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今日は珍しく早く帰ってこれました。

あれから、30分はたっただろうか。黄色い子に話しかけても何も答えてくれないし……いつまで待つんだ、何を待っているんだ……扉に近づこうとすると、黄色い子に「まだはやいです」って怒られるし、いったいどうしたらいいんだ。


「準備できたです」


黄色い子に促されるままに、立ち上がり、大きな扉の前へと進む。


両手を、大きな扉について、ゆっくりと開いていく。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ


すごい音を立てて、扉が開いていく。


部屋の中は、薄暗く、部屋の端も見ることができないくらい広い。足元には絨毯が引かれており、一歩ずつ足を進めていくと、どういう仕組みになっているかはしあらないが、僕が進んでいくにつれて、絨毯の通路の横に建てられている柱についた松明に明かりが灯されていく。


しばらく進んでいくと、床が一段上がったようになっており、その中央にはこれまた大きな椅子が置かれていた。その椅子は考えられる限りの装飾が施されたように豪華で、玉座というのにふさわしいような椅子であった。


「よくきたな、ゆうしゃよー」

(ここまで来たのを誉めてやろうです、リズ様)

「ここまできたのを」

(誉めてやろうです)

「ほめてやろう」

(名乗りをお願いします、リズ様)

「わらわは、エリザベス・デスペレイション・セカンド、今代の魔王よ」


「……なんですかね、これ?」

「様式美です」


そう言って、椅子の横に控える黒髪の美人がさっきまではしてなかった眼鏡の淵に手をやって直しつつ答える。


なんか調子が狂うな……ここは魔王城で間違っていないはずだけど、この子もかわいい子で人間を襲うような感じには全く見えないし……なにより魔王って感じではない。


彼女が、半ば飛び降りるようにして台座から降りてくる。


僕よりも年下なんではないかと思われる彼女の小さな身体だが、主張の強い胸元がアンバランスに、彼女が子供ではないと主張している。

どうしても、さっき見てしまった彼女の裸体が頭に浮かび、顔が上気してしまう。


僕は半ばごまかすように。


「君が魔王ってのは、ほんとなの?」

「そうなるわ」

「人間を襲っているのも君の命令?」

「わたしには、みんなを守る義務があるわ」

「アルドバイってのは、君の部下ってことでいいのかな?」

「アルドバイは、魔王四天王の一人、最弱だけど」「アルドバイは、最弱ですね」

(殺したのは僕だけど、なんだか、すこしかわいそうになるな……)

「僕には、どうしても君が悪い人には見えないんだけど」

「わたしたちは人じゃない……どちらにしても、わたしは、あなたを殺す必要があるもの」

「どうして、人と、魔族が殺しあう必要が……」

「だって、あなたを殺さないと結婚しないといけないもの」

「えっ?」

「幻鬼族の掟として、裸を見られたら、相手を殺すか、結婚しないといけない」

「え、いや、そんなつもりはないから……」

「あんなに小さかった、リズ様が結婚……なんて、許せません!りずさま、そこを退いてください!そいつ殺せない!」

「大丈夫、シルビア、わたしが殺すから……結婚には、シルビアから借りた本に書いてあったように、街角でぶつからないとでしょ?」


この人たち……いや、魔族たち、大丈夫か……そんなことを思っていると


「行くわ、運がよかったらしなない」


そういうとともに、エリザベスが、地面を蹴ってこちらに突っ込んでくるのが見えた。


思わずしゃがんで彼女の攻撃を避けたが、普段であれば今の一撃で首を落とされていただろう。顔をあげると、驚いた顔でこちらをみているエリザベスと目が合った。

彼女は、すぐにもとの無表情のような顔にもどり、地面を蹴って、後ろにさがった。


「リズ様の、攻撃をかわすなんて……さっきので、四天王なら全員死んでましたね。やはり、ここまで来るだけのことはあるということですか……」

「今のをかわすとは予想外、次はもう少し本気で行く」

「はなせばわか……」


そういう間に、エリザベスの身体をその身体の何倍ものオーラが包む。

これは、明らかにやばい感じがする。


膨れ上がった、オーラが、彼女の身体に集まっていき……


「エンド・オブ・ワールド」


目の前に伸ばした、彼女に右手に光がともったと思うと、目の前が光で包まれた。


読んでくださってありがとうございます。


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