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1日1投稿がんばってます!
それから、2年ほどがたち、話は冒頭まで戻る。魔族との戦いが終わり、勇者も、それとともに不要になったかと思えば全くそんなことはなかった。
これは、エリザベス、魔王本人から聞いた話であるが、人は混同しがちなのであるが、魔族と魔物は全くの別物であり、魔族との争いは亡くなったが、魔物の被害は亡くなっていなかったからだ。
今でもアンは、各地で起きる魔物の被害を解消するために国中を飛び回っていた。今度は、キマイラといわれる合成獣の討伐で近くにくるので、久しぶりに顔を出すらしい。
アンは、その育ちと言動から、おおざっぱなようにみえて、非常にマメで、冒険者ギルドをつかって次はどこへいくだの、いつ帰るだの、僕に連絡をしてくれる。
そんなにこまめに連絡をしてくれなくてもいいのに。
いま、僕には一つの心配事があった。今受け取った手紙でアンが言っている街に戻ってくる時期が、今度のエリザベスの訪問の日と重なりそうなことだった。
今は、停戦状態とはいえ、魔王を倒すことを指名にしていた勇者と、魔王とが一堂に会することに、なんだかいい予感を全く感じない。
とはいえ、エリザベスとは明日、ダンジョンに行ってみることになっているのだが、エリザベスの訪問はいつも一日だけだし、キマイラの討伐をしているアンが街を訪れるまではしばらくかかるだろう。
そう思ったら、気分が楽になってきた。
とりあえず、いつもどおり冒険者ギルドにいこうと、僕は家のドアを開けた。
「えへへ、今帰ったよ」
そこには久しぶりに会うアンの姿があった。
「やっぱり、アルドの家にくると、帰ってきたなという気持ちになるよ」
そういって、まるで自分の家のように、アンが入ってきて、持ってきた荷物を下ろしていく。いきなりの展開についていけず、僕はかろうじてこう質問した。
「アン、キマイラの討伐はどうなったの?」
「ああ、あれね、ちゃんと終わらせてきたよ。なかなかしぶとかったんだけど、早くアルドに会いたいしさ、がんばって、早く終わらせてきたんだ。あ、これ、お土産ね。今回は王都に行ってきたんだー、やっぱりすごかったよ。アルドは行ったことあったっけ?今度案内してあげるから……よかったら、今度一緒に……」
「え?最後なんて」
「なんでもないよっ」
アンは、どこか焦ったようだった。でも、今回のアンの到着が速かったのは、ほんとに予想外だった、明日、いったいどうしたらいいだろうか……
「でも、今回はほんと早かったね」
「うん、がんばったよ。それでさ、今回は早く終わったから、しばらくお休みを貰えるんだ。」
「へー、どれくらい」
「1週間!」
これまで、アンが街に帰ってきても、せいぜい2~3日ということだった。でも、1週間ということでれば、1日くらいバラバラに行動する日があっても大丈夫だろう。
「えっと、アン、せっかく戻ってきたところであれなんだけど、明日ちょっとさ」
「明日?」
トントン
その時誰かが、家のドアを叩く音がした。あれ、特にだれとも約束もないのにうちを訪ねてくるなんて、いったい誰だろう。
「ちょっとまってて」
僕はアンにそういうと、ドアを開いた。
「アルド、来たよ」
そこには明日街にくるはずの、エリザベスの姿があった。
ジャンル別ですが、なんとランキングが30位ほどまで!?
お気に入り、評価いただいた方ありがとうございます。
つたないお話ですが、引き続きよろしくおねがいします。
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アンの口調を、だんだん変えていってるんですが、いつか時系列でしっかり見直したいと思ってはいるのですが、なかなか、執筆だけで手いっぱいです……
誤字とかのチェックも十分できてないので、多々、気になる点もあるかもですが、ご容赦ください。
明日も間に合えば、正午ごろの投稿を予定してます。




