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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

やたらと馴れ馴れしい職場の後輩がうざい

作者: 桃口

職場って、人との距離近いよな、と思って書きました。

「コーヒーって、そんなに美味いもんなんですか?」


高橋の唐突な質問が隣のデスクから飛んできた。


相変わらずふわふわ地に足が着いてない感じのする、軽々しい口調だ。


そろそろ午後2時だが、本日消化するはずのタスクがまだまだ残っている。


午後7時の定時に向けて、そろそろラストスパートをかけていくか、とインスタントコーヒーを給湯室から調達してデスクに戻ってきたところだった。


「うーん、まあ、美味しいですよ」


特別香ばしくもないインスタントコーヒーを、無理やり喉に流し込む。


この苦々しいカフェイン飲料があれば、何時間でもじりじりとやっていける気がするから不思議だ。


「ははっ、不味そうに飲みますねえ」


「......」


今年からチームに配属になった高橋は、今年入社の新人且つ私より年下のくせに、馴れ馴れしく話しかけてくる。


まあ、こいつの態度など業務になんの関連もない、心底どうでもいいことなのだが。


「はは、これで、午後もがんばれます」


苦々しく口元だけで笑って、会話終了。

タスクリストに目を戻す。


「先輩、絶対こっちの方がいいですよ」


手元にコン、と小さな瓶が置かれた。

黒っぽくて、漢方薬の瓶のようだ。


「はあ ......」


「こっち、飲んでください。奢りです」


にか、と大きく笑う高橋。


「エナジードリンクですか」


「これ、なんか超効く物質が入ってるらしいんですよ。先輩、これ飲んでがんばってください」


スマイルのまま力の入ったガッツポーズをキメて自己完結した後、高橋はパソコン作業に戻る。


「......」


別に飲んでやる義理もないが、悲しいかな、元来健康には目がない性分なのだ。効く、と言われると試さずにはおれない。


パキ、と瓶を開け、恐る恐る飲んでみる。


「...... まっっじい ......」


「あはははっ!!」


顔面だけなら爽やかリア充な頭をのけぞらせて爆笑する高橋が視界に入る。あ、殺意だこれ。なにヒーヒー言ってんだ。


むかつく。


「先輩」


「...... あ?」


「今の顔、泣きそうな赤ちゃんみたいで、最高にかわいかったっす」


むかつく。


こんなしょうもないやつに構われてどうしようもなく喜んでる自分がむかつく。


ビタミンドリンクは美味しいですよね。

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