ」

「まー見た目は龍だろうな。名前も無いのか?」

「名前は無い。龍?とは何だ?」

「龍か?龍は神域で生まれ落ちる精霊の1種だ。だが龍と言うのは今の今までおとぎ話の中の生き物だった。だがお前はここにいる。お前が龍の第1号だ。」

「我が龍第1号なのか、、、何か凄いな、」

「あーお前は凄いのだぞ、名無しの龍よ、お前に名前をやろう」

「我に名前をくれるのか!?」

龍はこれまでにない喜びの感情が湧いてくる。

「そうだな、、、私が今までで1番強いと思った者の名前をお前にやろう。貴様は今日から「ケイン・ゼ・ソード」と名乗るがいい」

「ケインス・ゼ・ソード、、、

なんて名前だ!!!本当に考えられないくらい、、、」

「何だ?嫌だったのか?」

「素晴らしい名前だ!強さを文字にしたような良き名前だ!我にふさわしい!」

龍、ケインス・ゼ・ソードはこれまでにない喜びで舞い上がる。

「そうかそうか、気に入って貰えて何よりだ。それじゃ私はもう行くからな」

「す 少し待ってくれ!我を弟子にしてくれないか?」

「私がケインス君を弟子にとって何の得がある?さっきは君に名前をあげたけれど私は無益な事はしないんだ」

「うーん、、、そうだな、私はさっき名前をつけられた時、力が湧き上がる様な気持ちになったのだ、だから私も名前をやる!」

「ハッハッハ!私はもう名前があるぞ!」

「では教えてはくれぬか?」

「うーむ、私は少し有名人でな、無闇矢鱈に名乗っては後々面倒な事になるのだ。まー昔に少し色々あってな、、、」

「なるほど、、、貴様は本気で戦った事があるか?」

「弱かった時はあったが今は全くないな、本気を出したら直ぐに決着が着いてしまう」

「ほぉーなら我が貴様の本気に勝って見せようぞ!」

「ほぉー、それは面白い!実に楽しみになってきた!良いだろう私の弟子になることを許す!だが、2つ条件を出して良いか?」

「あぁ良いぞ!我が主!」

「ハッハッハ!もう私は主になったのかい?まー悪い気分ではないからそう呼んでくれて良い、そしてそのお願いだがな、絶対に守って欲しい者が居るのだ。私の娘何だがな、姉妹の妹の方だ。」

