16
短くてすみません...
今まで見たことのない光線が僕の身体を包み、そして、轟音を立てて爆散した。
目がくらみ、轟音で何も聞こえない。
光線は外まで貫通したのだろうか、どこからか流れてきた風で舞い上がった粉塵と煙が晴れていく。
思わず風の入ってくる方へと振り向くと、先ほどあった巨大な扉が跡形もなくなくなっていた。
地面も僕が立っているところ以外は、薄くえぐれており、エリザベスの先ほどの攻撃のすさまじさを物語っている。
「今のは危なかった……のかな?」
何が起こったかわからなかったが、僕の身体は全くの無傷だった。さすがは『無敵』の効果ということか……
エリザべスとお付きの美人がこちらをかなり驚いた顔で見つめている。
「リズ様のエンドオブワールドを食らって無傷なんて信じられません……」
「今のはわりと本気で打った」
いまのでわりとって、本気で撃ったらいったいどうなるんだ、〇ルディック家のような扉が一瞬で消し飛んだぞ……さすが魔王ということか、無敵の効果があるとはいえ、これはこのまま戦っていると危ないかもしれない。
「ちょっと」「ころす」
彼女が、またこちらに飛び込んでくる。両手には、魔力で作った剣だろうか?右手には赤、左手には青の短剣のようなものを持って、目にも止まらないような速さで、切りかかってくるのをかわしていく。
「はなしを」「ちょっと」
彼女の攻撃は、緩急を交えながらも、持っている不規則に伸び縮みする。予測不可能な動きでありつつ、苛烈極まりない攻撃を繰り出してくる。離れると、すべてを破壊するような攻撃が飛んできて、近寄ってもこの様子である。
魔族でもっとも強い者、魔王の称号が伊達ではないことがよくわかる。
「きいて」「うごくな」
だけど、その攻撃が、僕にあたることは決してなかった。相手の攻撃がよめるとか、自分の動きが速くなったような間隔とは違い、ただ圧倒的な力の差がそこにはあった。
「だから」「こいつ」
が、僕にもその苛烈な攻撃で話をする暇がなかった。
「話をきいてって言ってるじゃないか!」
とうとう辛抱ができなかった僕は、そういって彼女を軽く突き放して距離を取ろうとする。
僕の手が彼女の華奢な身体に触れると……
彼女の身体は、一直線に飛んでいき、立派な玉座に激突してその椅子の中に彼女の身体がめり込んだ。
「あっ」
僕がだせたのは、そんな声だけだった。
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