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今日も短くてすみません。なんとか更新を
まず、誤解をとくまでに、小一時間ほどかかった。
その後の話し合いにより、彼女には、魔王として、人との争いを停止すること。
また、戦いの歴史があるので小競り合いを防ぐことはできないだろうけれど、調停のために努力すること。
彼女に定期的に人間の街を訪問してもらい、人間についてよく知ってもらうこと。
人間と魔族がお互いのことをよく知るために互いに協力するために、定期的に話をもつこと。
などについて、合意して和解することとなった。
ちなみに、エリザベスが最後まで譲らなかった結婚については、お互いがまだ若いということで、数年間の間猶予をもらい、お互いに考えるということになった。僕としてはその約束はなかったものにしてもらっていいのだけども。
すべての交渉が終わった時には、もう辺りは真っ暗で、僕はそれから人間として初めて魔王城で一晩を明かすことになった。
大きく、そして豪華な部屋の中央に置かれた天蓋付きのベッドの上で、今、僕は一つの問題にぶち当たっていた。
今回の戦いで玉座のあるエリアはボロボロというか、消滅してしまったようなものであったが、さすがは魔王城としうべきか、そこは魔王城の一角で、僕が紛れ込んだ浴室や居住用のエリアについては、無事に残っているようだった。
案内された部屋は魔王城の客室らしく、最初の印象はただただ広いだった。
石畳の床には、要所要所に豪華な絨毯が敷かれており、中央には天蓋付きの様々な彫刻がされたキングサイズはあろうかというベッド。見たことのないような大きな鏡が付いた鏡台。赤い革製のこれまた高そうなソファーと大理石のローテーブル。一つあれば、僕の小さな家が建てられるような高級な家具が、部屋の広さのため、ぽつぽつと置かれている。
なにもこんなに広い部屋にしなくてもよかったのに。
「ねぇ」
そんな声で、我に返る。
僕の今いる、ベッドの上にはもう一人、ピンクのネグリジェに身体を包んだエリザベスが座っていた。
「さっき、こういうことは、時間をおいて考えようってことにならなかった?」
「こういうことって?」
そういって、彼女が首をかしげると大きめのネグリジェがずれて、彼女の肩が明らかになる。思わず、目が吸い込まれると、これまた肌色の部分が見えている、彼女の胸元が見えそうになる。
「リズ様の柔肌がこんな男に……、キーーー」
いつの間にか、シルビアさんといったかが、僕たちの背後からこちらを恨めしそうに睨んでいた。この人もとんでもなく美人なのに、いろいろ残念すぎる。
「シルビアさんもどこから出てきたんですか?エリザベスも自分の部屋に帰って」
「わたしたちはもう結婚するから、もう家族みたいなもの。家族が一緒に寝るのは当たり前」
「私の目が青いうちは、いやらしいことをすることは許しませんからね。そうだ、私もリズ様の横で寝ます」
「シルビアがそうしたいならそれでいいよ、じゃあ、これで解決ね。おやすみ」
「いやいや、おやすみじゃない」「失礼します」「失礼しますじゃないから」「すぅ……」「もう寝てる!?」
これは、大変なことになりそうだ……僕は思わず天を仰いだ。
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