「何だそんな事なのか?勿論構わないぞ。だが何故妹なんだ?」

「姉の方は今私が育てていて順調に育っている。後にパートナーも見つかる。だが妹の方はまだこの世に生まれ落ちてもいない。」

「ん?それはどういう意味だ?何故まだ妹は生まれていない?」

「姉妹は姉妹でも腹違いなんだよ、、、姉の方は私が愛した相手と出来た子だ。妹は敵の女王との間の子だ。」

「ほう、、、なかなか複雑な事だな、、、」

「勘違いしないでほしいが私は敵とは行為を行ってはいない!私の愛したその人は敵によって操られて私の精液が敵の手に渡ってしまった。その後愛したその人は殺された。」

「それは残念だったな、、、」

「そして2つ目の条件だが。ケインス、お前が妹に血を注ぎ込んでくれ!」

「お主はとにかくその姉妹は普通の人間なのだろ?我の血を注げば死ぬやもしれぬぞ?」

「その時は重要器官共有を行ってくれぬか?」

「フフ、アハハハハハハ面白い!我が一生人間と生きて行かなければならないということか?しかもその人間が死んだら我も死ぬとな?」

ケインスはプルプルと体を震わせる。

「そういうことになる、、、」

「素晴らしい!今までに感じたことのない感覚だ!ワクワクと言うのか?それが止まらないぞ!」

「そうか、嬉しいのか、私はてっきり怒っているのかと、、、」

「そんなことはない!私は何年先になるか分からぬ話に胸を踊らせているのだ!」

「本当にありがとう、、、今からきついかも知れないが頑張れ!」

「我が主!よろしく頼む!」

「じゃーまずは 人間の姿になれるようにしようかな、」

「龍が人間になれるのか?」

「あぁ勿論だともその大きな体よりは動きやすいし使い方によっては龍の姿よりも強くなるかも知れないぞ?」

「強さを求める我にとって少しでもお主に近づけるだけで光栄だ」

「ハッハッハ!嬉しい事を言ってくれる。

そうだな、まずはさっきから下ろしている頭を持ちあげろ、そしてそのバカでかい龍気を体に引っ込めろ」

「龍気?我からはそれが出ているのか?」

「あぁそうだとも。それも普通の人間が息絶える程の龍気だ。」

「それは申し訳ないな、、、お主は大丈夫なのか?」

「ハッハッハ!私はお前を参ったと言わせた男ぞ?龍気くらいでは落ちぬわ!」

「流石我が主!尊敬である!」

「ハッハッハ!さっきから思っていたんだが主にお主とは少々失礼ではないか?」

「嫌だったか?」

またさっきの様に頭を地面に落とす。

「そういう訳ではないんだ!だが少しおかしいと思ってな、、、気にしないでくれ」

ハハハと苦笑を浮かべる。

そして1時間程がたった時

「こんな感じか?」

「そうだ!そうだ!ほぼ完璧だな、」

ケインスは完全に人間の姿を手にしていた。

「動きに不自由はあるか?」

「全然大丈夫である!龍気を抑え込む事ができる様になってから何か色々な事ができそうだ!」

「そうだぞ、よく気がついたな、龍気を自由に動かすことができる様になれば龍気を攻撃に使うことができる。」

「例えばどんなのがあるのだ?」

「そうだな〜、炎や水、光なんかの自然の力を使うことができる。自然の力はお前以外にワイバーン系の竜が使うことができるぞ。」

「我とは違う龍がいるのか?」

「お前とは違う竜だ。竜はワイバーンそしてその他にドラゴンがいる。で龍はお前だけだ。」

「なんか言葉だけで聞くと分かりずらいな」

「字が違うだけでワイバーンと龍の読み方は同じだからな。」

「そう言えばお主も自然の力と言うのは使えるのか?」

「ああもちろんだとも私は植物を使うことができる。そして私は彼岸花しか使えない」

「彼岸花か、、、あんまり強そうではないな、」

「確かに武器は作れないしあまり使い勝手は良くな、だが強いぞ。」

「なるほど私が強くなったら使ってくれぬか?」

「それは無理かも知れない、私の彼岸花の能力は必ず相手に死をもたらす」

「そうか、、、見てみたいものだ、、、」

「いつかは見れるさ。」

ケインスにも聞こえない小さな声で言うのだった。

それからケインスと男は修行に励んだ。男は身分が高いのか大きなお城に住んでいた。すれ違う人々は男の事を「彼岸の王」と呼んでいた。ケインスは理解していなかったがそのまま自分が決めた主と歩みを進めることを決めていた。

そしてケインスが力をつけた時、絶望の歯車がゆっくりと動き出した。


「彼岸の王!」

いつものようにケインスと男は剣を交えていた時、遠くから誰かを呼ぶ声が聞こえる。

「何だ?今私はこやつと剣を交え、楽しい一時を過ごしていたんだが。無礼だとしれ!」

「大変申し訳ありません!ですが今はどうかお許しください!緊急事態なのです!」

少し腹の出た中年の男が息を切らしながら叫んでいる。

その光景はケインスを酷く困惑させた。今まで見てい自分の主は優しく、天界で世話になった神様の様な人だったが今自分が見ている主はまさに王様だった。

「緊急事態とはなにごとだ?ゆっくりで良いから説明しろ」

「龍がドラゴンどもが人間に嘘を流し手を組んでワイバーンの領土に攻めて来ました!そして状況は最悪でもうすぐそこに敵軍がいるのです!」

「それは本当か!?まだドラゴンとの休戦は続いているだろう?それに人間と一緒にだと!?」

珍しく主が同様している。

「急いで兵を集めて硬め...」

ドゴォン!

城が攻撃に、あっているのか?

ケインスが考えていると外から大きな声が聞こえた。

「「「この裏切り者ー!!!」」」

男は城の外に走り出す。

「お前たちは何故我々を敵視している?

私たちは手を取り合うと約束したはずだが?」

「クソ野郎が!お前が企んでいる悪事は全部流れてるんだよ!彼岸の王!いや

「春風 勇摩」!!!」

ケインスの主に向かって人間が叫んでいた。そして人間が叫んだ名前が自分の主のものであると何故か直ぐにケインスには分かった。

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