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異世界チートの弊害
「いい? 私の国にはこんな言葉があったわ」
一本の矢が手渡される。
「一本の矢では容易く折れてしまう」
三本の矢が手渡される。
「だが三本の矢では──」
折れてしまった。
「……少し折れにくい。だけど! 十本の矢なら!」
十本の矢が手渡される。
力を入れるとバキバキと音を立て、折れていった。
「……まとめて折れるわ」
「主、何の話をしようと……?」
「だけど! 鉄の矢持ってきて!」
「己を強化すれば! 一本でも!」
力を入れられた鉄の矢は
「折れ曲がる! けど……三本なら!!」
先ほどと同じく折れ曲がる……いや先ほど以上に折れ曲がっている。
「……主?」
「そう……いくら雑魚が強くなろうと意味はない……さぁ!掛かって来るがよい!」
「主!?」
この部分だけでどうしろと