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微忘碌  作者: 平田凡太
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異世界クラス転移系

ちょろっと書いたクラス転移の第一話

 学校に着いたと思ったら異世界に着いていた。

 異世界にはクラス全員が飛ばされていた。RPGツークルでよく見る城内とよく似た風景で、推定王様になんか頼まれてたけど、なんややんやはトップカーストさん達が引き受けてくれたので我ら陰の集団には関係なかった。


 かに思えたが、取り巻きさん達が俺ら4組は一蓮托生、ズッ友とか言い出したので巻き込まれた。田中は許さない。

 この騒動が2日前の出来事。


 騒動の翌々日、つまりは今日、遠征に向かっていた隊長を王族命令で呼び戻し、隊長さんはクラス全員の面倒を見るように王様から命じられていた。

 命じられていた隊長さんの顔は終始真顔であったが、目を見たら分かる。アレは長期休暇を貰った人の目だ。

 死地を駆け巡る御人がただの小僧共の面倒みるとか楽だろう。小僧共の責任は負うだろうけど大したものじゃないし。


 これで簡単な回想は終わり。以上3分でわかる経緯でした。


 で、ここからが今から起こる出来事。


「これから一人一枚カードを配る!」


 そういうと隊長さんは8つに分けられた列の先頭の人にカードと針のワンセットを人数分渡した。


 まあよくあるステータスカードだ。それに血を垂らすと能力が見えるなんともご都合的なカードだ。

 なお失くすとカードの再発行はできない。


 隊長さんの説明が一通り終わり、クラスの人々は仲の良い友達、なんとなく所属しているグループへと別れていく。


 突っ立っていると二人の人間が近づいてくる。清水と鈴石だ。


 中学からの付き合いで毎年クリスマスに野郎共でカラオケパーティを開催するくらいには仲がいい。


「3人で順番にカードの確認していこうぜ」


 清水がそう言い、ジャンケンで順番を決めることになった。

 ジャンケンで順番を決めた結果、清水→鈴石→俺の順でカードの確認をしていくことになった。


「まずは俺からだな」


 そう言い、清水は何の躊躇もなく指に針を刺しカードに血を垂らす。

 するとカードに文字が浮き出してくる。イメージとしては透明な水に墨汁一滴が浸透していく感覚。つまりめっちゃ遅い。

 カードの表示に一分はかかっただろうか。何はともあれ清水のカードの能力表記が現れた。


「これは……アレだな……」


 能力は早さだけが尖り、他は平凡くらいだ。スキルは早さを助長するかのようなスキル構成だった。


「一つの能力が尖ってはいるから使い道がないわけではないけど、尖った能力に近い能力を持った上で他の能力が上の上位互換がいるから、実質的に採用するのが難しいレア度2か3くらいのキャラクラー……」


 完全にゲーム目線の意見で評価をする。


「辛辣なご意見ありがとうございました」


 清水はポケットにカードをしまう。


「次はお前の番だぞ」


 次に鈴石がカードに血を垂らす。


「……んー。運用キツくない?」


 清水とは逆に早さが低い。他の能力は清水よりは高いがスキル構成が随分と補助的なものだった。


「完全支援型だけど早さが足りないな。あ、清水が鈴石をお姫様抱っこすれば解決だな。レア度は3か4くらいか?」


「まあまあのレア度だな」


 さて、とうとう来たるべき俺のターンだ。針を持つ指にも力が入る。震えながらも指先に針を進める。だが、針は皮膚に触れたところで動きが止まる。


「皮膚が硬すぎて針が刺せねえ」


「おいおい、そういう冗談はいらねえぞ? 早く血を垂らせ」

「そうだぞスパッといけ。スパッと」


「ちゃんと針は押し込んでるんだけど……あ、折れた」


「……硬化系かな?」

付加(エンチャント)剛力(パワー)


 鈴石が強化魔法をかける。

 身体中に力が漲ってくる……このパワーならいける!


「うおおおおおおおお! 針折れた!」


「針にも付加しないとダメかー」


 そして苦節十七分、何十もの針をダメにし、何重ものバフをかけた末に血を流すことに成功した。


 カードに血を垂らす。するとそこには防御だけが尖り、他は清水以下の能力があった。スキル構成は挑発と隠密。完全にヘイト管理。


 十七分かけた攻防の末に見つけたものに清水と鈴石は言葉を失う。フィローを入れてきたのは鈴石だった。


「アレだね。なんか……ね? 使い道はあるんだろうけど重宝されるかと言われたら……」


 自信なさげな評価が心に突き刺さる。そんな中に声をかける奴がいた。


「へーい、ボンクラーズ君達どんな感じだったぁ?」


 クラス1のお調子者であり、トップカーストの取り巻き田中がいた。田中は俺らのカードを取り、流し読むと投げ返してきた。


「役に立たなそうな奴らだなぁ? 俺の能力を見てみろよ」


 田中は完全に能力しか見ておらず、堂々とカードを見せつけてくる。

 能力は平均の上くらいで、スキル構成的に一生トップカーストさんのバッファーか! ヒューッ! トップカーストさんの取り巻きさんは違いますねぇ!


 なんて煽ることも出来ない。実際問題、ここにいる3人は田中より弱い。3人が力を合わせて勝てるかどうかくらいだ。


「どうだ?すごいだろ?もしもの時は女子優先だがお前らも助けてやっから安心しとけよ!」


 と言うと田中はトップカーストさんの元へ駆けて行った。


 ……もしや田中はいいやつなのでは?


 そんな事が脳裏によぎる。今まで心の中で罵倒してたやつの評価がマイナス評価からプラス評価に上がった気分になった。


 全員のカード確認が終わり、隊長さんの召集がかかる。


「カードは確認出来たな?……よし。それじゃあ今日はここで解散とする!明日は能力の確認を兼ねて模擬練習をする!明日の為しっかり睡眠はするように!解散!」


 隊長さんの事が響き渡り、クラスの一同は引き締まった顔をしていた。


 明日から模擬練習……異世界に来たと言う感じがする。


 ──俺たちの冒険は始まったばかりだ!


田中は王様は限られたやつ以外を殺そうとしていることに勘付いたり、クラス全員の具合を確認する為に全グループに向かういい奴の設定だった

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