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例によって短くてすみません。
すうすう
くぅくぅ
今僕のよこでは、美女が二人眠っていた。
一人は、小さな身体に幼いながらも目をつぶったままの長いまつげにつぶらな口、きめの細かく柔らかそうな頬、短く切りそろえられた赤っぽいピンクの髪の毛は細かくとても柔らかそうだ。サイズの少し大きなネグリジェは寝相のせいか、お腹のところまでまくれ上がっており、真っ白な肌が目に眩しい。
もう一人は、すらりと伸びた体躯、少し吊り上がった切れ長の目、薄く凛々しい唇に小さな鼻、こうやって寝ていると、本当に美人だ。黒い髪の毛は、背中まで伸びており、まるで絹のようにつややかだ。これまでのぴったりした衣装とは違い、キャミソールのような上着一枚で、これまた目に優しくない。
そして、二人に共通をすることなのだけども、胸元がアンとは全く違って非常に豊かで、その胸が、左右から僕の身体に押し付けられている。
こんな状態で寝れるわけがない!!
僕の魔王城での夜はこうしてモンモンと過ぎていったのだった。
……
うーん、いい匂いがする。それになんだか柔らかい。
僕は不思議な感覚に目を覚ました。
「おはようございます」
いつの間に眠っていたのだろう、目を開くとこちらを見ているシルビアさんと目が合った。
「あ、オハヨウゴザイマス」
「そろそろ、放していただけますか。動けませんので」
「あ、ハイ」
そりゃ、いい匂いがするわけだ、眠ってしまった後に暖を求めたのだろうか、僕は、シルビアさんの細い腰をしっかりと抱きしめていた。
後ろでは、エリザベスが、なぜ私に抱き着いてこないのかと文句を言っている。
イヤ、不可抗力ですよ……だからその頭の上の黒い球体はしまおうね……
……
「えっと、じゃあ、ドラゴンを貸してくれてありがとう。乗ったことはないけど……」
「うん、わかった……」
彼女は見るからに落ち込んで見えた。
「ほら、今度街に来るときにはいろんなところを案内するよ。僕もまたくるし」
「そう……ねっ、楽しみにしてる」
そう言って、エリザベスはにっこり笑った。
その笑顔は、まるで向日葵の花が咲いたように明るい笑顔で僕はしばらく見とれてしまった。
……
言葉もなく見つめあう二人。
「「「さっさとくるです」」」
赤青黄の子らが、それぞれ同じ色をしたドラゴンにまたがっていた。
「それじゃあ」
そういって、僕のために用意された銀色のドラゴンにまたがると……
「うわっ」
あっという間にドラゴンは飛び立ち、ぐんぐんと高度を上げていく。何とか振り返りエリザベスの方をみると、いつまでも手を振る彼女の姿が見えた。
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仕事の合間に書いてますので、こんな感じの更新になるかと思いますが、お付き合いいただければ幸いです。
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